教祖様の野望〜帝都コスプレ化計画〜
ブランド名 A-arms ジャンル 国取り型戦略SLG
発売日 2004.04.02 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(150x220x30mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 622.5MB、CD-DAなし
VOICE&BGM : 115.6MB+CD-DA=480.4MB、CD-DA22トラック
原画 川合正起 シナリオ 本田たけし、たなべゆういち
音声 あり、御苑生メイ、榎津まお理多緒田マリ涼森ちさと、荻原雫、神田みこ、SAWA、
逢田めぐみ、花園朱実、坂崎こもも、金子ゆか
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 10箇所 なし
おまけ CG viewer
対象属性 コスプレ、猫耳、肉球、尻尾、ピンク髪、ボブカット、着物、ストレートロング、幼なじみ、
和服、眼鏡っ娘、緑髪、カチューシャ、オーバーニーソックス、ストッキング、お嬢様、
緑髪、ブルマー、茶髪、リボン、青髪、セーラー服、スク水、ポニーテール、ボクっ娘、
赤髪、ショートカット、帽子、金髪、ツインテール、縦ロール、ロリ、ボンデージ、紫髪、
女王様、メイド服、エプロンドレス、ご主人様、看護服、ナース服、羽根、巫女さん、
銀髪、巫女装束、黒髪、ガーターベルト、くノ一、看護婦、チャイナドレス、ショタ
1プレイ時間 6〜20時間 お奨め度 4

レビュー
概要
主人公は、ひょんなことから「萌え萌え教」の教祖になってしまう。この教団には
6つの派閥があり、各派閥間の抗争が耐えない。果たして主人公は信者を増やし
首都23区を制覇することが出来るのか……という、国取り型戦略SLG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

春日野 妃美華(かすがの ひみか)。(CV:御苑生メイ)
ネコミミ教大神官。主人公の幼なじみでクラスメイト。元々は大人しい性格だが、
神通力の副作用で弾けた娘になってしまった。

篠宮 寿須輝(しのみや すすき)。(CV:榎津まお)
ネコミミ教大神官。妃美華の親友。明るく元気だが、神通力の影響か、やや
大人しくなった。しかし、いつも妃美華に振り回される。

藤堂 美貴(とうどう みき)。(CV:理多)
ネコミミ教大神官。主人公のお隣に住むお姉さん。色気たっぷり。

皇 優美(すめらぎ ゆうみ)。(CV:緒田マリ)
メガネ教大神官。主人公の幼なじみでクラスメイト。大人しく控え目な性格で、
眼鏡を外した姿は妹以外見たことがないらしい。
# イニシエーションで簡単に外しますけどね(^^;

桜宮 千穂(さくらみや ちほ)。(CV:荻原雫)
メガネ教大神官。近所に住む大富豪の娘。丁寧な口調だが、時折きっつい
言葉で容赦なく暴言を吐く。メガネ教には興味本位で入信した。

京月 美智子(きょうげつ みちこ)。(CV:涼森ちさと)
メガネ教大神官。主人公のお隣に住むお姉さん。大人の色香が漂う女性。

皇 珠穂(すめらぎ たまほ)。(CV:SAWA)
制服教の大神官。明るく活発な女の子。頭が切れて性格悪い。優美の妹。

有栖川 薫(ありすがわ かおる)。(CV:緒田マリ)
制服教の大神官。実は良家のお嬢様。柔らかい物腰の清楚な娘。

澄栗 和沙(すみくり かずさ)。(CV:緒田マリ)
制服教の大神官。経歴不明の女学生スナイパー。セーラー服とライフル銃。
セーラー服ときかん坊(笑)がモデル。……お前、年いくつだ?

