DEEP VOICE
ブランド名 CROSS NET ジャンル サスペンスアドベンチャーゲーム
発売日 2001.11.02 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(164x230x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 INSTALL-DISC : 592.3MB、CD-DAなし
GAME-DISC : 52.8MB+CD-DA=4311MB、CD-DA34トラック、Ring
DEEP-DISC : 97.9MB+CD-DA=222.4MB、CD-DA3トラック
原画 TOMA シナリオ 菅野康
音声 フルボイス、失沢永音、ショニー小倉、三園あすか、宇佐美桃香、大波こなみ、
茉莉奈、神無月ほのか
インタフェース ややキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 10箇所 あり(1曲、イメージソング)
おまけ GALLERY、MUSIC MODE、MEMORY
対象属性 サイコサスペンス、鬼畜、陵辱物、病院物、看護婦、ストレートロング、カチューシャ、
緑髪、オーバーニーソックス、眼鏡っ娘、お下げ、黒髪、ボブカット、ピンク髪、ロリ、
ツインテール、お兄ちゃん、赤髪、ウエディングドレス
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 6

レビュー
交通事故に遭い、目が覚めたら見知らぬ洋館風の病院に運び込まれていた
主人公・荻巧。外傷などは特にないのだが、左右の目の色が変わっていた。
そして、過去にその場所で発せられた「声」が「見える」ようになる…。
病院内をあちこち歩いていると見える過去の声。その声の中で、主人公は
この病院の真実を知る…という、サイコサスペンスアドベンチャーです。
…すみません、ボケる隙のない完璧なプロローグでした(^^;


インタフェースはややキーボードサポート(^^;
メッセージ送りは出来ますし、選択肢決定も出来るんですけど、Configの
OKなどが何故かキーボードで決定できなくて、ボイスリンクシステムも
キーボード操作不可のようですので…。

あと、別のWindowにフォーカスが当たっていてもキーボードが効いて
しまうのはちょっと…。
# ゲームしながらメモも取れやしない(^^;

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快なのですが、
描画がちょっと重め。エフェクトを速度重視にすればいいんでしょうけど。

セーブ箇所は10箇所。セーブ/ロードは随時可能。
数としてはちょっと物足りない感じですね。ボイスリンクシステム絡みで
イベント回収にセーブ/ロードが必要になるのですが、この数ではキー
ポイント全てでセーブすることは出来ません。


キャラクターは以下の通り。

心を失った少女、檜。
主人公にだけ反応を見せるため、主人公はこの子のそばにいてあげて
欲しいと頼まれる。

病院で働く看護婦で、院長の義理の娘、春日碧。
お下げ眼鏡っ娘の優等生タイプで、典型的被虐キャラ(笑)

病院で働く看護婦、織原葵。
やたら主人公に突っかかってくる乱暴少女。
葵の手によって何度馬の置物が破壊されたかわからない(笑)
# どんどん増えていく馬の置物の包帯(笑)

病院で働く女医、柳妃呂子。
自分の興味のないところでは例え殺人が行われていようと知ったことでは
ないという、とってもドライな人(笑)

入院患者、くるみ。
家族がいないため、主人公と葵を兄・姉と慕う。
それが転じて、主人公と葵をくっつけて父・母になってもらおうと企む(笑)

病院を取材に来たルポライター、尼野亜紀。
有能なのか無能なのかよくわからないルポライター(^^;
見え見えの手段と強引な方法で病院の潜入方法を行う(笑)


絵の方はなかなか可愛らしくていいですね。
あんまり鬼畜・陵辱ゲームという雰囲気のないポップな絵ですが、これで
ダークな話が展開するというのは見物です。

葵萌え…なのですが、性格がイメージと全く違ってた…(^^;
で、碧に走ったら、碧もたいがいでした(^^;
ということで………主人公萌え〜(爆)
いや、鏡に主人公の姿が映るのですが、めちゃめちゃ可愛いんですよ(爆)
こう、なんちゅーか、ショタ魂をくすぐるというか(笑)
# これがこんなゲームの主人公とはなかなか思えないのですが(^^;

あと、演出効果としては、目パチや口パク、その他表情変化などがアニメで
表現されていていいですね。
タバコの煙や雨粒、料理など、細かいところにも拘ってあって良かったです。
…まあ、その分描画がちょっと重くなってるんですけどね…(^^;
# 嫌ならエフェクトを速度重視にするということで。


音声の方ですが、葵の声、もっと可愛らしいと思ってた(^^;
# とんだ乱暴者だし(^^;

まあ、キャラクターとは合ってると思います。
イメージとは違ってましたけど(^^;

演技の方は問題なし。イっちゃった演技もばっちりです(^^)


BGMも雰囲気があって良かったですね。
ただ、もっとショッキングな曲もあって良かった気もしますけど。
全体的にちょっと抑えめかな。心臓の悪い人に優しいですね(笑)
# ゲームの内容が心臓に悪いけど(^^;


システム的には選択肢決定型のアドベンチャー。

システム的な売りとしては、ボイスリンクシステムがあります。
これは、主人公の持つ能力「声が見える」というものを表現した物で、
画面中にいくつかのメッセージがおぼろげに浮かび、それに触れる
ことによってその映像を見ることが出来る、というシステムです。

1つの場所に複数の声が浮かんでいて、どれに触れるかによって見える
映像が異なり、その後の展開も若干変わります。
全ての声を見ることも出来るのですが、主人公が1日に見られる声の
数には限りがあり、限界を超えると主人公は暴走してしまうので、
どれを見るかをよく考えないといけません。

