ままらぶ
ブランド名 HERMIT ジャンル ひとつ屋根の下愛情たっぷりADV
発売日 2004.10.29 定価 \6,500
パッケージ 紙製パッケージ(156x224x50mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.39GB(DVD-ROM)
原画 ヤマ☆びっこ シナリオ 丸戸史明 with 企画屋
音楽 19曲、うずまきまさお、あるるかん あり(1曲、OP)、理多 with ままらぶず
音声 あり、まきいづみ、韮井叶、一色ヒカルカンザキカナリ茶谷やすら、胸肩腎、如月葵、
岡哲也、木島敬久、このかなみ、下野薫、真宮鈴、ルーシー宇竜
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 40箇所+オートセーブ3箇所+
クイックセーブ1箇所
CG枚数 108枚
おまけ 画像鑑賞、音楽鑑賞、シーン回想
対象属性 純愛、ドタバタ、ラブコメ、ギャグ、萌え、感動、ピンク髪、ストレートロング、未亡人、
ウェディングドレス、ストッキング、ガーターベルト、ツインテール、青髪、ショートカット、
金髪、ポニーテール、巨乳、紫髪、幼なじみ、黒髪、ボブカット、ヘアバンド、お兄ちゃん
1プレイ時間 6〜9時間 お奨め度 8

レビュー
概要
分譲マンション「フローリアス樹ヶ丘」の5階に暮らす秋月家、桜木家、藤枝家は、
部屋毎の垣根もなく、全員が家族同然で暮らしていた。しかし、この家族には、
1つだけ秘密があった。それは、桜木家の長男と、藤枝家の母親が、秘密の恋を
しているということ。果たして、この恋の行く末は。家族達はどうなっていくのか
……という、ひとつ屋根の下愛情たっぷりADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

藤枝涼子(ふじえだりょうこ)。(CV:まきいづみ)
503号室の住人で、5階に暮らす家族の母親的存在。未亡人で、1人娘の小雪と
2人で暮らしている。1児の母にも関わらず、見た目は非常に若い、年齢不詳の
女性。優しくおっとりぼけぼけしており、周囲を和ませる。主人公の恋人。

藤枝小雪(ふじえだこゆき)。(CV:韮井叶)
涼子の娘。主人公と同じ学校に通う後輩。主人公には乱暴な接し方をするが、
密かに(周りにはバレバレだが)好意を寄せている。明るく元気いっぱいの暴走
突撃少女。案外真面目で、几帳面なところもある。

秋月かおり(あきづきかおり)。(CV:一色ヒカル)
501号室の住人。大学生にして主人公達の家庭教師にしてエロ小説家。
近親モノが得意(笑)
昼間から酒を飲み、裸ワイシャツでうろつく。観察眼が鋭く、主人公と涼子の
関係に感づいているっぽい。

クリスティーナ・ホステトラー。(CV:カンザキカナリ)
主人公の父親が勝手に決めた許嫁。主人公に一目惚れし、果敢にアタックを
仕掛けてくる。かおりから日本語を習っているため、妖しげな語彙が豊富。

菊永瑠璃(きくながるり)。(CV:茶谷やすら)
主人公の親戚かつ幼なじみ。主人公の弱みを握っており、下僕として扱う。
勝手に引っ越した主人公を追いかけてきて、また下僕として扱うため暗躍する。
邪悪で狡猾な小悪魔。

桑原梨恵(くわばらりえ)。(CV:如月葵)
涼子の同僚。会社の経営を一手に引き受けており、非常に多忙。
主人公の父親に、あまりいい感情を抱いていない。

絵の方は、とても可愛らしく魅力的な絵柄。どのキャラクターも活き活きとして
おり、素晴らしいです。
CGはコントラストのはっきりした明るく発色の良い色遣いで、原画の持ち味を
うまく活かしつつ作品の雰囲気とも合っており、綺麗で丁寧で文句なしです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。アクションが大きく、演出もなか
なか凝っていて、見ていて楽しく、感情移入もしやすいです。

キャラクターは一癖も二癖もある個性豊かな面々揃い。どのキャラクターも
活き活きとしていて、会話も非常に楽しいです。
誰が何と言っても涼子さん萌え。文句なしにいいキャラクターだと思います。
もう、このキャラクターを作り上げた時点で、メーカの勝ち、私の負けです。
そのぐらい惚れ込んじゃいました。可愛すぎ。
もちろん、他のキャラクターも魅力的で可愛らしいです。

