DUEL SAVIOR
ブランド名 戯画 ジャンル 爽快アクション学園ファンタジー
発売日 2004.10.01 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(194x265x33mm) マニュアル B5ブックタイプ
DISC容量 GameDisc1 : 309.3MB、CD-DAなし
GameDisc2 : 621.4MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
GameDIsc3 : 370.0MB、CD-DAなし
GameDisc4 : 627.6MB、CD-DAなし
Original Soundtrack : CD-DA=702.7MB、CD-DA35トラック
戯画オープニングサントラVol.2 : CD-DA=415.4MB、CD-DA11トラック
救世主養成DISK : 673.5MB、CD-DAなし
原画 菊池政治 シナリオ 砂月 with 企画屋
(丸戸史明&卑影ムラサキ&小林且典)
音声 あり、歌織、カンザキカナリ、西田こむぎ、小田茉莉菜、春日アン紫苑みやび
大波こなみ、成田剣、松下雅、石川大介、神咲あかり、水鏡、宮林康、前川健志、
南竜太、一二三聖夜、柴田春香、山田俊明、滝沢アツヤ、皇蒼真、風間勇刀
中司優花、後野祭、悠
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 99箇所+オートセーブ10箇所 あり(1曲、OP)
おまけ CG MODE、MUSIC MODE、REPLAY MODE
対象属性 アクション、学園物、ファンタジー、黒髪、ストレートロング、お兄ちゃん、セーラー服、
義妹、紫髪、女教師、巨乳、眼鏡っ娘、金髪、帽子、赤髪、オーバーニーソックス、
ポニーテール、触手、ツインテール、緑髪、ショートカット、銀髪、リボン、ボブカット、
くノ一、王女様、ウェディングドレス、ボンテージ、女王様
1プレイ時間 9〜11時間 お奨め度 7

レビュー
概要
主人公はある日、妹と共に下校途中に立ち寄った本屋で1冊の本を見つける。
本を開くと、その本はまばゆい光を放ち始め、次に目を開くと、そこは見知らぬ
場所だった。そこに1人の女性が現れ、主人公達は救世主候補としてこの世界
「アヴァター」に連れてこられたということを告げる。この世界を「破滅」の魔の手
から救わないと、いずれ自分たちが元いた世界も破滅するということで、仕方
なく学園の「救世主育成クラス」に入って救世主を目指すことになる主人公達。
果たして主人公達の運命は……という、爽快アクション学園ファンタジー。

このゲーム、本体はCD4枚組で、初回版にはそこにサントラCDが2枚付いて
います。さらに予約特典のCDも含めると、なんとCD7枚組。パッケージ開けた
時、ちびりそうになりました(笑)
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

当真未亜(とうまみあ)。(CV:歌織)
主人公の妹。優しくて真面目だがちょっと気が弱く甘えん坊。主人公のことを
いつも気にかけている。主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。
強烈にやきもち焼き。

ダリア。(CV:松下雅)
学園の教師。いつもおちゃらけていて緊迫感のかけらもない。
フェロモンをまき散らす色ボケ巨乳女教師。

ミュリエル・シアフィールド。(CV:大波こなみ)
学園長。真面目で冷静で堅物で融通が利かない。強大な魔力を持った魔術師。

ベリオ・トロープ。(CV:西田こむぎ)
救世主クラスの委員長で、寮の寮長。生真面目で、この世界を救うためには
自らの犠牲も厭わない。僧侶なのに幽霊嫌い。

リリィ・シアフィールド。(CV:カンザキカナリ)
学園長の娘。プライドが高く気が強い。協調性に欠け、何でも自分一人でやって
しまおうとする。喧嘩売人魔術師。普段からちょっとエキセントリック(笑)

リコ・リス。(CV:春日アン)
救世主候補を学園に呼び寄せている召喚師。非常に高い魔力を持っている。
冷静で恥ずかしがり屋で無口。大食い。

ヒイラギ・カエデ。(CV:小田茉莉菜)
救世主候補の忍者。体術と刀術を得意とする前衛系。ひょんなことから、
主人公のことを「師匠」と呼ぶようになる。やや気が弱く、臆病。
血が苦手で、いざというときに自害も出来ない、ダウナー系忍者(笑)

