Wing&Wind
ブランド名 Clear ジャンル AVG
発売日 2001.03.16 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Install Disc : 595.5MB、CD-DAなし
Music Disc : 159.2MB+CD-DA=553.3MB、CD-DA25トラック
原画 KEG シナリオ 秋津環
音声 なし
インタフェース ほぼキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
640x480・800x600両対応
セーブ箇所 25箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ 音楽鑑賞、画像鑑賞、回想
対象属性 純愛、癒し系、ギャグ、ラブコメ、ストレートロング、お下げ、従妹、
お兄ちゃん、スパッツ、眼鏡っ娘、幼なじみ、巫女さん、ショートカット
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 7

レビュー
ゲームを起動すると初回起動時のみオープニングアニメーションが流れます。
2回目からはタイトルメニューでしばらく何もしないと流れます。
# おまけメニューでほったらかしにしても流れました(^^;

内容は基本的に静止画を利用したキャラ紹介的な物。
歌はしっとりとした爽やかなイメージの歌でなかなかいいですね。
絵の方も雰囲気があってなかなかいいのですが…問題点が2つ。

まず1つは描画が早いこと。これは「描画が高速で快適ねっ☆」という意味では
なくて、絵がぱっぱぱっぱ切り替わるので、書かれている文字なんかをきっちり
読めない、という意味です。ちょっと急ぎすぎですね。

そしてもう1つは、背景色と似た色の文字を使っている部分があって、そこが
非常に見辛いこと。先述の表示時間が短いという問題もあって、もはや全く
読めません(^^;


インタフェースはほぼキーボード操作対応。メッセージ送りや選択肢決定は
キーボードで可能なのですが、タイトルメニューやセーブ/ロード画面などは
キーボードで操作できないようです。セーブ/ロードメニューなんかは
ファンクションキー一発で呼び出せるようになっているのに…。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。通常は640x480の解像度ですが、
インストール時に640x480 & 800x600デュアルインストールを指定することが
出来、それをすると800x600の解像度で描画できるようになります。
…何も、640x480と両方入れる必要ないと思うけど…(^^;
# 平然と、800MB持っていきます(^^;

セーブ箇所は25箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
数としては充分でしょう。それほどセーブ/ロードが必要なゲームと
思えない…というか、しても無駄だと思うので(笑)
# 詳しくは後述。


ゲームの方は、夏休みに田舎に帰ってこないかと従妹の若菜から手紙が届き、
何も予定のない主人公は田舎に帰る。
そして、そこで3年前に起こった出来事と、その街に伝わる伝説に絡んで話が
展開する…という感じ。
ゲームは8月14日に主人公が田舎に帰ってきたところから始まります。


システム的には選択肢決定型のアドベンチャー。
選択肢はそれ程多くなくて、どちらかというとノベルに近いかも。


ストーリーの方は、3年ぶりに田舎に帰ってきた主人公が、何の目的も
なくだらだらと毎日を過ごし(笑)、そんな中で出会った女の子に次第に
惹かれていく…という典型的恋愛物な訳ですが、基本的にコミカルに
展開します。会話の半分ぐらいはボケ・突っ込みだったような気がします(笑)

しかも、そのギャグも勢いよくまくしたてるような物ではなくて、普通の会話の
中でごく当たり前のようにさらっと出てくるので、なかなか侮れません(笑)

そんなに明るく楽しいおバカな印象はないんですが、淡々と進む話の中で、
ぼそっとつぶやいた言葉がギャグとか、そんな感じ。
# 「答え方次第ではベルトのズボンをゆるめておく必要があるからな。
#  (注:ここは深読みするところではありません)」(笑)


キャラクターは、ストレートロングのおねーさん、紗夜。
一見とってもお淑やかそうに見えるのですが、見た目と中身は全く一致
していません(笑) 自分のことを「女の子」と言い張る素敵なおねーさま(笑)
# 斬新でニューウェーブでハイエンドな墓参り…(笑)

駅前の定食屋でアルバイトをしていますが、ゲームが始まってすぐに
その定食屋は材料を調達するために休業します。
材料は山で調達するそうです。…何を?(笑)
# 「久しぶりに銃を…」(笑)
# 「無事に帰ってきたら…」(笑)
# 「素手でク…」(笑)
##「一組の大人の男女の思惑が一致した瞬間だった」(笑)


主人公の従妹で明るく元気なお下げっ娘、若菜。
最近かき氷のおいしさに目覚めたらしい(笑)
# 「これが大人の味がわかるってやつだね」…絶対違う。(笑)
##豚の背油を使った濃縮トンコツスープのかき氷(笑)

陸上の短距離走をやっていて、昔、陸上をやっていた主人公にコーチに
なって貰うよう頼んできます。…スパッツは却下です(笑)
# 「みんなも明日の予選会で緊張しているみたいだね」「…絶対それはない」(笑)


若菜の親友で、眼鏡っ娘の梢。
一見大人しそうに見えるのですが、実はとんでもなくお茶目さん(笑)
料理の腕に自信がなくて、同じ物を作っても作るたびに味が違う(^^;
# 「フグちりなんかどうですか?」「今日は帰ったら遺言でも書いておくと
# するか…」(笑)
##「シャレにならないので、そういう冗談は勘弁していただけると
##ありがたいです…」(笑)

「悲壮な表情なんですけど」(笑)
# 俺も嬉しかった。いろんな意味で。(笑)
##それから後の数十分は、俺がこれまで過ごしてきた人生の中でもっとも
##スリリングな数十分間だった。(笑)