水瀬 理穂(みずせ りほ)。(CV:御苑生メイ)
スク水教の大神官。明るくハキハキした女の子。

赤穂 竜美(あこう たつみ)。(CV:榎津まお)
スク水教の大神官。元気いっぱいのボクっ娘。

ジェーン・ミルキーウェイ。(CV:涼森ちさと)
ボンデージ教の大神官。……あまりボンデージに見えませんが……。
嘘くさい日本語で話すやかましい娘。

詩倉 亜樹柚(しいくら あきゆ)。(CV:神田みこ)
ボンデージ教の大神官。大人しく控えめだが、言いたいことはちゃんという。
虐められるのが好き。

小野 玲子(おの れいこ)。(CV:SAWA)
ボンデージ教の大神官。女王様気質の、天性のサド女。

筑紫野 優衣(つくしの ゆい)。(CV:神田 みこ)
メイド教の大神官。ご主人様にお仕えするのを第一とする健気な娘。
ぜってー大神官には向いてない。

白河 睦美(しらかわ むつみ)。(CV:涼森ちさと)
メイド教の大神官。献身的に尽くす一生懸命なロリっ娘。

黒崇 ゆり(くろす ゆり)。(CV:逢田めぐみ)
メイド教の大神官。無口で感情表現に乏しい娘。

瑞樹 あすな(みずき あすな)。(CV:荻原雫)
巫女さん教の大神官。引っ込み思案で大人しい娘。いつも何かに脅えている。

神漏岐 美沙(かむろぎ みさ)。(CV:花園朱実)
巫女さん教の大神官。清楚でお淑やかな正統派巫女さん。

マリア・バレンタイン。(CV:御苑生メイ)
巫女さん教の大神官。巫女さんに憧れて日本にやってきた邪道派巫女さん。

萌神。(CV:理多)
主人公達に神通力を与えた張本人。

他にも、雑誌の記者や、道ばたで拾う幹部(笑)なんかもいますが、割愛。
# キャラ多すぎ。

絵の方は可愛らしく魅力に溢れる絵柄ですね。これだけ数が多いにも関わらず、
みんな個性が出ていて描き分けがばっちりなのは凄いです。中には、とても同じ
人が書いたとは思えないぐらいのものも。
CGも綺麗。明るく発色の良い色遣いで、鮮やかに映ります。
ただ、アップになった時、途端に粗くなったりするのはご愛敬。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化ともにあり。ただし、ポーズ変化のあるキャラは
ごくわずかで、表情変化も変化量が少ないです。ただし、そもそも立ち絵自体が
少ないため、それほど気にはならないでしょう。
ちなみに、どのキャラクターもネコミミ教に入ると猫耳が付き、メガネ教に入ると
メガネをかけます。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。というか、これだけ数が揃っていたら、
そりゃ個性豊かにしないとキャラ被りますね。
寿須輝がけっこー好きかも。案外マトモで。
あとは、優衣が一途で健気で一生懸命で好きかも。

音声は、ちょっと微妙な人も見受けられますね。
妃美華や優衣は、かなり不安定に感じました。なんか、いっぱいいっぱいな
感じで、聴いていてハラハラします。まあ、それも味ですけど。
演技の方も、キャラによってバラバラで、上手い人もいればちょっと気になる
人もいる、という感じでしょうか。ジェーンとかマリアぐらい、弾けてくれれば、
もはや多少のことは気にならないのですが(笑)
# 嘘くさすぎ(^^;
あと、1人の声優さんが複数のキャラを担当しているのですが、そもそも1キャラ
あたりのセリフ量は少なく、ほとんど印象に残らないような状態ですので、それ
ほど気になることもありませんでした。演じ分けもそこそこ出来ていたかと思い
ます。まあ、何人かまんまな人もいましたけど。

音楽はほのぼのした曲、アップテンポな勇ましい感じの曲、しっとりした落ち
着いた曲、ぐらいでしょうか。曲数自体がかなり少ないです。
全体的に、ちょっとコミカルな雰囲気の漂う曲が多めですね。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌はなし。曲はハードなロック調の曲で、ギターがよく響いています。
絵はキャラクター紹介のみ。キャラクター紹介が終わると、曲はそのままに
タイトルメニューに移行します。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
強制スキップのみあり。バックログやオートモードなどはありません。
スキップはメニューからスキップONを選択しなければならず、使い勝手が悪い
です。もう必要最低限という感じですね。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は重め。CPU利用率はべったり100%です。さらに画面効果をOFFにしても
戦闘シーンのアニメーションがなくなるだけで、ウインドウの表示は遅いため、
かなりいらいらします。

セーブ箇所は10箇所。セーブは月初めの教祖様フェイズの冒頭のみ可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内年/月が保存されます。
数としてはかなり少ないですが、そもそもセーブ/ロードが自由に出来ない時点で
どうだっていい感じです。