ナナシ。(CV:紫苑みやび)
ひょんなことから出会ったゾンビ娘。お気楽極楽のーてんき娘。主人公のことを
一目見て気に入り、「ダーリン」と呼びつきまとう。自己主張の強い腐乱死体(笑)
マニュアルのこの一文で惚れました。「各種ずっこけはまれに頭がもげます」(笑)
ちなみに、技にも「頭もげますの〜」という、自分の頭を投げて敵を攻撃する
という、非常にシュールな技があります(^^;
# でも、結構強いから侮れなかったり。

クレア。(CV:神咲あかり)
学園に紛れ込んできたお子様。主人公を捕まえて学園の案内をさせる。やたら
偉そうな態度の生意気な女の子。
# こんな可愛い娘を「範囲外」だと? 主人公、そこになおれ。

絵の方は、ちょっとクセはありますが、可愛らしく魅力的な絵柄。絵に動きが
あって、とても活き活きとしています。
CGの処理は綺麗で、明るい色遣いがよく映えます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化はパターンは少なめ
ですが、表情変化はコミカルなものも多く、見ていて楽しいです。
キャラクターは一癖も二癖もある個性豊かな面々揃い。喧嘩っ早い魔術師や、
幽霊嫌いの僧侶、血が苦手な忍者にのーてんきゾンビと、もはやありえない
ぐらいはちゃめちゃな設定のキャラクターばかりです。
特にナナシは、設定の特異さ(ゾンビ(笑))もあり、強烈な個性を放っています。
こいつが出てきたら、どんなシーンでももれなくギャグに成り下がります(^^;

音声はキャラクターとのマッチングはばっちりで、演技も文句なし。
声優さんは実績のある声優さんが揃っているのですが、普段よく担当している
キャラとは違う雰囲気のキャラを担当している人が多く、それがまたハマって
いて、新しい魅力が引き出されている感じです。
あと、兼ね役をやっている人もいるのですが、演じ分けが見事に出来ており、
感心させられるばかりです。
さらに、男性陣やサブキャラも豪華で、もう文句の付け所がないですね。

音楽はアップテンポで勇ましい感じの曲が多め。クリアなサウンドはとても
心地良いです。スピード感と広がりのある曲は、BGMとして最適ですね。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでビートの効いたパンチのある格好いい曲。パワフルかつ
クリアなボーカルが、ハードな曲とマッチしてとても良いです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出が非常に凝って
いて、アップテンポな曲に合わせて切り替わる、とてもスピード感のある映像に
なっています。曲と映像がマッチした、格好良く、見応えのあるオープニング
ですね。

エンディングは歌なしの曲のみですが、デフォルメキャラ達のショートコント的
小ネタがとても面白く、なかなか楽しいエンディングです。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。ジョイパッドにも対応しています。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能。音声のリピート再生も可能です。
キーバインドがある程度自由に設定出来たり、マウスのボタンも機能を変更
出来たりと、なかなか使いやすいインタフェースではないでしょうか。
まあ、その設定画面自体は、やたらごちゃごちゃしていて解りづらかったり
するんですけどね(^^;

描画はWindow・フルスクリーン両対応。ただし、Windowモードで起動できるのは、
16bitカラー(ハイカラー)環境の時のみです。……いい加減この仕様はなんとか
しませんか?(^^; 動作は軽快。スキップ動作もそこそこ高速です。
ただし、初期設定ではCPUパワーをフルに使うため、マシンパワーがないとやや
辛いかも知れませんが、重い場合はエフェクトなどの設定を変更すれば良いと
思います。

セーブ箇所は99箇所+オートセーブ10箇所。セーブ/ロードはアクションパート
以外なら随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、話数とメッセージ、シーン画像が保存されます。
数としては、それほどセーブ/ロードは必要ないかと思いますし、オートセーブも
ありますから、これだけあれば充分でしょう。使い切ることはないかと。

システムはマップ移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー+横スクロール
アクション。
マップは、誰がどこにいるのか表示されており、空振りすることはありません。
アクション部は、小攻撃・大攻撃・ガードの3つのボタンと、方向キーを使用した
格闘アクションになっています。方向キーとボタンの組み合わせで様々な技が
出せるようになっています。また、赤・青のゲージが用意されており、これが
溜まると特殊な攻撃や行動が出来るようになります。
敵を倒したときに手に入る玉を集めるとレベルが上がり、ゲージが増えます。
最初は使えるキャラは主人公だけですが、2周目以降はクリアしたヒロインを
使うことが可能になります。(主人公しか使えないシーンもありますが)

このゲームはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみ
ディスクチェックが入ります。一度起動してしまえば、以降はディスクレスで
起動可能です。……と思ったら、思い出したようにディスク要求されました(^^;
バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「当真大河」固定です。

なお、修正ファイルを入れないと、フルスクリーン時に他のアプリケーションに
フォーカスを切り替えて、戻そうとすると落ちたりしますので、修正ファイルを
必ず入れましょう。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公達が根の世界・アヴァターに召還されるところから始まり
ます。なし崩しに救世主候補となり、救世主育成クラスで救世主になるための
勉強をしていく……という感じです。

前半は明るく楽しくコミカルな雰囲気で進みます。学園内で起こるドタバタや、
バトルに勝ったあとのお楽しみなどが描かれています。
個性豊かな面々が繰り広げる会話は非常に面白く、ギャグやパロディも満載で
とても楽しいです。
# 「こら大河くん。女の子に死臭臭いなんて言っちゃダメ」……いや、普通は
# 言わないから(^^;

後半は、各ヒロインの抱えた問題などを絡めた、やや重いシリアスな展開。
キャラによっては、かなりイタい話が出てきたり、緊迫感に溢れています。

ラストは取って付けたような終わり方が多く、ちょっと拍子抜けの感が強い
ですが、最後の方はさすがに良くできている感じで、なかなか良かったです。

特筆すべきは各シナリオの構成。このゲームには様々な謎や敵キャラが用意
されているのですが、シナリオを1本クリアしただけでは、それらが全然明かされ
なかったり、出てこないキャラもいたりします。なので、シナリオをクリアする毎に、
「次のシナリオではどの謎が解明するんだろう」と、次のシナリオを読みたくなる、
引き込む力を持ったシナリオだと思います。
そして、最後のシナリオで全ての謎が解明して、すっきり爽やかに終わるため、
コンプリート後は爽快で、達成感があります。
# まあ、その最後のシナリオは、内容的には一番気分の悪い、プレイしていて
# 気持ちいい内容ではないんですけど(^^;
##ある意味、一番ご都合主義な終わり方(^^;

ただ、全体のまとめを最後のシナリオでやるためか、各個別シナリオのラストは
やや取って付けたような、うやむやのうちに終わる感のある展開が目立つのは
仕方ないところでしょうか。
そして、ほとんどのシナリオは基本的な流れがほとんど同じなので、今ひとつ
面白みに欠けるのもちょっと勿体ないですね。
# というか、2人ずつシナリオが対になってる感じ。

あと、敵キャラはヒロインと関係があったりするのですが、対象となっている
ヒロインに対応する敵キャラ以外はほとんど出てこなかったり、出てきても
ヒロインと絡むことなくスルーされたりと、ちょっと拍子抜けな感も。
ある程度仕方ないとは思いますが、ややご都合主義な印象が強いですね。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されています。尺の方はシーンによって
差がありますが、全体的にやや短め。描写も若干あっさりめです。
いわゆる普通のHシーンは少なめで、「指導」と称したHな悪戯や、敵や魔物に
捕らえられてHなことをされるといったシーンが結構あるため、純粋なHシーンと
してはそれほど数は多くないかもです。

テキストは、誤字等もあまり目立たず、テンポの良い読みやすいテキストだと
思います。
ただ、ナナシはまだ「ナナシ」と命名されていないのに名前欄に「ナナシ」と
書かれることがあるなど、若干気になる部分もありました。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。章立てて進むため、日付は意識することはありません。

ワンプレイは9〜11時間。やや長めですが、前半はほとんど共通部分のため、
2周目以降はスキップを使えば3時間程度で終わるかと。
まあ、それでもコンプリートしようと思うとかなりかかりますけど。
# そして、コンプリートしないとこのゲームは意味がないので(^^;
##最後のシナリオが全てですからねー。