主人公の幼馴染み(?)で、パチモン巫女さん(笑)の霞。
釣りが大好きで仕事をよくほったらかして釣りに行っている。
# 「誘導尋問に引っかけるなんてずるいぞ…」
# 「職場放棄したヤツに言われる筋合いはないと思うが」(笑)

主人公とは何でも好き放題言い合える仲で、主人公との会話の殆どが
ボケ・突っ込みで成り立っています(笑)
# 「巫女服を着た霞があらわれた。
#  どうする?
#  >土下座する
#  >お金を渡す
#  >誉め殺し」(笑)


他に、ヒロインではありませんが、若菜の母親、つまり主人公の
叔母である未雪さんがいます。なかなかイカした人です(笑)
# 「ものすごく図々しい発言が聞こえたような気がするが、あえて
# それには触れないようにする」(笑)


絵の方は、ちょっとメリハリのない能面なようにも思えますが、
基本的に可愛らしくて私は結構好きです。
やっぱり若菜が一番好きかな。明るく健気でとっても可愛かったです。


とりあえず、いつものように一番ラブな若菜寄りの選択をしつつも、
他の人達にも普通に接した八方美人プレイ(笑)を敢行。

…ん? なんか霞と釣りに行っちまったぞ? まあいいか。

…あれ? 紗夜さんとカラオケに行っちまったぞ? まあいいか。

そして若菜の予選会の日。バイト先から電話がかかってきて、
主人公は東京に帰ってしまいました。…って、バッドエンドじゃん(^^;
うーむ、やっぱり八方美人はまずかったか(^^;

ということで、今度は出来るだけ若菜以外のキャラには目もくれない
ような選択肢を選びつつプレイ。若菜との練習も滞りなく進み、
予選会の日…あ、電話がかかってきた(^^;

…えーっと、どこで間違ったか全然わからないんですけど(^^;

気を取り直してもう1度挑戦。仕方ないのでメッセージスキップも
使いつつ、最適と思われる選択肢を選びながら進む。

…うっわ、このゲーム、既読メッセージスキップの効き悪ぅ〜(^^;
ほとんど同じイベントで、途中のセリフが2言3言違うだけで、
そのイベントまるまるスキップの対象から外れてる…。

まあとりあえず気にせずサクサクと進める。さすがに今度は大丈夫
だろうと絶対の自信を抱きつついざ予選会。
…鳴ってるよ…電話…(T_T)

さすがにヘコんだ私は攻略チャートに手を出す(笑)
そしてチャートを見てびっくり。私が選んだ選択肢と違っているのは
たったの2箇所! しかも、直接は関係なさそうな微妙な選択肢。
…こんなのわかんねーって(^^;
# 対象キャラ以外は徹底的に排除しないといけないのね…。

セーブ箇所の所でセーブ/ロードが無駄と書きましたが、よーするに
どこで間違ってるのか全然わからないので、「たぶんここ」と思って
セーブしても意味がないって事です。

そしてようやく若菜をクリア。…疲れた…(^^;


ストーリーは、この街に伝わる伝説を絡めた話で、最後の方はなかなか
ヘビーな展開ではあったのですが、全体の8割ぐらいまでがコミカルに
進んで、最後にいきなりシリアスな展開を突きつけられるのは、ちょっと
唐突な気がしました。まあ、そのコミカルな部分もシリアスな部分への
伏線ではあるわけですけど…。

それと、そのシリアスな部分がちょっと短く描写不足気味で、折角の
設定がいまいち生かし切れていないかなー、と感じました。
もう少しヒロインの心情を描くとか、主人公の葛藤を描くとか、
細かい描写があればもう少し感情移入できたかな、と。

てゆーか、「今晩中」はいくらなんでも急でしょう(^^;
せめて1日ぐらい猶予が欲しかったかな。

もうちょっと引っ張って、盛り上げて欲しかったような気がします。


ゲーム期間は8月14日から約10日間。
ワンプレイは3〜6時間。3時間というのはバッドエンドですけどね…(^^;


お奨め度ですが、コミカルなノリが好きで、最後にちょっと切ない
展開が待っているような純愛ストーリーが的な人にお奨め。
てゆーか、そーいうゲームですし(笑)

キャラクターはみんな活き活きしてますし、設定もストーリーに
上手く絡めてあって、話としてはかなり面白かったです。

ただ、前述の通り選択肢でほぼ100点満点をとらないといけない
ぐらいの難易度と、メッセージスキップの効きの悪さ、そして
ラストの展開のあっけなさで、ちょっとプレイする人を選ぶ
ようになっているのが残念ですね。

なので、難易度が高くても気にしない人や、難しければ難しいほど
燃える人(笑)以外は、素直にチャートに頼ることをお奨めします(^^;
基本的にストーリーを読ませるゲームだと思うので、こんなに難易度を
上げて攻略性を出さなくてもいいと思うんですけどね…。
# 8月20日が運命の分かれ道です(笑)
##これを越えればあとは楽勝。

あと、ストーリー的に1つ問題なのは、どのヒロインの話も基本的に
同じ設定がベースになっているので、ほとんど展開が同じです(^^;
なので、最後の方になってくると展開が読めてしまうんですよね。
もう少し話に幅があっても良かったかな、と思いました。
てゆーか、全員が同じ設定というのはどーよ(^^;

テキストは読みやすくていいのですが、たまに繋がりがおかしい所も
見受けられました。夕方に離れを出たのに階段では昼間だったり(^^;

ということで、ちょっと勿体ない部分もあるのですが、基本的にギャグは
かなり笑えますし、雰囲気も結構好きでキャラも活き活きしていて可愛
かったので、私的にはまあ満足です。
難易度さえ気にしなければ、笑えるので楽しめるのではないでしょうか。

若菜萌え〜(T_T)



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