金の瞳*銀の瞳
ブランド名 UNCANNY! ジャンル アドベンチャー
発売日 2002.04.26 定価 \7,800
パッケージ DVDタイプのトールケース(136x192x15mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 321.8MB+CD-DA=619.2MB、CD-DA14トラック
原画 あおいゆーじ、高野皇子 シナリオ 海野安和、羽合"A"唯孝
音声 一部あり、鈴木みやび、乃田あす実、桜川みどり、大庭奈々、浅海譲
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 60箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ CG鑑賞、音楽鑑賞、回想モード、タロットカードコレクション
対象属性 純愛、銀髪、ボブカット、ボクっ娘、巨乳、オーバーニーソックス、ロリ、首輪、金髪、
お兄ちゃん、獣耳、尻尾、裸エプロン、ウエディングドレス、ストレートロング、レズ
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 5

レビュー
概要
長きに渡る魔族と人間との戦争。その戦いは金の瞳を持つ勇者の力によって
人間側の勝利で幕を閉じた…かに見えた。しかし、戦いはまだ終わってはいな
かった。そんなある日、記憶をなくした主人公は、闘技場に闘奴として連れて
こられる。そして、物語は動き出す…という、ファンタジーアドベンチャー。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
ただし、Enterキーでは出来なくて、スペースキーのみです。

あと、起動時のタイトルロゴで、PUSH ANY KEYと表示されているにも関わらず、
キーボード不可でマウスのボタンを押さないと先に進めないというのは納得が
いきません(T_T)

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。

セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
それほどセーブ/ロードが必要なゲームとは思えませんし、選択肢もそんなに
ありませんので、数としては充分だと思います。

システムは移動場所選択&訓練メニュー選択型のシミュレーション。
ジャンルはメーカのサイトではアドベンチャーと書かれていますが、主人公は
「攻撃力」「防御力」「敏捷性」の3つのパラメータを持っており、訓練によって
それを鍛える育成シミュレーションの要素も入っています。

移動場所には誰がいるかが表示されますので悩むことはないでしょう。
目当ての娘がいない場合は、闘技場で訓練をすることが出来ます。

訓練は「攻撃力」「防御力」「敏捷性」の3つの中からどれか1つを選択して
行うことが出来、各項目にそれぞれ「ウォームアップ」「トレーニング」
「サバイバル」の3つのメニューがあります。
3つの項目は成功確率と成功したときの能力値上昇が違っており、ウォーム
アップはほぼ成功するけど能力値はあまり上がらず、サバイバルは成功し辛い
けど成功すれば能力が大きく上昇する、という感じです。
ちなみにトレーニングの成功確率、メッセージでは七割になってるんですけど、
セリフでは六割って言ってますけど(^^; どっちなんだ?(^^;

どの能力値を重視するかは自由なんですが、攻撃力の値を上げておけば大抵の
敵は一撃で倒せるようになりますので、優先してあげれば良いかと。
ただし、タロットカードのアルカナを全て揃えるためには他の能力値を優先して
上げることも必要になりますけど。

ちなみにレベルが上がると(アルカナが変わると)特殊能力を覚えることが出来る
のですが…ほとんど使わないです(笑)
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

レミィ。闘技場にいる闘士の1人。闘技場に連れてこられた主人公を見初め、
弟子とする。大雑把な性格で細かいことは気にしない。

シンシア。プリーストの修行をしているドジっ娘。意外と毒舌(笑)

ウル。魔族の女の子。何故首輪をしているのかは謎である(^^;

クロノ。中庭で出会った謎の女の子。しょっちゅう噴水に落ちる(笑)

エミュール。闘技場の管理人。フェロモン全開のおば…おねーさま。


絵の方はややクセはありますけど可愛らしい絵柄でいいですね。
表情も豊かで、見ていて楽しいです。

目パチ・口パクありで、きっちりセリフに合わせて動くあたりはなかなか芸が
細かいですね。まあ、1つ問題があるのですがそれは後述。

シンシア萌え。てゆーか、滅茶苦茶ええ娘や(T_T)
レミィもけっこー好き。しおらしくなった所なんからぶりー。

あと、スタッフロールには原画家さんのお名前はあおいゆーじさんしか書かれて
いないのですが、メーカのサイトには高野皇子さんの名前も掲載されています
ので、とりあえず記述しておきます。


音声の方は、まあそこそこキャラクターに合っていていいのですが…なんか、
音声のある所、めちゃめちゃ限定されてるんですけど(^^;
ほとんどのキャラは登場イベントとHシーン、あとは最後の方の盛り上がる
イベントにしか音声入ってないんですけど…。クロノだけはあっちこっちの
イベントに音声入ってましたけど。
確かにフルボイスとは書かれていないのですが、これはいくらなんでもちと
寂しいです。そーんなにイベントの数が多いわけでもないですし…。

で、音声が少ないために、せっかくの音声に合わせた口パクも、あーんまり
活きてこないんですよね。非常に勿体ないです…。
タイトルメニューを選んだときなんかはこれでもかと言わんばかりに喋って
くれるんですけどね…。

演技の方はほぼ問題なし。しおらしくなったレミィにかなり萌え(^^)
エミュールもセリフは少ないながらいい味出してます。どういい味なのかは
ここでは言えませんのでプレイしてご確認下さい(笑)

ちなみに、鈴木みやびさんの名前がスタッフロールでは「鈴木雅」と表記
されているのは仕様ですか?(^^;


ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
…と見せかけて、タイトルメニューのバックで歌が流れているだけでした(^^;
歌の方はパーカッションが特徴的な軽快な歌ですね。


エンディングの方も歌あり。英語歌詞で、なんとなく渋く聞こえます(笑)
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、闘奴として闘技場に連れてこられた主人公が、レミィに鍛え
られて強くなりつつ、そこで出会った人との絆を深めて…という、まあよく
あるファンタジー恋愛ものです。

ゲームの雰囲気は、闘奴という設定のためそれほど明るく楽しくということは
ありませんが、それでも前半はコミカルな会話が多く、結構楽しいです。
特にシンシアやレミィが絡んでくるとほぼ間違いなくギャグになるというのは
なかなかステキです(^^)
# 緊張したときは手のひらに「神」と書いて舐めればいいらしい(笑)

主人公は記憶を失っていて、それが断片的に夢などの形で想い出されてきて、
そしてストーリーが動いていく…という形なのですが、この主人公の過去が
けっこー乱暴に扱われている気がします。
シナリオによってはほとんど主人公の過去に触れられず、拍子抜けしました。

しかも主人公は闘奴なわけですが、なーんか全然奴隷という感じがせず、
伸び伸び好き放題にやっているようにも見えました(^^;
もう少し奴隷であるという雰囲気を出しても良かったのでは…。

そして、ヒロインは4人いるわけですが、そのシナリオ間の格差があまりにも
大きかったです。特にシンシアシナリオはヒドくて、最後なーんにも解決して
いません。このシナリオを最後にプレイしていたら、たぶんキレたでしょう(^^;
なんか、「つづく」という感じの終わり方でした。

他のシナリオは一応完結してはいるのですが、どれもラストが非常に駆け足で、
主人公の過去や、ヒロインの背負った宿命を今ひとつ描き切れておらず、やや
消化不良な印象があります。

クロノシナリオは唯一主人公やヒロインの設定を描ききっているかな? という
気はしますけど、それでも最後はなんかご都合主義であっけないですし…。

他にシナリオに関して不満な点は、現在進めているヒロイン以外のヒロインの
扱いがあまりに酷いこと。ほとんど描写されていないキャラが裏でなにやら
動いていたり、あっさりと殺されたり、しかもその後のフォローもなしという
のはあまりにも可哀想です。主人公もヒロインも、他のヒロインのことは殆ど
気にも留めていないように見えてしまいます。
いや、描写上は心配しているのですが、そのシーン限りでそれ以降全く話題に
上りませんから…。
全体的に、どうも描写不足からか余韻がないんですよね。悲しいシーンでも
その場限りという感じで、すぐに吹っ切ってたりします。

そして一番気になったのは「あの子」という表現。
今まさに喋っていたり抱いているする、目の前にいる娘を「あの子」と表現
するのはちょっと…。これはかなり鼻につきました。なんでわざわざこんな
表現を多用したのでしょうか? 素直に名前で表記すれば良いのでは…。
というか、名前で呼んでいる同じメッセージ中に「あの子」という表現も
出てきたり、もう訳解りません。もう少し考えて欲しかったです。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間はシナリオによって異なりますが、だいたい2ヶ月。
1日ずつプレイするタイプですが、1日あたりのイベント量は少なく、訓練の
場合はそれだけで終わるので非常にサクサク進みます。

ワンプレイは3〜4時間程度でしょうか。結構手軽です。

難易度は低め。目当てのキャラに逢い続けていれば、よっぽど変な選択肢を
選ばない限りエンディングには辿り着けるでしょう。
育成要素もあるのですが、目当てのキャラがいないときに訓練をしていれば
まあ負けることはないかと。
戦闘はほぼ全て「攻撃」だけの力押しでOKのため、「防御」「回避」「特殊」
を使う機会はほとんどないと思います。いくらなんでもバランス甘過ぎ(^^;
攻撃力さえ上げておけば、魔王ですら1〜2発で倒すことが出来てしまいます。
てゆーか、魔王、弱すぎ(笑)
総評
お奨め度ですが…なかなかに難しいです(^^;
ゲーム性はそれほど高くないですし、シナリオもそれほど深くない、せっかくの
設定も生かし切れておらず、笑いも大笑いまで行かず、泣きもほろり程度。
絵も口パクなどなかなか凝ってはいるのですが、音声が少なくて活かし切れて
いない…と、全体的に見ればコンパクトにまとまってはいるのですが、これと
言って飛び抜けたところがないのでなかなかお奨めし辛いですね。

まあ、雰囲気を気に入った人はお奨め…というところでしょうか。
闘奴という設定は(あんまり奴隷という感じはしませんが)それなりに上手く利用
されていて、シナリオにも活きていますし。
価格も若干安めですから、絵が気に入ったなら買っても良いかと思います。

ただ、このゲームの最大の欠点はやはりシナリオ間の格差でしょうか。
プレイするときはプレイ順には気を付けた方がいいでしょう。
シンシアを最後に持ってきた日には、キレると思います(笑)
私は幸運にも一番最初にクリアしましたが。
# で、なんじゃこりゃ? と思った(^^;

最初にシンシアをクリアして、最後にクロノを持ってくれば良いかと思います。
クロノとレミィは微妙なんですけど、おそらくこのゲームのメインシナリオは
クロノシナリオだと思いますので。


最後に。で、結局「銀の瞳」って?(^^;
金の瞳もかなりさらっと流されてましたけどね…。



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