音声はキャラクターとのマッチングもばっちりで、演技の方も文句なし。
どのキャラクターも非常に活き活きと演じられていて、まさにキャラクターが
喋っているように感じるぐらいです。サブキャラも男性キャラもみんな喋るので、
全く違和感なく、ストーリーがよどみなく進む感じです。
なんと言っても涼子さん。もうこの音声は犯罪的です。可愛すぎ。ハマりすぎ。
あと、特筆すべきは、ストーリーの各所に入る笑い声。ギャグシーンなどに、
エキストラの笑い声が入るという、アメリカのドラマ的な演出ですね。
もちろん、OFFにも出来ますので、鬱陶しく感じる人でも安心です。

音楽はほのぼのとした、ちょっとコミカルな曲が多め。次いで、静かでしんみり
した感じの曲が多いです。基本的には明るく楽しい曲が多用されています。

ゲームの起動時と、各話の最初に、オープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでスピード感のある可愛らしい歌。軽快でノリが良く、とても
聴きやすいです。ただ、ボーカルがちょっと弱くて、曲に負けちゃってる印象も
ありますけど。
絵の方は、イメージムービー的なものでしょうか。動きまくっているわけでは
ないのですが、曲に合わせて絵がパタパタと切り替わり、コミカルな絵や演出も
多く見受けられて、見ていてとても楽しいです。これだけで充分笑えます。
とても見応えのある、面白いオープニングだと思います。演出の勝利ですね。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。ただし、演出等も全て
再現しつつ進むので、やや無駄に時間はかかっているかも。
特筆すべきは、画面の周囲を枠で囲む、テレビフレーム。まさに、テレビで
ドラマを見ているような雰囲気を醸しだしています。
これもON/OFF機能はありますので、鬱陶しく感じる人も安心。

セーブ箇所は40箇所+オートセーブ3箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルとメッセージの
一部、話数が保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くないため、これだけあればなんとかなるかと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
ゲームはテレビドラマ仕立てで進み、各話の最初にオープニングが流れ、最後
にはエンディングが流れます。
笑い声が入ったり、テレビフレームがあったりと、明らかにテレビドラマを意識
して作られていますね。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「桜木浩二」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公達3つの家庭が、1つの家族になって5周年を迎えるところから
始まります。
涼子と主人公は、周りの人たちにばれないように付き合っており、主人公の
ことを好きな他の女の子達も交えて、ドタバタ劇が展開されます。

前半は、ひたすら面白おかしいドタバタストーリー。強烈な個性を放つキャラ
達が登場して、主人公達を引っ掻き回します。
各所にギャグやパロディがちりばめられており、会話もコミカルで楽しいです。
中には、結構ブラックなジョークもあって、苦笑することも(^^;
# 「大体エロメディアの書き手なんて、締め切り破るのが前提だっての」
# ……言い切ったよ、このヒト(笑)
##「締め切りが今月末だから仕方ないの。整合性なんて些細なこと気にしてる
##場合じゃない」……プレイヤーの希望を打ち砕くな(^^;

後半は、主人公と涼子や、他のキャラクターとの関係を描いた、ちょっと切なく
苦しく、そして最高に暖かい、ハートフルドラマが展開されます。

最後は、やや強引な展開もあるものの、綺麗にすっきりまとまっており、プレイ
後の気分は爽快です。

特筆すべきは、なんといっても秀逸なキャラクター描写。ヒロインの涼子は
非常に可愛らしく魅力的で、もう萌えろと言わんばかり。まんまとハメられ
ました。可愛すぎ。
他のキャラクターもみんな魅力的で、非常に活き活きとしており、会話も
とても楽しくて、感情移入しまくりでした。
しかも、個別ルートに入っても、最後まで全てのキャラクターがしっかりと
ストーリーに絡んできて話を盛り上げてくれますし、各キャラクターとの
関係もきっちり描かれていて、もう文句なしです。

そして、ホームドラマを意識した演出はとても面白く、ほのぼのとした
雰囲気や、コミカルな展開がすんなりと楽しめて良かったです。

難点としては、シリアスなシーンにもギャグがちりばめられていたり、シリアスな
シーンの最後をギャグで締めたりされることが結構あるため、感動的なシーンの
余韻が残り辛いということでしょうか。
演出としては面白いと思うんですけど、好き嫌いは分かれそうですね。

