Vivre 〜魂(こころ)からの笑顔〜
ブランド名 SOUP ジャンル ザッピングADV
発売日 2001.05.25 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(188x236x40mm) マニュアル A4用紙2つ折り
DISC容量 509.4MB、CD-DAなし
原画 きのはらひかる シナリオ 仮面writeBLACKRX
音声 フルヴォイスのつもり、成世るな、紗綾、稲葉みこ、さつきはつか、氷山琉果
インタフェース たまにキーボード操作可 描画 ややWindow・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 10箇所(セーブできれば) あり(1曲、OP)
おまけ CG-MODE、SCENE-MODE
対象属性 幽霊、陵辱、触手物、赤髪、ツインテール、ロリ、リボン、オーバーニーソックス、
ボクっ娘、幼なじみ、眼鏡っ娘、お下げ、巨乳、茶髪、ボブカット、カチューシャ、
巫女さん、ストレートロング、96cm(笑)
1プレイ時間 1〜2時間 お奨め度 3

レビュー
タイトルは、ビブレ夏のバーゲン! …ではなく、「ヴィーブ」と読むらしい。
ちなみに、ブランド名も「ソープ」ではなく「スープ」ですので(笑)

「2人の愛は永遠と思ってた。炎につつまれ、消えるまでは…
 ただ流れる時をみつめ続けるだけ私。
 でも、残り時間は、この修学旅行の間まで」
…みつめ続けるだけ私?(^^;
# 先行き不安(^^;

「かつての同級生に憑依すれば何かが変わる…ザッピングADV」
…あのー、これだけ見るとかなり鬼畜く思えるんですけど(^^;

「フルヴォイス」「MP3超高音質音声圧縮」「テキストスキップ可」
「テキストバック機能」「BGM/VOICE独立音声調節」「セーブポイント10」
「CGモード」「Hシーン鑑賞モード」「BGM鑑賞モード」
…さて、この中でいくつ嘘があるでしょう(笑)
# いや、嘘は書いてないですよね。ただマトモに動かないだけで(笑)


マニュアルはA5サイズのブックタイプ…もとい、A4用紙を2つ折りにした
ペラ紙タイプ(笑)


インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
…ですが、たまにキーボードが効かなくなったりする…。

描画はWindow・フルスクリーン両対応…なのですが、ダイナミックな切り替えは
出来なくて、切り替えをするためには設定を変えて一度ゲームを終了させて
再起動する必要があります。

動作の方はかなり重め。ベースはそんなに重くないと思うのですが、描画の時に
わざわざエフェクトをかけて重くして、しかもエフェクトを切る設定がないので
かなりいらいらします…。

セーブ箇所は10箇所。難易度は低めですからまあ問題ないでしょう。
セーブ/ロードは移動場所選択時以外なら随時可能。
ここで大きな問題が1つ。私の環境ではセーブをしようとすると落ちます。
百発百中。…私にどーしろと? 修正ファイルは入れたのに…。
仕方ないので一度もセーブせずにクリアしましたよ、ええ(T_T)


ゲームを始めると、プロローグを見るかどうかを選択して、プロローグを見るを
選ぶとそのままオープニングアニメーションが流れます。
そのオープニングアニメーション自体がプロローグになってるんですね。

歌の方は…なんちゅーか…こう…カラオケBOXで収録したんですか?(^^;
おそらく出演している声優さん達が歌っていると思うんですけど、もう人に
よってバラバラ(^^; 好き放題歌ってる感じ…。
曲は結構好きなんですけどね。

絵の方は、キャラクターは出てこずほとんど背景と文字だけです。
で、そのプロローグの中で、主人公・亢花は焼死します。
…うっわ、なかなかシュールな始まり方ですね…(^^;


そして、幽霊になってしまった亢花は、修学旅行先でいろんな人に憑きまくる…
という迷惑きわまりない話です(笑)
いちおう自分が付き合っていた彼が幸せになれるように見守る…というのが
目的ではあるのですが(^^;


