銀色
ブランド名 ねこねこソフト ジャンル シリアスビジュアルノベル
発売日 2000.08.31 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 INSTALL DISK : 650.6MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
GAME DISK : 125.8MB+CD-DA=654.1MB、CD-DA27トラック
原画 綾瀬悠、白凪マサ、秋乃武彦、
葵渚
シナリオ 片岡とも、ヤマタカユウキ、高嶋栄二
ALFRED
音声 ヒロインのみあり(日本語・英語)、綾川りの、春野ゆきね、カンザキカナリ
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 20箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ CG MODE、SOUND MODE、おまけシナリオ
対象属性 感動、純愛、悲劇、悲恋、ダーク、シリアス、ストレートロング、巫女さん、ドジっ娘、
ボブカット、ロリ、女給、お姉ちゃん、妹、エプロン、銀髪、大正浪漫(笑)
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 8

レビュー
ねこねこソフトの贈るシリアスビジュアルノベル、銀色。
このゲームは4つの章に分かれていて、それぞれ時代が平安・鎌倉・大正・
そして現代となっています。


ちなみに私が買ったのは「ねこまっしぐら(ドライタイプ)付」の方(笑)
…で、中身はジグソーパズルでした(^^;

「VNとして徹底的に映画を意識した作り!」…ビジュアルノベルと映画は
何か関係があるのだろーか…(^^;

「■横長フルスクリーン」…上下がカットされてるだけですね(^^;
「■テキスト2行表示」…1文が入りきりません(笑)
「■全曲サントラ風音楽」…本編で使った音楽をまとめたのがサントラでわ(^^;
「■日本語・英語ボイスモード」…英語モードはどーだろ(^^;


このゲーム、インストールには問答無用で900MBを要求してきます(^^;
選択の余地なしかい…。しかもインストールは無茶苦茶時間かかるし…。


ゲームを起動すると、いきなり英語のプロローグが流れます(^^;
このゲーム、音声を英語/日本語で切り替えることが出来るのですが、
日本語に設定してもここは英語らしい(^^;

しかし、この言語切り替え機能ってなんか意味あるんですかね?
海外でも売るつもりなのでしょうか?(^^;
声優さんも大変でしょうにねぇ。みなさん英語の心得はあったのでしょうか。


ゲームを開始すると、ダークなプロローグの後にオープニングが流れます。
歌の方は雰囲気のある静かな歌でなかなかいいですな。ただ、こーいう
歌にしてはちょっと伴奏が勝ちすぎてるきらいもありますが。

絵の方はまあ特筆すべき点はないかな。ちょっとダークっぽい。
あと、私がこれをプレイしたときはPC-9821だったのですが、この環境では
最後のスクロールの部分で激しく重くなって、最後は歌が終わってもまだ絵は
動いているというつらーい状態でした(^^;
# これ、ムービーじゃなくて自力で表示してるのね。

ちなみに、このオープニングはタイトルメニューからオープニングを選択しても
見られます。


インタフェースは基本的にマウスのみ。メッセージ送りのみはキーボードOK。
メッセージ速度の調節は出来ますが、最速にしても一瞬で表示されるわけでは
なく、特に音声のある所ではすげー遅くなります。
まあメッセージ表示中にキー(ボタン)を押せば最後まで一気に表示してはくれ
ますけど、短いメッセージだと飛ばしてしまう可能性がありますので、
メッセージ履歴機能が欲しいところですね。
# こーいうシステムには必須だと思うんですけど。

ちなみにこの現象は、修正ファイルを入れることで緩和されます。
サクサク進むとまでは言いませんが、ストレスはない程度の速度でメッセージが
表示されるようになりますので、プレイ前には必ず入れましょう。

描画はウインドウ・フルスクリーン両対応…なのですが、ゲームを起動した時は
必ずフルスクリーンになっていて、ウインドウでプレイする場合は毎回設定しな
ければならないという仕様。
てゆーか、ウインドウでプレイしていて、最初に戻るを選択するとフルスクリーン
に切り替わる所を見ると、メーカロゴを出す前にフルスクリーンで初期化してる
ようですな。まあ、売りが「横長フルスクリーン」ですから、フルスクリーンで
プレイして欲しいのかも知れませんが、それならウインドウモードはなくせば
いいと思いますし、ウインドウモードを付けるなら状態を保持して欲しいです。

セーブ箇所は20箇所。ノベルタイプで選択肢もさほど多くありませんから、
数としては問題ないでしょう。セーブ/ロードは随時可能です。


ゲームの方は、全4章のストーリーが章立てで進みます。基本的にそれぞれの
話はほぼ独立しているのですが、根底に流れる設定は全て「銀の伝説」という
共通の設定を持っています。

