姉、ちゃんとしようよっ!
ブランド名 きゃんでぃそふと ジャンル 姉属性オンリーAVG
発売日 2003.06.27 定価 \6,800
パッケージ 紙製パッケージ(150x214x26mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 579.0MB、CD-DAなし
原画 最神扇道 シナリオ タカヒロ
音声 あり、木葉楓、北都南、AYA、マルコ、芹園みや、内村みるく
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 36箇所+クイックセーブ なし
おまけ CGルーム、回想ルーム、音楽ルーム、エンディングコレクション
対象属性 お姉ちゃん、ギャグ、バカゲー、黒髪、ストレートロング、ストッキング、ガーターベルト、
金髪、ポニーテール、猫耳、青髪、ボブカット、ヘアバンド、眼鏡っ娘、お下げ、先輩、
体操服、ブルマ、看護婦、ナース服、紫髪、赤髪、ツインテール、リボン、ボンテージ、
タカビー、病弱、銀髪、ピンク髪、レズ、女教師
1プレイ時間 2〜4時間 お奨め度 7

レビュー
概要
幼い頃に柊家に養子として引き取られた主人公。
柊家には6人の姉妹がおり、主人公は姉たちに甘えて幼少時代を過ごしていた。
しかし、主人公の甘えぶりを見かねた父親は、主人公を沖縄に修行に出す。
別れ際、主人公が最も憧れていた要芽に告白するも、「大人になったら答えを
あげる」と言われ、そのまま沖縄に旅立つ。
そして10年後(テキストでは1行だけど、いろいろあったらしい(笑))、沖縄での
修行を終え、姉たちのいる故郷へ帰ってきた主人公は、要芽に告白の答えを
聞こうとするが、酔い潰されて寝込みを襲われてしまう。すっかり自信をなくした
主人公は、要芽を見返すために他のお姉ちゃん達に協力してもらい、己を磨く
ことを決意するのだった……という、姉属性オンリーAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

柊要芽(ひいらぎかなめ)。(CV:北都南)
主人公の義理の姉で、6姉妹の次女。主人公の初恋の人。
氷の弁護士と呼ばれる弁護士で、性格もその異名の通りクール。むしろ冷酷。
# 姉様はネクラだ(断言)(笑)

柊瀬芦里(ひいらぎせろり)。(CV:AYA)
主人公の義理の姉で、6姉妹の三女。嵐のような人。
人類最強の運動神経の持ち主。脳まで運動神経(笑)
ところで、なんか猫耳生えてるんですけど……?

柊海(ひいらぎうみ)。(CV:内村みるく)
主人公の義理の姉で、6姉妹の六女。天然で、味覚音痴。
主人公と同い年だが、やたらとお姉さん風を吹かせて主人公の世話をしたがる。
主人公が呼ぶと閃光と共に一瞬で現れる(笑)
主人公のためなら幼稚園バスでも誘拐できるらしい(^^;
# 薬とか注射器はともかく、手術台が出てくる制服っていったい……。

柊巴(ひいらぎともえ)。(CV:マルコ)
主人公の義理の姉で、6姉妹の四女。大人しく控えめでとても優しい。
6姉妹の中で唯一マトモで常識人でいい人。しかし、そのせいで他の姉妹達には
いじめられ、おもちゃのように扱われている。不憫すぎ(^^;

柊高嶺(ひいらぎたかね)。(CV:芹園みや)
主人公の義理の姉で、6姉妹の五女。人を人とも思わない言動が目立つ。
物事はハッキリ言う主義。ただし、言うことは全て難癖(^^;
頭は非常によい。ツインテールにまで脳味噌が詰まっているらしい(笑)
プライドの権化で、主人公のことは奴隷としか思っていない。
# 軍隊並の絶対上下関係を強いる(笑)

柊雛乃(ひいらぎひなの)。(CV:木葉楓)
主人公の義理の姉で、6姉妹の長女。病弱で8年前と外見が変わっていない。
古風な話し方をする。
人間世界に溶け込んで俗物と化した霊獣(笑)、マルを飼っている。

秋山衣瑠香(あきやまいるか)。
要芽の弁護士事務所で働く秘書。要芽のおもちゃ。
明るく元気でほのぼのとした雰囲気を持つ。
褒められたら故郷の弟にわざわざ電話する(笑)
# 「こんなお茶目な自分が好きです」(笑)

月白透子(つきしろとうこ)。
謎の女教師。細かいことは気にしない、非常に大雑把な性格。
釣りと称して男性を漁り歩く(^^;

絵の方は、キャラによってきっちり描き分けられており、可愛らしさあり、
綺麗さあり、色っぽさありと、個性豊かなキャラをしっかり描かれています。
CGの処理も安定していて、安心して見られるでしょう。
立ち絵もポーズ変化や表情変化に富んでおり、感情がストレートに伝わって
きて感情移入度も高く、見ていても楽しいです。