システムは陣取り型の戦略シミュレーション。
1ターンは大きく「教祖様フェイズ」「内政フェイズ」「進攻フェイズ」の3つの
フェイズに分かれていて、順番に進みます。
まず「教祖様フェイズ」では、幹部を各地に配置したり新たな支部を作ったり、
アイテムを分配したり弁護士を雇ったり出来ます。
そして、幹部を呼びだして会話を行ったり、イニシエーションを行って忠誠度を
上げたり出来ます。投薬することで忠誠度を飛躍的に上げることも出来ますが、
警察に捕まってしまうリスクも負うことになります。
「内政フェイズ」では、説法を行って信者を増やしたり、奉仕することで信頼を
得たり、ショップで買い物したり、その土地を調査したりすることが出来ます。
「進攻フェイズ」では、敵地を偵察したり、流言を流布したり、敵幹部を勧誘
してたりすることが出来ます。もちろん進撃も可能です。
「教祖様フェイズ」以外の各行動には各幹部固有のCPを消費します。CPは
レベルの上昇とともに上限が増え、レベル3以上になると副官をつけることが
可能になり、副官もその地区で行動することが可能になります。ただし副官に
なると本来のCPの半分しか使用できません。
各幹部は攻撃力などのパラメータを持っており、レベルの上昇と共に増えます。
また、アイテムで一時的に引き上げることも可能です。
パラメータの中で「忠誠度」は表には出てこないのですが、これが高ければ
調査でいい結果が出やすいですし、偵察で詳しい情報が得られたりしますので、
出来るだけ高くしておくのが良いでしょう。
忠誠度の上昇は「教祖様フェイズ」で会話することによって可能ですが、直接
逢って会話することが出来るのは1ターン3人までなので注意。
秘書をつけることによって、もう3人会話出来ますが、魅力と忠誠度がある程度
わかるだけです。
あと、会話の最後にランダムな質問をされて、その回答でも忠誠度が上下する
ようですが……「こち亀を現在までの全巻を持っている」だの「トロロかけ
ご飯は好きですか」とか聞かれてもね(^^;
# こんなので、忠誠度が上下する幹部達っていったい……。

ディスクレス起動不可。バックグラウンドで動作可。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が萌え萌え教の教祖となり、23区を制圧にかかるところから
始まります。まずゲームを開始すると「ネコミミ教」か「メガネ教」のどちらかを
選択し、選んだ宗派で戦うことになります。

会話やイニシエーションを行って忠誠度を上げつつ、説法をして信者を増やし、
敵幹部のいる地区に進撃していくという、いたって単純な陣取りゲームです。

敵の幹部を倒すと、自分の宗派に引き込むことが出来ます。ただし、忠誠度は
低いため、早々にイニシエーションするなり投薬をした方がよいでしょう。

「教祖様フェイズ」の会話と、ときおり挟まれるイベント以外にはほとんど
イベントらしいイベントもなく、ひたすら地区制覇に勤しみます。

ラストは「え? そんなオチありかよ」的な終わり方でちょっとすっきりしない
終わり方ですね。なんだか誤魔化されたような感じ。

H度は低め。各キャラクターともイニシエーションによる1回だけです。
イニシエーションはキス・前戯・本番・フィニッシュの4段階に分かれており、
忠誠度に応じて進行します。しかし、各段階とも短めで、フィニッシュなんて
ホントあっという間ですので、全体的に物足りなさが残ります。
あと、何度イニシエーションをしても同じシーンを見る事になるわけですが、
初めてのキャラは、毎回初めてのような描写があるのはちょっと……。

テキストは誤字等は見あたりませんが、そもそもテキスト量が圧倒的に少ない
ため、それ以前の問題な気も。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は23区を制覇するまで。1ターンは1ヶ月となっています。

ワンプレイは6〜20時間。どうやって進めるかによって大きく変わるため、もはや
数字はアテになりませんけど。
「教祖様フェイズ」では毎回出来る限り会話し、「内政フェイズ」は委任せず、全て
手動で行い、「進攻フェイズ」もアニメーションを全部見て、なおかつ全ての神官の
イベントを見ようとして20時間というところでしょうか。
「教祖様フェイズ」は必要最低限のことだけして、「内政フェイズ」はほとんど委任
して、必要な幹部だけの忠誠度を上げる力押しプレイで6時間程度でしょう。
SLGがメインのため、それなりに時間はかかります。