システム的には選択肢決定型のアドベンチャー。…というより、選択肢は数える
ほどしかありませんから、完全にノベルですね。


絵の方は…雰囲気はあると思いますが、私はいまいち萌えないかな。
なんかみんな死んだお魚さんの目なんですが、ゲーム中でも「虚ろな目」と
表現されていたりするので、それはそれでいいのかもしれない(笑)
とりあえず、狭霧萌え(笑) あやめ(どの?(笑))もいいですけどねっ☆


まず最初のシナリオ。時代は平安。主人公は峠で追い剥ぎをしている悪人。
いきなり親子を斬り殺します。…この時点でプレイをやめようかと思いました(^^;
# 人殺しが嫌いな私(^^;
##でも、Phantomなんかは平気でプレイしてたな(笑)

で、とりあえず進めてみたのですが、ひたすら淡々と何の抑揚もなく進む。
色町から逃げ出してきた女の子となんとなく一緒に過ごすのですが…
なんか、無駄に日数を費やしている感じ。それもそのはず、主人公もヒロインも、
生きる目的がないんですもんね(^^;

そしてそのまま進めていって…何も起こらず救いのないまま終わりました(^^;
一瞬バッドエンドか? とも思いましたが、次の章に続きましたし…。


そして第2章。時代は鎌倉。1章とはうって変わってちょっと明るい雰囲気で
プレイしやすい感じ。主人公は地方領主の息子で、とある里の視察のために
神社にやってくる。そこで働いている狭霧と出会い、次第に心惹かれていく…
という純愛系のストーリーなのですが…ああっ、狭霧らぶっ☆(爆)
めっちゃくちゃいい娘ですね(T_T)
# 「神主様ぁ〜」(笑)

このシナリオは結構コミカルな部分もあって非常にプレイしやすかったです。
# 狭霧の中では昼寝好きで食い物の味にうるさい穀潰しの主人公(笑)

しかし、山に登り付いたときには夕焼けを背にしていたのに、それからしばらく
して日が傾き始めるというのはどうも…(^^;

そして話が進むにつれて、とんでもない事実を突きつけられる。
ええ、泣きました。あまりにも切ないです。そんな中で健気に生きる狭霧が、
とても強く、そして悲しく儚く見えました。

ラスト手前ですが、主人公ってむっちゃくちゃ強いですね。
私なら、あの状況であの場にいることなんて絶対に耐えられないと思います。
# 絶対助けに入ってる。

そしてそのまま終わりかと思いきや、またまたさらにキツい展開が。
これ以上は語りませんが、はっきり言って、私にはあまりにも辛すぎる話でした。
でも、非常に心に響く話でもありました。


お次は3章。時代は大正。両親を亡くして家業の喫茶店を姉妹2人でなんとか
やっている朝奈・夕奈。
…このゲーム、ヒロインのみボイスありなのですが、朝奈だけ喋って夕奈は
喋らないというのはどうでしょう(^^;
あからさまに「ヒロインは朝奈です」と言っているようなものでは…(^^;

この話は、仲の良かった姉妹がふとしたきっかけで歯車が狂いだし、その
関係をなんとか修復しようと朝奈が頑張るが、事態はどんどん悪い方に…
という、典型的な破滅系のシナリオです(^^;

この話、はっきり言って、めちゃくちゃイタいです。パンチ効きすぎです(^^;
嫉妬に狂った女の恐ろしさを見たような気がしました(^^;
私にはちょっとキツすぎました…。

このシナリオのラスト、あのあとどうなったのかひじょーに気になります。
とても幸せになれるとは思えないんですけど…。


そして4章。時代は現代。…なのですが、平行して銀の伝説にまつわる平安
時代のストーリーも進んでいきます。

家業の喫茶店を手伝っているあやめ。そして、最近この街に引っ越してきた
主人公。2人は出会い、仲を深めていくが、あやめには人に言えない秘密が
あった…。…そら言えんわな。喋れないんだから(笑)
ということで、言葉を失ったあやめが、主人公に支えられながら、なんとか
言葉を取り戻そうとする話。

もう1つの話は、銀の伝説にまつわる話で、平安時代、ある帰化人の領主が
干魃を鎮めるために何でも願い事が叶うという銀糸を作り出す話。
銀の伝説の始まりを描いたストーリーです。

この2つの話が交互に展開するのですが…私にはこの演出はどうかと思い
ました。それぞれのストーリーはなかなかいいと思うのですが、感情移入
しようにもいきなり場面が変わるので、ちょっと面食らいました…。

そして話を進めて盛り上がってきたところで…いきなり曲が流れてきて
スタッフロールが流れてきました(^^; 待てぃ。これで終わりなんかいっ(^^;