難易度は並。アクションパートはボタン連打でも勝てるレベルで、そーんなに
苦労することはないでしょう。難易度も「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階
から選べますので、難しければ「EASY」にすればいいですし。「EASY」なら、
ボタンの連打でホントになんとかなってしまいますし。まあ、ボスクラスの敵が
2人とか出てくると、さすがにちょっとキツいですけど。HARDでボスと戦う時は、
かなり鬼畜い難易度を味わえます。
# こっちの攻撃はほとんどガードされ、向こうはex攻撃を連発して来る(^^;
あと、周回を重ねると徐々に敵は強くなっているようで、最後の方はある程度
コツを掴んでいないとキツいかもですが。
それと、主人公ばかりを使っていると他のキャラのレベルが上がらないため、
使うキャラによってはやや苦戦するかも。
つーか、ベリオとか未亜、使いづらすぎ(^^;
私は基本的に接近してコンボを叩き込んで瞬殺する、短期決戦型の戦い方を
するので、遠距離型のキャラは使いにくいったら……。
# まあ、未亜を使う事はほとんどないと思いますけど。
アドベンチャーパートは、狙ったキャラクターと逢い続けていれば、すんなり
クリアできるででしょう。というか、8章で誰を選ぶかで、シナリオが分岐して
いるようですが。
ただし、このゲームにはクリア順の制御があるようで、特定のキャラクターを
クリアしていないと、攻略できないヒロインがいますので注意。
最初から未亜やリリィ狙いで行くと自滅します。あ、いや、別のヒロインの
シナリオに入るだけかも知れませんけど(^^;
それと、一部戦闘に負けないと見られないCG・シーンがありますので、回収に
ちょっと苦労するかも知れませんね。
誰もいないところに行くと発生するイベントもありますしね。
総評
お奨め度ですが、ファンタジー学園ラブコメアクションが好きな人にお奨め。
前半部は明るい雰囲気で会話もコミカルで楽しいですし、後半はシリアスには
なりますけど主人公とヒロインの繋がりがしっかりと描かれていて、キャラに
よってはかなり萌える展開があったりと、なかなか楽しめます。
まあ、キャラによってはかなりイタい展開になったりもしますけど(^^;
# ベリオ萌えな人とか、未亜萌えな人は覚悟するように(笑)
##特に未亜は、かなり酷い描かれ方をしていますからねぇ……。

アクションパートについては、ボタンが3つだけで、複雑なコマンド入力も必要
ないため、取っつきやすく、不慣れな人でも充分クリアできるでしょう。
逆に、アクション好きな人には、ちょっと簡単すぎて物足りないかもですけど。
ただ、コンボを考えたり、使うキャラを変えたりと、色々と楽しめるとは思い
ますが。どちらかというと、戦略性よりテンポ重視という感じですね。

それと、パッケージに「バトルに敗れたものは勝者に一日絶対服従!」と大々的に
書いてあるのですが、この勝った者が負けた者を1日好きにする「指導」は、それ
ほど大きく扱われておらず、さらっと流されている印象がありますので、これに
期待するのは避けた方が賢明でしょう。

各個別エンドがやや弱いとか、修正ファイルを入れないと不安定だとか、戦闘は
ちょっとぬるめとか、ちらほらと問題点は見受けられますが、それでもとても良く
まとまった、遊び応えのある作品だと思います。謎が徐々に明らかになっていく
様とか、「このキャラクターとどんなエンディングになるんだろう?」と思わせるような
絶妙の設定は見事だと思います。
結構時間はかかりますので、時間があって、アクション拒否症じゃない人は是非。

最後に。クレアエンドきぼー(T_T)


まあ、ナナシにエンディングがあるなんて思ってなかったので、辿り着いた時は
びっくりしましたが。ゾンビがヒロインて(笑)
# ありえねぇ(^^;

そのナナシシナリオでちょっとネタばらししすぎな気はしますけど。
リリィシナリオで、ぜーんぜん意外性ないしね(^^;

ところで、主人公が男性なのに、救世主候補として呼ばれた理由って、いったい
なんだったのでしょうか(^^;

それと、レベリオンのマスターになれば強制搾取から守られて、そのそばに
いれば搾取から耐えられるんですよね? ……なら、単にクレアのそばにみんな
いたらいいだけなのでわ?(^^;
# お前らクレア見殺しかよ(T_T)

ふと思った。もし魔道兵器のマスターが男性だったら……うわ、想像したくねぇ(^^;
# いや、主人公がマスターにはなってましたけど、封印解除はしてないですし。



ロビーに戻る  レビュートップに戻る