難易度は高め。ゲーム開始時に難易度を3段階から選択できますが、EASYを
選択しても、かなりシビア……というか、理不尽なバランスの気がします。
確かに敵は弱いですし、勧誘や無茶な進撃などもありません。ただ、そもそも
1ターンで会話できる幹部は3人だけで、中盤以降になると幹部は10人ぐらい
いるわけで、3ターンに1回程度しか会話は出来ません。
しかし、会話をしないと忠誠度はガンガン下がり、忠誠度が低いと行動に失敗
したり、効果が薄かったり、任意捜査や通り魔が出やすくなるようです。
なので、投薬で一気に上げるしかないのですが、そうすると警察に捕まるという
リスクがあります。
さらに、各地区には信用度があって、これが高ければ問題が起こりにくいの
ですが、一度任意捜査や通り魔が出るとがた落ちし、奉仕をして頑張って上げ
ようとしてもまたすぐ任意捜査や通り魔が出るなど、はっきり言ってやる気を
なくします。信用度を気にしていたら、ずっと奉仕を続けるしかなく、全くゲームが
進みません。任意捜査や通り魔を避けるアイテムはあるにはありますけど、幹部
全員に持たせるほど数を揃えるのは大変ですし、こういうアイテムは何らかの
マイナス点が大抵ありますので。
なので、結局最後には必要なところ以外は幹部に委任して、必要なところだけ
手動で内政を行い、戦力が整ったら即進撃という、力押しになってしまいます。
ちなみに、戦闘に勝つとレベルが上がりますし、忠誠度も跳ね上がるので一石
二鳥です。ということで、力押しがベストな気がします。
私の進め方が悪いだけかも知れませんが……。
せめて、秘書にしている幹部は忠誠度が下がらないとかして欲しい所ですね。
ちなみに、「調査」することで流浪の幹部を見つけることが出来たり、特定の
アイテムを組み合わせることによって称号が付いたりするのですが、それらを
全て集めるのはかなり大変です。野良幹部はなんとかなるとして、アイテムは
もはや至難の業な気が……。というか、組み合わせわからん(^^;
総評
お奨め度ですが、陣取り型戦略SLGが好きな人にお奨め。雰囲気としては
某社の歴史物戦略SLGのような感じです。
まあ、各フェーズのコマンドはある程度限られていますけど。

ただ、上記の通りややバランスが悪く、地道に土地や人を育てるよりも、早急に
戦力を整えて、整い次第速攻という力押しがベストっぽいという、もはや戦略も
へったくれもない状態になりがちなのが残念です。

そして何より、インタフェースのショボさ。機能は必要最低限という感じで、
メッセージスキップすら使いづらいという状態。
一番気になったのは、コマンドメニューなどのウインドウはアニメーションして
開くのですが、それがOFFに出来ないため軽快な操作ができない点。
そのため、無駄に待ちの時間が発生して、プレイ時間がかなり長くなります。
これがもっとサクサク開くようになるだけでも、かなり違うと思うのですが。

さらに、ゲーム時間に比して、圧倒的に少ないイベント。Hイベントは各キャラ
1回だけですし、それ以外のイベントも数えるほどしかなく、あとはひたすら
陣取りに励むだけ、という感じです。
なので、よっぽど陣取りゲームが好きじゃないと、かなり退屈でしょう。
ほとんどが単純作業で、戦略性もへったくれもなく力押しで行くしかないような
状態ですから。

最初はゲームとしてそこそこ面白いんですけど、中盤になるといらいらし、
終盤にはもうやけくそになっているという、よっぽど戦略SLGが好きな人で
ないと厳しい作品だと思います。その戦略性も、今ひとつ薄い気がしますけど。

今ひとつ、ねらい所が解らない作品ではありますが、まあコンセプトとしては
面白いと思いますし、上手くプレイすればバランスも気にならないのかも知れ
ませんので、陣取り型戦略SLGが好きな人はどうぞ、という感じで。
ただし、ご褒美のイベントは非常にあっさりなので、肩すかしを食らわないよう
心構えが必要ですけど。

最後に。ふと思ったんですけど、ネコミミ教に入った他宗派の神官は、服装は
そのままに単に猫耳が付くだけですし、同様にメガネ教に入ったらただメガネを
かけるだけ。……それって、両立出来るんじゃ?(^^;
# 戦わなくておっけー(笑)


しかし、投薬だのイニシエーションだのって、なかなかきわどい作品ですね(^^;

それと、澪は反則(^^;



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