忍ちっく☆はぁと
ブランド名 Kiss next ジャンル スラップスティックしのべんちゃー
発売日 2003.05.30 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(157x225x37mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 DISC.1 : 278.3MB、CD-DAなし
DISC.2 : 539.9MB、CD-DAなし
原画 RYφ、ぽん酢真島悦也、E=MC^2、
大前田、浜田よしかづひろふみ
EinMARCYどっぐ現津みかみ
よんごー葉賀ユイ
シナリオ 米倉ねずみ、米倉俵
音声 女のコのみフルボイス、カンザキカナリ吉川華生本条真琴、楠鈴音、三木本彩響、
如月葵、鵜乃瀬朱香、児玉さとみ、御苑生メイ
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 150箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ 絵巻、音楽
対象属性 忍者、くノ一、バカゲー、ギャグ、コメディ、学園物、リボン、黒髪、ストレートロング、
体操着、ブルマ、ピンク髪、ボブカット、触角、セーラー服、金髪、ツインテール、
スクール水着、青髪、関西弁、ポニーテール、緑髪、中華娘、チャイナドレス、猫耳、
ボクっ娘、タカビー、お嬢様、ロリ、ロボット、オーバーニーソックス、ヘアバンド、
後輩、眼鏡っ娘、白衣、巨乳、先輩、銀髪、ショートカット、お兄ちゃん、貧乳
1プレイ時間 2〜3時間 お奨め度 3

レビュー
概要
両親が長期の海外出張に行くため、父親の知人の家に居候して学園に通う
ことになった主人公。しかしその知人一家はみな忍者で、新しく通う学園も
忍者がいっぱいの学園だった。そして主人公は、何故か謎の忍者たちに
狙われるようになる。彼らの狙いは何なのか。主人公は生き延びることが
出来るのか……という、スラップスティックしのべんちゃー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

日下部歌澄。(CV:カンザキカナリ)
主人公が居候する家の娘。おしとやかでちょっとおっとりしている。

日下部花火。(CV:吉川華生)
主人公が居候する家の娘。元気でやかましい。

日下部静音。(CV:楠鈴音)
主人公が居候する家の母親。怒ると怖い。

音羽雪枝。(CV:吉川華生)
主人公の担任。

神酒原小町。(CV:楠鈴音)
主人公のクラスメイト、神酒原佐助の妹。

パトリシア・金城。(CV:三木本彩響)
主人公のクラスメイト。主人公が転校してくる3日前に転校してきた。
通称パティ。

不知火咲弥。(CV:本条真琴)
主人公のクラスの委員長。日下部の家とは因縁があるらしい。

星野火蛍。(CV:三木本彩響)
主人公を狙ってくる忍者。
大阪生まれの大阪育ち。ガラの悪い関西弁を話す。

真田姫子。(CV:御苑生メイ)
学園長の娘。人を見下す高飛車なお嬢様。ファザコン。

雪原刹那。(CV:本条真琴)
アイヌの道産子忍者。

メグ。(CV:鵜乃瀬朱香)
メリケン忍者。さっぱりとした性格。

リンリン。(CV:児玉さとみ)
パンダを連れた中国忍者。

西表七海。(CV:楠鈴音)
琉球忍者の末裔。

マール。(CV:鵜乃瀬朱香)
サバンナ忍者。……意味不明です(^^;
動物を使って攻撃を仕掛けてくる。

竜胆ヒカル。(CV:如月葵)
九州からやって来たバンカラ忍者。

福原弓子。(CV:如月葵)
後輩。人をくったような言動の、ミステリアスな女性。

紅蓮壱号。(CV:鵜乃瀬朱香)
大和式機動忍者。よーするにロボ忍者。
自己紹介で「紅蓮壱号、ですか?」……って聞かれても(^^;

イリーナ。(CV:三木本彩響)
ロシア忍者。道を聞くのに人に銃を向ける危険な娘(^^;

……キャラ、多いっス(^^;