キャラクターはみな一癖も二癖もある個性的なキャラクター揃い。
罵倒系のキツいキャラから甘えまくりの優しいキャラまで幅広く揃っていて、
会話も非常に楽しいです。みんなとても活き活きしています。
一見マトモな巴ですらスゴい設定があったりして、なかなか侮れません。
要芽はかなりキツい性格ですので、人によって好き嫌いは分かれそうですが。
そして、お約束のようにいるかちゃんに萌える私。
こーいうのーてんき系キャラには弱いです〜。
6姉妹の中だと海でしょうか。瀬芦里も捨てがたいですが。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技もばっちり。
雛乃は個性的な喋り方をするため若干違和感は覚えましたが、声が合って
いないわけではないのでまあ良いかと。
聞き所はやはり要芽の鋭利な刃物のような罵倒ですね。
高嶺のひたすらやかましい罵倒もいいですけど、クールに放たれる罵倒の
切れ味は最高です。ヘコみます(笑)

音楽は明るくポップな曲が多め。作品の雰囲気とぴったりマッチしていますね。
しかし、「頭にお花畑」という曲名はどうかと思います(^^;

効果音で気になったのは射精の時の音。水飲んでる音に聞こえるのですが(^^;
もう少し何かなかったんですかねぇ……。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。
メッセージ送りや選択肢決定はキーボードで出来るのですが、各メニューの
操作などはキーボードで出来ないっぽいです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は軽快。

セーブ箇所は36箇所。セーブ/ロードは移動先選択時と鍛錬選択時以外は
随時可能です。移動先選択時や鍛錬相手選択時も元の画面に戻ることが
出来ますから、そごてセーブは可能なのでほぼ随時可能ですね。
通常のセーブの他に、クイックセーブも1箇所用意されています。
厳密に言えば、36箇所のセーブ箇所のうち6つがクイックセーブ用に割り当て
られているんですが、クイックロード出来るのは1つだけ、という感じでしょうか。
セーブデータはセーブ日時の他に、ゲーム内日付、協力状態キャラ、熟練度、
シーンタイトルが保存されます。数としてはクイックセーブもあるため、これだけ
あれば充分かと思います。

システムはマップ移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー。
移動場所選択は誰が何処にいるのかが表示されており、誰に会いに行くかを
選択するタイプです。
選択肢決定は2〜3択程度のごく普通のものがほとんどですが、たまに時間
制限付きの選択肢があるため注意が必要です。
時間切れになったらバッドエンドに直行するものもありますので(^^;

あと、主人公には熟練度というパラメータがあります。これはズバリどれだけ
Hが上手くなったかで、この値が要芽に挑戦したときの成功/失敗の基準に
なっています。姉たちに協力してもらい鍛錬するか、一人で寂しく鍛錬する
ことによって値を上げることが出来ます。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が沖縄での修行から帰ってくる所から始まります。
まず一番最初の選択肢、駅で迎えのお姉ちゃん達を待っている時にどうやって
暇を潰すかで、「ストリートファイト」なんて入ってるんですが……(^^;
これはもしかしてアレですか? バカゲーなんですか?
# 太陽に向かって「そんなに見つめるなよ、溶けちまう」なんて言う主人公(^^;

そして無事に姉たちと再会して歓迎会「お帰り空也フェスタ」が開かれる(笑)
しかし料理を作るのは主人公(^^;
どうやら今まで雇ったホームヘルパーが全員辞めてしまったため、姉達の世話係
として沖縄から呼び戻されたらしい。
# 用意されているエプロンも空矢専用、しかも誤字(笑)
##主人公の名前は「空也」です。

歓迎会の後、酔い潰れてしまったのか寝ていた主人公が目を覚ますと、そこに
いたのは憧れていた要芽だった。ここぞとばかりに告白の返事を聞こうとする
主人公だったが、鼻で笑われた挙げ句おもちゃにされてしまう。
そして主人公は、要芽を見返すために自分を磨くことを決意したのだった。
「猫耳を装備させて語尾に「にゃ」をつける事を強要してやる」……志、低っ(^^;
# 要芽のことを「お姉様」と呼んでいる時点でかなり負け犬っぽい(笑)

こんな感じで、なかなか衝撃の展開で始まるわけですが、ストーリーの方は
ほとんどドタバタギャグで進みます。
「芸能人の名前しか言えない体にしてやるぜ」だの、「お前は、こいつどこから
そんなものを持ち出したんだ、と言う!」などというアレなセリフが平然と出て
きたりして、終始笑える感じです。
主人公も、洗面所をしっかりノックして、誰もいないという事を確認してから
中に入るという主人公にあるまじき行為をとったり(笑)