H度は高め。各ヒロインとも複数回用意されており、尺もそこそこ確保されて
います。描写の方も濃厚で、2回戦も用意されているなど、純愛系のHシーンで
ありながら、非常にH度が高く、満足度も高いと思います。
Hさと萌えを兼ね備えた、純愛系としてはほぼ文句なしのHシーンかと思います。

テキストは誤字もほとんど見あたらず、テンポも良く、非常に読みやすい優れた
テキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。平然と何日も経過していたりしますので、特に意識する
必要はないかと思います。

ワンプレイは6〜9時間。ゲームは章立てて進み、各話は1時間弱で終わる程度の
長さになっているため、プレイしやすいかと思います。
また、全体の8割ぐらいは共通になっているため、1度クリアすれば、スキップを
使うとかなり短縮できるようになります。

難易度は低め。基本的に狙ったヒロイン寄りの選択を続けていればOKです。
ただし、選択肢1つ間違えただけでクリアできなくなるキャラがいたりします
ので、注意が必要です。涼子さん一筋な人は、「顔さえ見られなければOK」と
いうことを心に刻んでおきましょう(^^)
総評
お奨め度ですが、ハートフルドタバタラブコメが好きな人に激お奨め。
個性豊かなキャラクター達が織り成すドタバタ劇は非常に面白く、会話も楽しく
みんな活き活きしていて、感情移入もし易く、満足できることでしょう。

ストーリーもコミカルとシリアスを織り交ぜてメリハリもあり、途中ちょっと
主人公がヘタレたり、重い展開になったりもしますけど、最後にはすっきり
綺麗に終わりますし、安心してプレイする事が出来ると思います。

難点をあげるとしたら、先にも書いたとおり、シリアスシーンにもギャグが
入っていて泣きに徹することがし辛いことと、エンディング前の盛り上がりが
やや弱いというぐらいでしょうか。

そしてあと1つ、最大の難点が。それは、涼子以外のキャラとのシナリオ。
主人公は最初涼子と付き合っているわけで、他のキャラに走るということは
浮気することになるわけで、人によってはかなりの罪悪感があり、今ひとつ
感情移入はし辛いかと思えること。
しかも、全体の8割ぐらいは共通ルートなので、最後の最後で他のキャラに
走る印象が強いため、ちょっと引いてしまうかもですね。
さらに、涼子ルートでないとHシーンも少なめで、ややボリューム的にも
物足りなさがあります。
はっきり言って、涼子ルートだけでも充分満足出来るんですから、他の
シナリオは別にいらなかったのでは? と思えるぐらいです。
まあ、小雪がクリアできなかったら、それはそれで罪悪感がありますが(^^;

しかし、それを差し引いても、絵柄も可愛らしくキャラクターも魅力的で、
音声も文句なく、音楽もばっちり、システム面でも特に不満はなく、演出も
凝っていてストーリーも面白い。
しかも、これだけの内容で、定価は安めに抑えられているんですよ?
フル価格帯でも文句の出ないぐらいの内容だと思います。

笑えて、泣けて、Hで、ほのぼのして、萌えられて、面白い、ほとんど文句の
付けようがないぐらい、クオリティの高い作品だと思います。
これと言って飛び抜けたところも売りもない作品なんですが、全体的に非常に
高いレベルでまとまって、素晴らしいゲームでした。

お奨め度は 8 としていますが、はっきり言って、これはかなり厳しい評価
だと思います。涼子ルートだけで見て、エンディング前がもう少しだけ
盛り上がり、シリアスシーンをギャグで茶化すところがもう少し少なければ、
文句なくお奨め度は 9 を付けていたと思います。
そのぐらい、とても良くできた作品だと思いますので、是非どうぞ。
私はもう、涼子さんの可愛らしさにやられっぱなしです……。

最後に。「瑠璃降りる!」「? 回文?」……涼子さん、アンタ最高です(笑)


「俺の子を産んで下さいっ!」「もう出来てますっ!」(爆笑)
……そこでそんなネタを持ってくるのは反則です(^^;



ロビーに戻る  レビュートップに戻る