絵の方は、原画家が12人もいるということでバラエティに富んだ様々な絵柄が
楽しめます。ややロリ寄りで、ちょっと崩れた絵が多かったように感じました。
CGの方はややべたっとした塗りで今ひとつ映えませんし、線の処理も雑に
感じる部分があって、丁寧さにやや欠けるような印象があります。
ただ、立ち絵の方はポーズ変化もあり、表情も多彩で、さらに目パチ口パクも
ありますので、見ていて非常に楽しいです。

あと、「右手にはキラキラ光る手裏剣が握られている」とか書いてあるのに、
絵ではめちゃめちゃ小太刀を握ってたり、「白衣男」と書いてあるのにどう
見てもグレーのスーツを着ていたり、「ブルマに鉢巻き姿」とか書いてある
のにどっこにも鉢巻きしてなかったりするのですが(^^;
ちょっとテキストとの整合性は取れていない感じですね。

キャラクターはみんな個性豊か……というか、アクの強いキャラ満載。
てことでまともっぽい静音さん萌え。咲弥や刹那も結構好きかも。
# 紅蓮ちゃんらぶ(笑)

音声はそれなりにイメージは合っていると思うのですが、ぴったりはまって
いるとまでは言いづらいキャラが多いですね。
演技の方は特に問題なし。胡散臭いキャラが多いわけですが、雰囲気は
ばっちり出ていたと思います。
そして、ほとんどの声優さんは複数のキャラを担当しておられるのですが、
演じ分けはきっちりされていてよかったです。
# キャラに合っているかどうかは別として(^^;

音楽はバラエティに富んでいてい感じ。テンポのいいコミカルな曲が多め
でしょうか。

ゲームを起動すると短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。歌の方はポップで軽快なノリのいいあったま悪い歌(笑)
ちょっとコミカルでとっても明るいのーてんきな歌は結構お気に入り。
絵の方は曲に併せてテンポよく切り替わったり各所にアニメーションが
散りばめられていて無駄に動きまくっている感じ(笑) ←誉め言葉
目パチ口パクなどの細かい動きも多く、見ていて楽しいです。

エンディングも歌あり。こちらはちょっと変わった雰囲気の曲ですが、
作品の雰囲気には合っているかと思います。
ただ、スキップできないのはちょっと辛いかも。しかも、フォーカスを
外すとバックグラウンドでは動かず止まりますからねぇ。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
バックログ、オートモード搭載。メッセージスキップはなし。
ただ、バックログ表示時も文字の色が変わらず、音声も再生されるため、
通常のメッセージ表示なのかバックログなのかが解りづらいです。
あと、マウスカーソルが十字手裏剣の形をしているのですが、どこを指して
いるのかが若干解りづらいですね。セーブするときなんかはちょっと戸惑い
ました。インタフェースとしてはやや貧弱ですね。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、メッセージスキップがなく、ボタン押しっぱなしで
メッセージを送るしかないため、プレイストレスは溜まるかもです。

セーブ箇所は150箇所。セーブ/ロードはバトルの時以外は随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、そのシーンの画像も保存されます。
数としてはこれだけあれば充分かと思います。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。
忍者達との戦闘も、どういう言葉で相手を言いくるめるかを選択することに
よって行われます。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公が日下部家に居候するところから始まります。
突然忍者だらけの環境に放り込まれ、しかも何故か誰かに狙われる主人公。
そして学園で秘伝書をめぐる争いがあることを知り、襲いくる忍者達を口先の
技で言いくるめて退けつつ秘伝書を集める……という流れになります。

ストーリーは基本的にコミカルに進みます。いや、本来は命がけで戦って
いるハズなのですが、登場キャラが愉快なヤツばかりのため、緊迫感の
かけらもありません(^^;

そして、中盤から(キャラによっては序盤から)個別ルートに入り、様々な
展開になります。どのルートも基本的に強引で、ご都合主義満載です。
設定とか伏線とか脈絡とかそういうものは一切無視して、とりあえずノリと
勢いで押し切るような展開がほとんどですね。ま、いいか。バカゲーだし(笑)

