虹色水晶
ブランド名 ジュエリー ジャンル 純愛学園双六ADV
発売日 2002.10.25 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(150x215x35mm) マニュアル B4用紙4つ折り
DISC容量 563.2MB、CD-DAなし
原画 浦田正樹 シナリオ うみへび、天郷涼之介、氷上純、
東方送介、健部伸明
音声 女性メインキャラフルボイス、
柚木麻衣、寿あんず、澤野あいこ、このかなみ、斉藤理花、萩原五月
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 あり(1曲、OP/ED)
おまけ CG adm.、Scene rep.、Music adm.
対象属性 純愛、学園物、お兄ちゃん、ショートカット、幼馴染み、お下げ、ストレートロング、妖精、
羽根、帽子、ピンク髪、後輩、眼鏡っ娘、銀髪、ヘアバンド、猫耳、ボクっ娘、ボブカット
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 5

レビュー
概要
主人公はごく平凡な学園生。卒業を2週間後に控えたある日、アンティーク
ショップで古ぼけた双六と出逢う。その双六は不思議な力を持っており、
ダイスで出た目に応じて運命が変わってしまうという。果たして主人公の
運命はどのように変わってしまうのか。全ての鍵はダイスの出目が握って
いる……という、
システム
インタフェースはメッセージ送り、選択肢決定はキーボード操作可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。
ただ、フルスクリーンモードのまま終了しても、次回の起動時にはWindow
モードで起動してしまうのはちょっと。

セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
数としては充分すぎるぐらいですね。まず足りないことはないでしょう。
セーブしたシーンがサムネイルで表示されます。
さらに、クイックセーブ/ロードも完備。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢の結果によってシナリオ
が分岐していくオーソドックスなアドベンチャーです。
ただし、1日の始め……というか寝る前にダイスを振り、その出た目に応じて
イベントが発生するという特徴があります。
ただ、このイベントは基本的に既存のイベントに追加で発生するような形に
なっていますので、特にシナリオの流れには影響しないようです。
# ここでしか見られないイベントCGもありますが。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

一ノ瀬水希(いちのせみずき)。(CV:柚木麻衣)
主人公の従兄妹。卒業を間近に控え、引越の準備をしている主人公の所に
突然転がり込む。お兄ちゃんにべったりの甘えん坊。
カレーを作るのが得意。というか、カレーしか出来ない(笑)

国枝琴乃(くにえだことの)。(CV:寿あんず)
主人公の同級生で幼馴染み。世話好き。妄想家(笑)
有名なパン屋の娘で、自分も将来パン屋になりたいという夢を持つ。

篠宮千里(しのみやせんり)。(CV:このかなみ)
主人公の同級生。のんびりのほほんとしていて人の言うことはすぐ信じる。
父親が画家で、千里自身も絵が好きで才能にも溢れている。

ノルン。(CV:萩原五月)
双六ゲームのナビゲーターである妖精。賑やかな奴(笑)

野々村奏子(ののむらかなこ)。(CV:澤野あいこ)
学園の後輩。卒業式でチェロの演奏をするため必死で練習している。
主食はおにぎり。てゆーか、その量はどうやっても食いきれんだろ(^^;

月村環(つきむらたまき)。(CV:斉藤理花)
猫耳娘。てゆーか、お願いだから誰かその猫耳について突っ込んでくれ(^^;
登場人物誰一人として猫耳には突っ込まず流している様は壮絶です(笑)
# この世界ではこれは普通なのか?(^^;


絵の方はなかなか可愛らしいのですが、アップになるとやや顔が丸っこく
なって目が離れるちょっと個性的な絵ですね。好みは分かれるところかも。
シーンによっては輪郭がはっきりしないこともありましたし。
立ち絵は表情・仕草が豊かで見ていて楽しいです。

キャラクターはみんな個性的……というか個性強すぎというか(笑)
役割が非常にはっきりしていて、感情移入はしやすいです。
みんなとても活き活きしていて好感が持てます。
つーか、千里めっちゃ可愛いし(^^) ノルンも好きですけどねー。


音声の方はキャラクターイメージとは合っていてなかなかいい感じ。
ただ、演技の方は一部ちょっと物足りない人もいるかなー、という気が。

あと、表示されているメッセージと音声がちょっと違う部分もありますね。
「やっぱりウエディングドレス?」の「やっぱり」が抜けてたりとか。
まあそれほど気になるレベルでもありませんが。

ただ、途中で登場人物が関西弁になるというイベントがあるのですが……
なんちゅーか、こう、めっちゃくちゃ違和感(^^;
イントネーションについてもそうなんですけど、なんかここだけ声自体も
通常の声と違う感じで、キャラクターが全く別人に思えます(^^;
関西弁に集中しすぎて声のイメージ外れてるという感じ。
中には演技自体はちゃんと出来てる人もいるんですけど、そういう人は
イントネーションが単語レベルで壊滅的だったりしますし(^^;
この関西弁パートはホントボロボロだったような気がします。(by 関西人)
というか、どう考えても「遅刻しせえへんなぁ」はオカシイです(^^;
# こういう表現をする地域もあるのでしょうか……。


音楽ですが……異常にクリアで綺麗な音楽です。クオリティ高すぎです(笑)
いや、いいことなんですけどね(^^;
なんか、BGMが曲単体で充分成立するほど気合いの入り方ですねー。
もちろんシーンとはばっちりマッチしていて文句なしです。

ただ……お願いですから音量を勝手にいじるのはやめてください(T_T)
わざわざ音量を控えめにしたのに曲が変わったらいきなりデカくなって
びびりました……。設定からサウンドボリュームが変更できるのはいいの
ですけど、そんなに頻繁に変更したくないです……。