システム的には、主人公が幽霊ということもあって、誰に憑くかを
選択するザッピングアドベンチャー。
基本的には狙ったキャラクターに憑き続ければOKです。
…ただ、主人公は女の子ですから、狙ったキャラ、というのはなんか
おかしいですけどね(^^;
# 憑き続けるというのも、なんかヤな感じ(笑)


キャラクターは、主人公であり幽霊の浮羽亢花(ふわのどか)。
「成仏とかしないで、無事憑いてこれたからいっか」…いや、良くないだろ(^^;
しかも「憑いてくる」ってあんた…(^^;

亢花の恋人、南風隼人(なみかぜはやと)。弱いクセに喧嘩っ早い(笑)

クラスメイトの御剣綾(みつるぎあや)。ちっちゃくて可愛い女の子。
多岐神流戦闘術を使い、やたら強い(^^;
# 「ボクの体が黄金に燃える! 彼女を救えと轟き叫ぶ!」…いいのか? それ(^^;

クラス委員長の村崎茉莉(むらさきまつり)。眼鏡っ娘の優等生。
隼人の幼なじみで、因縁浅からぬ関係。
最近になって突然眼鏡をかけ補聴器をつけた。
観光地の土産物や食べ物にも、浅からぬ因縁がある(笑)
# 「よほどのハズレに、当たったんだな…」(笑)

隼人の幼なじみで隣のクラスの緋景静鳩(ひかげしずく)。
同じく幼なじみの茉莉と、ある事件がきっかけで関係が悪い。

謎の巫女さん、多岐神羅那(たきがみらな)。
…なんスか…身長96cmって…(^^; うっわ、お当番ありだよ…(^^;
# じゅ、18歳以上なんですよねっ(^^;

綾の保護者で神出鬼没の後三条蓮華(ごさんじょうれんげ)。
本ゲーム中最も謎な人、かつ、危険人物(笑)
ハリアーを「タクシー」と言い切る素敵なヒト(笑)
# 「ハイヤー」の間違いだと信じたい(笑)


絵の方はなかなかいいですね。みんな可愛いです。御剣綾萌え。
しかし…多岐神羅那、身長96cmってのは…(^^;
# 綾もじゅーぶんお子様だと思うけど(笑)

声の方もなかなかキャラと合っていていい感じ。
ただ、ちょっと綾はやりすぎのような気もする(^^;
# 無茶苦茶あったま悪そう(^^;
##いや、実際あったま悪そうなキャラではあるのですが…。

「きょほほほほほ」や「うきゅぅぅぅ」をここまで見事にセリフ化
出来る声優さんは、なかなかいないような気がします(笑)

問題は、音量がバラバラで、綾以外の声は非常に聞き取りづらいと
いうことですね。

あと、パッケージにはフルヴォイスと書かれていますが、隼人は
喋りませんし、亢花もたまにしか喋りません(^^;
これが本来の仕様なのか、私の環境だけの問題なのかわかりませんが…。
# 音量が小さすぎて聞こえていないだけ?(^^;


話の方は、火事で死んでしまった主人公が、付き合っていた隼人が
自分の死を乗り越えて立ち直り、新たなパートナーを見付けるのを
ただ見守る…という話。
主人公は幽霊で、人に触ることも話すことも出来ないので、基本的
には憑いて回るだけ(笑)
あとは成り行きを見てるだけで、口出しすら出来ません。
登場キャラクター達が勝手に話を進めていきます(^^;


展開としては、それぞれ悩みを抱えた女の子と接しているうちに、
隼人が次第にその子のことを守りたい・助けたいと思い、そして
主人公(亢花)のことを吹っ切る…といった感じ。

問題は、それぞれの女の子が抱えている悩みが尋常じゃないこと(^^;
設定もかなり突飛で、人間関係もいろいろあって、なかなかに興味深いです。


基本的に亢花はのーてんきなヤツで、綾のおバカも手伝って雰囲気は
明るく進むんですが、ベースに流れる設定はかなり重く、隼人も亢花の
死のせいで暗く沈み込んでいるので、ゲーム自体はかなり重いです。
そもそも最初からして主人公が焼け死ぬところから始まりますしね(^^;