特筆すべきは効果音や画面効果による演出。
足音の効果音や扉が開くときの演出など、非常に凝ってありますね。
立ち絵が表情豊かなのも相まって、臨場感あふれる感情移入しやすい演出が
目を引きます。

気になった点は、ゲームは章立てて進むのですが章と章の間の繋がりが希薄
なため、ストーリーがぶつ切りの印象を受けること。
気を抜くとあまりの展開の早さに置いていかれます。
しかも途中までコミカルに進んでいたと思ったら、突然シリアスな雰囲気に
なったりしますので、気持ちの切り替えも大変です。
どうせだったら最後までおバカで通して欲しいところですが。

Hシーンはやや薄め。描写はそこそこ濃く、何よりキャラが多いためシーンの
数が多く、バリエーションも豊かなのですが、各シーンの尺が短めで、物足り
なさを感じます。

テキストは禁則の無視が非常に目立ちます。シナリオ自体の1行の文字数と
実際の表示文字数に食い違いがあったのかなー、という感じですね。
あと誤字もちらほら見受けられます。もう少し丁寧さが欲しいところです。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。話は章立てて進むわけですが、章が変わると平然と
1ヶ月とか経っていたりします(^^;

ワンプレイは2〜3時間。テンポ良くサクサク進むため、短く感じました。

難易度はやや高め。移動場所を選択することが多いのですが、どこに行けば
誰に逢えるかは事前にはわからないため、繰り返しプレイが必要になります。
そして忍者とのバトルはどの選択肢を選べばいいのか見ただけではほとんど
わからず、カンで選ぶしかない状態。しかもバトルシーンではセーブが出来
ないため、だめだったらロードしてやり直すということもやり辛いので、ちょっと
厳しいですね。
さらに、特定の条件を満たした時に新たに選択肢が追加されたりするため、
コンプリートするのはかなり大変だと思います。
総評
お奨め度ですが、明るく楽しくコミカルなバカゲーが好きな人にお奨め。
というか、そーいうゲームです。
あとは忍者(くノ一)好きな人にもお奨め。登場キャラクターはほとんどが
忍者で、様々な邪道な忍者(笑)が登場しますので、楽しめるかと思います。
ただ、バトルシーンは主人公が相手を口先で丸め込む、いわば子供の喧嘩
状態のため、緊迫感や迫力は全くありませんけど。

会話は馬鹿馬鹿しくて楽しいですし、表情変化が豊富だったり演出が凝って
いるため臨場感があり、テンポもいいので気軽にサクサク進められるのは
いいですね。細かいことを気にしない、大らかな心が必要ですけど(笑)

ただ、難易度がやや高く、エンディングやイベントの数が結構あるため繰り
返しプレイが必要になるにも関わらず、メッセージスキップがなく、以前に
選んだことのある選択肢もわからないので繰り返しプレイがかなり面倒です。
もう少し繰り返しプレイも考慮したシステムにして欲しかったですね。
インタフェースも弱めで、若干プレイストレスがあるかと思います。

シナリオもバカゲー系の作品にしてはちょっと笑いに乏しく、最後をいい
話で締めようとして無理な展開になっていたりと、やや中途半端に感じる
部分が多いです。
そして、登場キャラが非常に多いため、各キャラの掘り下げはやや浅いのも
残念ですね。愉快なキャラばかりですから、もう少し各キャラクターに焦点を
当ててあげて欲しかったかな、という感じです。

なにより、修正ファイルを入れないとまともに遊べないというのはいただけま
せんね。テキストと全然違う音声が再生されたり、特定の選択肢で落ちたり。

とりあえず、プレイするときは頭の中を空っぽにすることと、修正ファイルを
入れることを忘れずに。

最後に。本物の忍者に謝れ(笑)
# 道産子忍者とかサバンナ忍者とかロシア忍者とか、わけわかりません(^^;



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