…と思ったら、なんかいきなり違う話が始まりました(^^;
これがまたイタい話…。ここまででかなりダメージが蓄積していたので、
この話はかなりこたえました…。


そしてその後、今までの話を全てまとめるかのような展開があるのですが、
その時にはもうなんかイタさで盛り上がっていた気持ちも萎えていました(^^;
ちょっと泣けましたが、2章ほど深くは泣けませんでした。
はっきり言って、間に挟んだ話はいらなかったのではないでしょうか?
まあ、1章の話の解説編、というような感じだとは思うのですが、何もここに
入れなくても良かったのでは、と思いました。折角盛り上がってたのに…。


そんな感じで、最後はちょっと拍子抜けしたような感じでしたが、それでも
個々のストーリーは非常に良くできていると思いますし、設定も一貫していて、
上手くまとまっていると思います。最後は全てを見事に解決したという感じですし。
# でも、あんまり救われてないけどね(^^;


私は個人的にはやっぱり第2章が一番好きかな。一番泣けましたし。
ストーリーに入りやすくて感情移入できたというのが一番大きいでしょうけど。

あとはやっぱり第4章でしょうか。しかも平安時代の方。物語の根幹をなす
話だけに、かなり心に響く物がありました。そして、あまりにも悲しすぎました。
ああっ、あやめ萌えっ(爆)


ワンプレイは11時間程度。若干長めだとは思いますが、各章は3時間程度ですし、
ストーリーは基本的に1本道で、1回クリアしてしまえば終わりですから、ゲーム
全体のボリュームとしては実はそれほどでもありません。

ノベルタイプですから、難易度も低く、ストーリーに専念できるでしょう。


お奨め度としては、結構お奨め。ただ、かなりダークなキツいシナリオばかり
なので、そういうゲームが苦手な人には向かないと思います。
てゆーか、ホントは私もそういうゲームが苦手だったハズなんですけどね(^^;

逆に言えばダークなシナリオが大丈夫な人には、かなりお奨めです。
私には合いませんでしたが、3章なんかはかなりクると思います(^^;
私はあまちゃんなので、最初はほのぼのとした第2章が一番好きですけど…。

あと、このゲームをプレイする際に気を付けていただきたいのは、必ず修正
ファイルを入れてからプレイすること。

その理由はまずシステム的な重さ。修正ファイルを入れないと、メッセージが
たらたらと流れる上にレスポンスが悪いので、かなりのストレスです。

そして、誤字の多さ。まずパッケージの裏を見て愕然。
ゲーム紹介の文章に明らかな誤字が…。パッケージからしてこれですから、
本編の方も心配していたのですが、案の定。
私の文章よりも誤字が多いぐらいですから、かなりのものでしょう(笑)
# ノベルタイプのゲームで、これはどうかと思います(^^;

修正ファイルを入れれば、これらの点は若干解消されますので(それでも若干
システム的な重さは感じますし、誤字も気にはなりますけど(^^;)、プレイを
始める前には必ず入れておきましょう。感情移入の阻害を防ぐためにも。


それと、このゲームはプレイを始めたら最後までプレイしましょう。
# 普通は最後までやるとは思いますが、とりあえず(^^;

全てのストーリーはラストに繋がっていて、ラストを見なければ話として完結
しません。2章と3章は若干別の話のような気がしないでもないですが(^^;、
あれも銀の伝説の悲劇を語る上で必要だったのでしょう。
このゲームを途中でやめてしまっては、絶対いい印象は抱かないと思います。

何故こんなことを書くかというと、実は私、一度途中でこのゲームを投げ出して
いるんです(^^; 修正ファイルも入れずにPC-9821でプレイしていたのですが、
あまりの重さと1章のあまりのメリハリのなさに、耐えきれなくなってやめて
しまいました。
その時は、このゲームに対してはっきり言ってかなり悪い印象を持っていました。

その後、またこのゲームをプレイするきっかけがあって今度は修正ファイルを
入れてきっちりプレイしてみると、そのとき感じた印象が嘘のように変わって、
ストーリーの世界に引き込まれてしまいましたので。

私と同じように1章の盛り上がりのなさに挫けそうになっている人がいたら、
とにかく頑張って2章まではプレイしてみて欲しいです。
2章をプレイしてもダメだったら、このゲームは合わないのでしょう。


最後に。このゲームはクリア後におまけシナリオをプレイすることが出来るの
ですが…本編をクリアした直後にプレイするのは避けた方がいいと思います。
雰囲気ぶちこわしです(笑)
# 面白いけどね(^^;
##White〜セツナサノカケラ〜が好きな人は、このためだけにでもプレイする
##べし(笑)



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