最後はちょっと展開が唐突だったり、ご都合主義的な設定が出てきたり、
説明不足な所もあったりしますが、まあそれなりの終わり方だったと
思います。幽霊物の王道というか(笑)


あと、特筆すべきはお当番。
各キャラクターにかなりの回数のお当番があって、プレイ時間で
考えるとかなりの割合です。
そしてさらに特筆すべきは、ノーマルなプレイがほとんどないこと(^^;
純粋に愛し合っているというシーンはなかったのでは…(^^;
陵辱だったり、触手だったり、お手当(笑)だったり。
これだけアブノーマルなお当番が連発する作品も珍しいかも(^^;
# 身長96cmのキャラがお当番ありというのが一番アレ(笑)


とまあ、普通のゲームの紹介はこのぐらいにして。
ここからは私の思いの丈をぶつけます。


…なめてんのか? ←いきなりか(^^;

このゲーム、いくらなんでも不具合多すぎです。しかも致命的なヤツが。

私はプレイする前に初回特典(笑)で付いている修正FDと、Webサイトから
ダウンロードした修正ファイルを入れました。

なのに…なのに…。

まず、一番最初に喰らったのは、オープニングで絵が表示されないこと。
通常なら歌が始まってそこから主人公(亢花)のモノローグが入るのですが、
なーんにも表示されずに画面真っ白なままで歌だけが流れているという
ことがありました。

そしてその次に喰らった最大にして最悪の問題は、「セーブが出来ない」。
具体的には、セーブ箇所を選択してYesを選択すると、デバッグメッセージの
ダイアログが出て、ゲームが進められなくなります。
他の所でこの現象についてはあまり聞いたことがないので、私の環境依存の
問題かも知れませんが、いくらなんでもこれは酷いでしょう。
どれだけプレイするのやめようと思ったことか…。

そしてその次に来たのは、憑依先選択場面で、憑依先の顔アイコンと、
実際に憑依する人が違うという現象。
そもそも画面には隼人と綾と茉莉の3人がいるのに、アイコンが出たのは
隼人と綾だけという時点で何か間違っている気もしますが…(^^;

さらに、このゲームは今話している人を最前面に描画するようなシステムに
なっているようなのですが、差分描画の処理に失敗しているのか、たまに
キャラが生首になりました(^^;

そして、音声関連でも、キャラによって音声のボリュームがバラバラで、
はっきり言ってマトモに聞き取れません。
下手に音量を上げると綾の超絶あったま悪そうな声が大音量で響き
渡ったりしますし(笑)

修正ファイルには、音量の調整という項目があったんですけど、
調節してこれですか?

あと、選択肢を選んだときの「きゅぴっ」という音や、セリフが他の人に
切り替わるときの「ぱきっ」という音が耳障りでしょうがない…。
というか、全体的に効果音が非常に耳障り。

さらに、効果音の音量が総じてキャラクターの声よりもかなり大きいので、
キャラクターの声を聞くために音量を上げることも出来ない始末。

そして、ダメージデカかったのが、たまにエンディングで落ちること。
どうやらフルスクリーンモードのままでエンディングを見ると、
落ちることがあるようです。
一度もセーブせずに最後まで進めて、最後の最後で落ちたときの
ダメージはどれだけのものか…(T_T)

さらにさらに、気合いと根性で一度もセーブせずにクリアして、おまけの
シーン回想を見ると、見たこともないシーンが追加されている(^^;
まあ、これは特に実害はありませんが…。
# 聞いた話では、見たはずのシーンが消えることもあったそうで。

あと、これは不具合ではないと思うのですが、起動が異常に遅い。
プログラムを起動してから画面が出てくるまで数秒かかります。
いったい裏では何が行われているのでしょうか(^^;