タイトルメニューからDEMO MOVIEを選択すると、デモを見ることが出来ます。
歌はタイトルメニューバックで流れている曲に詩が付いたものですね。
なかなかいい歌だと思います。
映像の方は基本的にキャラクター紹介的なものですが、構図などがなかなか
上手く考えられており、演出もいい感じです。
ただ、花火はちょっとショボかったです(笑)

エンディングも歌あり。歌自体はデモで使われているのと同じ歌ですが。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の家に従妹の水希が転がり込んでくる所から始まります。
そしてプレイを開始して3分。突然落ちました(T_T)

どうやらDirectSound絡みで問題があるようです。
効果音をOFFにすれば正常に動きますけど、それではあまりにも味気ない
ので(^^;、別の方法を検討。どうやらDirectSoundのアクセラレーションを
なしにすれば動くようですので、それで行くことに。
……Sound Blaster Live!には対応していないのでしょうか?(^^;

気を取り直してプレイ続行。

運命を変える双六を手に入れ、その双六が引き起こす不思議な出来事を
体験しながら、次第に1人の女性に引かれていき、その女性の抱えた問題を
解決していく……という、まあ純愛物の王道的ストーリー。
ただし、各ヒロインの抱えた問題はかなり突飛なものが多いですが(^^;
まあ、元々が不思議な力を持った双六の出てくるファンタジックな展開
ですから、それほど違和感はありませんでしたけど。
# 千里の展開はちょっと唐突だったかも(^^;

前半は基本的に明るく楽しいノリで、双六が引き起こす不思議な出来事も
さらっと乗り越えていく感じ。
# 「未成年の中絶は、親の承諾が要るからね」……ヤな親だ……(^^;

後半の個別シナリオに入ってからは、ややシリアスな雰囲気に。
ただ、描写が比較的あっさりしているのでそれほどドロドロするようなことは
ありませんけど。展開はなかなか綺麗にまとめてあって、安心してプレイでき
ました。ただ、ちょっとラストが駆け足気味なために描写があっさりしすぎて
いるかな、と感じることもありました。
もう少し丁寧に描いても良かったのではないでしょうか。

ラストも殆どのシナリオは綺麗にまとまっているのですが、なんかちょっと
物足りないというか、その後を描いたエピローグ的な物が欲しかったかな、
という感じですね。特に奏子シナリオで強く感じました。

Hシーンは各ヒロインとも1回ずつ。ただし選択肢で内容が分岐するキャラも
います。個々の内容はやや薄め……でしょうか。みんな初めてですから、
あまり無茶も出来ないんでしょうけど(笑) その割には最後はご都合主義です(^^;


テキストは比較的読みやすいのですが、たまに『。』や『」』だけが次の行に
表示されたりして、ちょっと気になりました。

ただ、一部わかりづらい表現などもたまにありましたけど。
「日が落ちて、もうすぐ明け方になろうという時間」……ごめん、意味、解ら
ない(^^; 明け方になるなら、日が落ちてからもうかなり経っているのでわ?
わざわざ日が落ちてって言う必要あるのかな……。
# ずっと手を繋いでるのに両手で顔を伏せられるのか!?(笑)

誤字については、ちらほらとは見受けられますが、それほど気になるほど
でもありませんでした。
「付いていった」とか「疑問系」とか「考えずらい」とか「塗れちゃってる」など、
細かいのがほとんどですので。

1つ気になったのは、「卒業して、この街を出て、都会の大学に入学」
……って、それはすなわち胸を張って高校生だって言ってます?(笑)
# いや、高校を出た後専門学校に行っているのかも知れない(笑)

あと、主人公、テンション高すぎです(笑)
後半の個別シナリオに入ってからはさすがに落ち着いてるんですけど、
前半の共通部分はちょっと……。感情移入し辛かったですね。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は卒業までの2週間+α後。ちなみに双六は最初の1週間のみです。

ワンプレイは3〜4時間。後半の展開がやや駆け足だったので、実際にはこれ
より短く感じました。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択肢を選んでいればいいかと。
ただ、狙ったキャラの選択肢を出すために、いったん他のキャラ寄りに進め
ないといけない場合もありますけど。2回もプレイすれば気付くでしょう。
総評
お奨め度ですが、ちょっと不思議な純愛物が好きな人にお奨め。
設定はやや突飛ですが、基本的には純愛の横道な展開ですから、それほど
とまどうこともないかと思います。

シナリオは最後やや駆け足であっさりしている印象はありますが、綺麗に
まとまっていると思いますし、システム的にもプレイしやすいので、気軽に
楽しめると思います。

ただ、売りである双六システムについては、ほとんどがただ単純に既存の
シナリオに追加のシナリオが発生するだけですので、あーんまり意味を
感じませんでした。もっとストーリーに絡むようなイベントがあっても
良かったんじゃないかなー、と。ただ、そうすると同じシナリオでも双六の
結果によって展開が大きく変わってしまったりするので、シナリオ量は
膨大になってしまうてしょうけどね……。

パッケージのコメントを見る限りでは、「ダイスの出目によって物語は
変わって行きます」とありますから、上記のように同じシナリオでも展開が
変わってくることを期待したんですけどねー。ちょっと残念かも。

それと、環境依存の問題だと思いますが、DirectSound絡みで動かない
可能性がありますので、その点はご注意を。もし動かなかった場合は
DirectSoundのアクセラレーションをなしにすれば動くと思います。
しかし、他のゲームでこういう現象は発生したことがないのですが、一体
どういう処理をしているのでしょうか……。
# この現象に対応した修正ファイルが配布されているようです。

最後に。ノルンシナリオきぼー(T_T)
こんな美味しいキャラをほっとくなんて勿体ないっスよぉ。



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