声が浮かんできても何もせずにじっとしているとしばらくしたら声は
消えますので、見たくなければスルーすることもできます。

ただ、ここで1つ問題があって、声はおぼろげに浮かんでしかもゆらゆら
動いているので、何が書かれているのか内容が掴みづらく、どの声を
見ればいいのかという判断が非常にし辛いです。で、悩んでいると時間
切れで声が消えてしまうので、フィーリングで選ぶしかありません。

声の出ている所でセーブすればいいじゃん、と思われるかも知れませんが、
セーブメニューを出している間もタイマは回っているらしく、セーブ箇所を
選択している間に声が消えたりします(^^;

折角売りになっているシステムなんですから、もうちょっと使い勝手を
良くしてくれてもよかったかなぁ、と思います。
まあ、どの部屋で誰の声が見られるかというのはだいたい決まっています
から、気になるキャラの声だけを見ればいいんですけどね…。

それと、実はこのボイスリンクシステムですが、エンディングにほとんど
影響しないようです(爆)
エンディングへのフラグはあくまで選択肢で決定されて、このボイスリンク
システムはイベント回収のためだけに存在するような感じなので、あんまり
悩む必要はなかったりするんですよね(^^;


で、ゲームを始めるとプロローグが流れるのですが…私、この最初に女の子が
出てきて「触ってください」と表示されるところも全部オープニングデモの
一環だと思って「全然先に進まないなー」と思いつつ10分ぐらい眺めてました(爆)
まさかクリックしないと先に進めなかったとは…(^^;


そして、プロローグが終わった後で、キャラクター紹介的なエピソードが
いくつか続いて、それから物語が動き出す…という感じなのですが、私、
このキャラクター紹介部分でほとんどのネタが読めてしまいました(^^;
なので、その後のプレイはそれを確認するだけ…。ちょっと寂しかったデス(^^;


ゲームの方は、突然見知らぬ病院に連れてこられ、しかも変な能力を持って
しまった主人公が、異常な声を見ながら、病院の真実に迫っていく…という
シリアスサスペンスなストーリーになっています。

葵とのやりとりなどでちょっぴりほのぼのする所もありますが、基本的に
ダークでシリアスな展開が続きます。


ストーリーは上記の通り、主人公が見た声について調査をしているうちに
いろんな事実が見えてくる…という展開で、なかなかストーリーに引き込む
力あると思うのですが、いかんせん私は早々にネタが読めてしまったため、
今ひとつのめり込めませんでした(^^;
それでも、充分ストーリーは楽しめましたし、独特の雰囲気は目を見張る
ものがありました。演出効果も高いですしね。


ただ、ラストはちょっと…。あれだけのことがあったのに、全てをなかった
ことにしてハッピーエンドですか?(^^; のーてんきな奴等…(^^;

あと、いくつかの謎…というか、疑問点が残ったままになっているように
感じる部分もありました。表面上の謎(早期に気付いたネタ)は解決されるの
ですが、もっと根底の「何故」「どうやって」という部分があまり解明され
ません。ちょっと気持ち悪いです(^^;
まあ、全てのエンディングを見ればある程度繋がるんですけどね…。


ゲーム期間は5日間。

ワンプレイは4〜5時間。シナリオに力があって話に引き込まれていたので、
プレイ時間は全く感じませんでした。

難易度ですが、ボイスリンクシステムが実はエンディングにほとんど関係
ないと気付いてしまえば簡単です(笑)
狙ったキャラの声だけを見て、そのキャラ寄りの選択をすればOK。
さらに言えば、ほとんどのエンディングの分岐は4日目にありますので、
前半部分はてきとーに流してもOKです(笑)


お奨め度ですが、サイコサスペンス物が好きな人にはお奨め。
シナリオにかなり力があると思うので、引き込まれることうけあい。
ただし、早々にネタには気付いてしまう可能性が高いですけどね(^^;
ネタに気付いても、展開は面白いので問題ないでしょう。
謎解きはあんまり楽しめませんけど。

あと、鬼畜・陵辱系ゲームが好きな人にもお奨め。
純愛要素なんてほとんどなく、ヒロイン個別エンドの直前ぐらいにちょっと
純愛っぽいシーンがあるぐらいです(笑)

くるみ関係のシナリオや亜紀のイベント、そしてバッドエンドなんかは
かなりきっついシーンの連続なので、陵辱物の苦手な人は避けた方が
いいかも知れません。…なんで私がやってるんでしょうね(^^;
# ハッピーエンドルートでも、フラグによってはショッキングなシーンが…。


このゲームの最大の弱点は、シナリオがほぼ一本道という所でしょうか。
先述の通り、エンディングの分岐はかなり後半に集中しているため、
そこまでのシナリオはほぼ共通になっています。ベースに流れる設定も
みんな同じですので、1つのシナリオをクリアするとだいたい背景が見えて
きてしまうんですよね。
# いきなりネタが読めた、という話もありますが(笑)

なので、マルチシナリオとは思わずに、1つのストーリーが途中の選択で
ちょっと違った結末を迎える、程度に思っておきましょう。
# 元々マルチシナリオとは言われてませんけど…。

まあ、本筋のシナリオは1本に絞った分、シナリオの力は相当の物ですので
充分に楽しめるとは思います。


最後に。柳先生、あんた一体何者だ(^^;


しかし…なんかどこかで見たことのあるオチだよね(^^;
てゆーか、戒流の渦?(爆)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る