そして、ゲーム中の動作の方もかなり重いです。
メッセージなんかはすらすらと表示されるのですが、メッセージの
切り替えが遅い。次のメッセージを表示するとき、まず喋る人を
最前面に描画して、なおかつメッセージウインドウを入れ替えると
いう処理を行っているためだと思いますが、せめてこの処理を切る
設定が欲しかったです。はっきり言って鬱陶しすぎ。

さらに、メッセージ送りはキーボードに対応しているんですが、
キーボードが全く効かなくなることもしばしばありました。

そして、このゲームはシナリオの大部分が全キャラ共通(というか、
ザッピングで1つのシナリオを別視点で見てるだけ)なのてすが、
メッセージスキップ機能に未読・既読判別機能がないため、現在の
メッセージは読んだことがあるかどうかは自分で判断してスキップを
しなければいけません。…あんまり役に立ちません(^^;

あと、Window・フルスクリーンのモード切替が、瞬時には出来ずに
一度ゲームを終了して再起動しなくてはならない点。
まあ、別にそれほど必要というわけでもないのですが、今時これが
出来ないゲームというのも珍しいですね。

ということではっきり言ってマトモにゲームが楽しめるようなシステム
ではないです。いつ変な動きをするかとびくびくしながらプレイしてました。

もーちょっとなんとかならなかったんですかねぇ…。


ゲーム期間は3泊4日の修学旅行中。
ちなみにこの最終日が主人公(亢花)の四十九日だったりします(^^;

プレイ時間は1〜2時間でしょうか。
プレイ時間としては短めで、まあお手軽です。
ただ、システムが重いのと、それ以前の問題が山積みなので、
かなり長く感じる上に、どっと疲れます(^^;

というか、最後の最後で落ちられた日には、今までの自分の人生を
振り返って悪いところは全て懺悔したい気分になりました(^^;
# そんなに私って日頃の行い悪かったですか?(T_T)


お奨め度ですが…この、ゲームとして・製品として・商品として成り立って
いるかどうかも怪しいシステムのゲームを、お奨めして欲しいですか?(笑)

ストーリーはなかなか興味深いし、人間関係も面白い、キャラの設定も
かなり奇抜で特徴的、絵は可愛いし、演技のほうもなかなかいい。
コンセプトもいいと思う。

唯一にして最大の欠点(もはや弱点ではない)は、システム周り。
はっきり言って、マトモにプレイできる状態ではありません。
私は結局一度もセーブせずにクリアしましたしねぇ。
# セーブしようとして落ちたら嫌だし。

もうこのシステムが全てを台無しにしています。
原画家さん、声優さん、シナリオライタさん、作曲家さん、その他、
制作に携わった人が可哀相です。
# 一番可哀想なのはプレイヤーかも知れませんが(^^;

お奨め度を3としてますが、システムがしっかりしていたら、
おそらく6は付けていたと思います。
そのぐらい、その他の部分はなかなかいいんですよね。


他に弱点らしいところといえば、主人公が女性、しかも幽霊で、
話は基本的に取り憑いた人の視点を亢花が解説するという形なので、
感情移入がし辛い、というところでしょうか。
言ってしまえば、完全に第三者の目からお話を眺めているだけです。
プレイヤーの介入できる要素はありません。

まあ、そもそもがザッピングアドベンチャーなので、主人公視点で
進まないのは仕方ないんですけどね。
ちなみに、私はザッピングシステムはありま好きではありません(^^;
理由は感情移入しづらいから、なんですけど。


しかしこのゲーム、後から冷静に考えると、各ヒロインの設定がかなり
イタいです。特に茉莉は、どうしてそんなことになったのかを考えると、
かなり辛い気持ちになりました。

このイタさをゲーム中で味わえていれば、このゲームの評価はもっと
上がったかと思うと、こんな設定を考える余裕すら与えてくれなかった
このゲームのシステムが、本当に残念です。

システムだけで、これだけ評価を落とすゲームって、ホント珍しいと
思います。せめてマトモに(安心して)プレイ出来るレベルでさえあればと
思うと、残念でなりません。



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