エンディングは、当初の目的通り要芽に挑戦して見返すか、復讐は忘れて他の
お姉ちゃん達と仲良く過ごすかの大きく2つに分かれます。
個別エンドの場合は復讐は完全になかったことにされるわけですが、もともと
それほど強制力がないというか、復讐しなくてもとりたてて困ることはないので
特に気になりませんでした。
そもそもかなり突拍子もない設定が出てきたり、無茶苦茶な展開が出てきたり
しますから、そんな細かいこと気にしていられません(笑)

Hシーンは思ったより薄め。各キャラクターに複数回、バージョン違いも入れれば
キャラ毎に軽く2桁は用意されているのですが、1つ1つは短めで、描写もそれほど
ねちっこくないためあっさり終わる印象が強いです。
個別ルートのHシーンはそこそこの長さが用意されていますが、数の上では圧倒
している鍛錬のHシーンが非常にあっさり終わるため、全体としてみるとやや
物足りなさを感じます。
特に当初の目的である要芽に対する復讐シーンは、もっと濃密にねちっこく
描いても良かったんじゃないかなー、と思いました。一応メインな訳ですし。
確かにそれなりの長さは用意されているんですけどね……。

テキストは誤字も目立たず、短めの文章で構成されていてとてもテンポが良く、
読みやすいと思います。
ただ、所々フォントを大きくして強調されている部分があるのですが、音声の
方はそれほど強くなっていないために、やや違和感を覚えました。
強調するポイントがズレているように感じる部分もありましたし。
プレイ時間・難易度
ゲームは7月21日の月曜日から始まります。ゲーム期間は8月末までの1ヶ月強。

ワンプレイは2〜4時間。鍛錬を一切せず、各ヒロインの個別エンドに一直線に
向かえば1時間半程度で終わってしまうかもですが。期間いっぱいまで使って
お姉ちゃん達と鍛錬して要芽に挑戦した場合が一番時間がかかるわけですが、
それでもゲームのテンポがいいために結構短く感じました。

難易度は低め。個別エンドは狙ったキャラと逢い続けていればほぼOKですし、
要芽への挑戦も姉たちに協力してもらって鍛錬をし、熟練度を上げておけば
クリアできますから、問題はないかと思います。
2周目からは熟練度を引き継ぐことが出来ますし。
まあ、選択肢を1つ間違えるとバッドエンドに直行したりしますので、その点は
気を付けないといけませんが。
# 手料理エンディングって……(^^;
##クックド・メルトダウン(笑)

ただ、各イベントはバージョン違いが非常に多く、眼鏡を付けた場合と外した
場合とか、激しくするか優しくするかで別々に回想に登録されるため、全ての
イベントを集めようと思うと結構労力はかかります。
まあ、元々短めな上にスキップ動作も高速ですから、それほど時間はかから
ないとは思いますが。
一部見つけにくいイベントがあるので、それに気付くかどうか、ですね。
総評
お奨め度ですが、お姉さんに甘えたい人、罵倒されたい人にお奨め。
基本的に明るく楽しいギャグストーリーで、会話内容も非常に楽しいですから、
気楽に楽しむことが出来ると思います。
Hシーンも豊富で、様々なシチュエーションを楽しむことが出来ますし。
# 「ほら、もっと泣け、わめけ、叫べ」(笑)

特筆すべきはやはり会話の楽しさ。上記のようにお馬鹿な会話が満載なことと、
各ヒロイン個別のイベントにも他のヒロインが上手く絡んできたりと、会話が
とても自然で(中身は無茶苦茶ですが(笑))感情移入度も高く、かなり楽しむ
ことが出来ました。みんなとても活き活きしていていいですね。
各所にギャグも散りばめられていて、何度も笑えました。

逆に気になった点は、思っていたよりもH度が低かったこと。てっきり要芽に
復讐するためにひたすらHしまくるH重視の作品かと思っていたのですが、
どちらかというとギャグ重視な感じでHシーンは短めだったのがちょっと残念。
それでもまあ数は豊富ですし、シチュエーションも様々ですから、楽しむことは
出来ると思いますけど。

あとは若干のボリューム不足感でしょうか。ワンプレイがやや短めで、ラストも
あっさり終わることもあって、やや物足りなさを感じるかも知れません。
ただ、エンディングは結構数が用意されていますし、Hシーンもバージョン違いを
含めればかなりの数がありますし、そもそも定価が安めに設定されていますので
これだけあれば充分とも思えます。

システムは安定していて快適ですし、キャラクターは非常に活き活きしていて
会話が楽しく、ギャグも満載で笑えますので、簡単お手軽おバカストーリーが
楽しみたい人は是非どうぞ。

ストーリーの方は、突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込めばいいのやら
という感じですが、全てを一言で解決できる便利な言葉があるので、それだけ
書いておきます。「だって、バカゲーだし」(笑)

最後に。「オブラートに包んで言えば、お前はいらない子だったのさ」
# めっちゃダイレクト(笑)



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