BIN★CANダーリン
ブランド名 ACTRESS ジャンル 学園青春敏感アドベンチャー
発売日 2005.10.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x41mm) マニュアル A5用紙1枚
DISC容量 699.3MB、CD-DAなし
原画 千葉千夏 シナリオ 神代いづみ
音楽 14曲、Normalize あり(1曲、OP)、遊女
音声 あり、海原エレナ、北都南、まりもりん、柴田蕗、相模真
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 60箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 102枚
おまけ CG mode、回想mode、音楽mode
対象属性 純愛、学園物、黒髪、ストレートロング、眼鏡っ娘、ツンデレ、女教師、金髪、帽子、
ストッキング、ガーターベルト、ポニーテール、リボン、体操着、ブルマ、裸エプロン、
触角、バニーガール、姉妹丼、ボブカット、オーバーニーソックス、パンチラ、アホ毛、
スクール水着、ツインテール、先輩、ウェディングドレス
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
勉強ばかりしていて根暗だった主人公は、転校をきっかけに性格を変えようと
決意する。そして、新しい学校への通学初日、校門前で女の子と知り合い、
ひょんなことから美術部に入部することになる。女の子に囲まれた生活を送る
ことになった主人公だが、女性に対する免疫が皆無だった。何かあるとすぐ
反応してしまう身体。果たして主人公は、無事に自分を変えることが出来、
楽しい学園生活を送れるのか……という、学園青春敏感アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

橘千鶴(たちばな・ちづる)。(CV:海原エレナ)
転校初日、校門前で出会った女の子。美術部に所属しており、クラスも同じで
席も隣。ツンツンしていて素っ気なく取っつきにくいが、根は明るく優しい娘。
成績優秀の優等生だが、頑固で意地っ張り。照れるとつれなくなる。

橘こずえ(たちばなこずえ)。(CV:相模真)
千鶴の母親。主人公のクラスの担任で、美術部の顧問。
さっぱりした、それでいた明るく優しい性格で、茶目っ気もあるとっつきやすい
先生。千鶴をとても可愛がっており、よく甘える。

日高菜穂(ひだか・なほ)。(CV:北都南)
千鶴の親友(自称)で、隣のクラス。お祭り好きで、転校生である主人公にも
興味を持ち、親しく接してくる。明るく元気で人当たりが良く、友達も多い。

日高環(ひだか・たまき)。(CV:まりもりん)
菜穂の妹で、美術部に所属する後輩。明るく元気で夢見がちな少女。ぢっちゃけ
妄想家。運動神経は鈍く、何もないところで転ぶ。
菜穂に「タマ」と呼ばれるが、本人は嫌がっている。

浅倉香澄(あさくら・かすみ)。(CV:柴田蕗)
美術部部長。先輩にあたるが、見た目は幼く、とても先輩には見えない。
ほんわかした不思議系の雰囲気を持っている。食欲魔人。千鶴の幼なじみ。

絵の方はすっきりとした絵柄でとても可愛らしく、魅力的な絵柄だと思います。
CGは綺麗に処理されており、すっきりとした仕上がりになっているかと。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。パターンはそれほど多くないですが、
会話に合わせて切り替わり、感情移入はし易いです。

キャラクターは基本的に明るく元気なキャラが多め。そんな中、千鶴だけは
やたらツンツンしていて異彩を放っているかも。まあ、根はいい娘ですけど。
どのキャラも魅力的で、1人を選ぶのはなかなか難しいですねー。

音声はややキャラとのイメージとズレているように感じることがありました。
ただ、演技の方は問題ないため、それほど気になることはありませんでした。
淫語は伏せ字もなしでそのまま流れます。
ひとつ気になったのは、2人以上が会話に絡む場合、片方の音声が非常に遠く
聞こえること。距離感を出しているのかも知れませんが、横に並んで話して
いるときもそうなりますし、いくらなんでも距離離れすぎな気がします(^^;
なんだか、みちの向こう側と話してるような感覚……。

音楽はほのぼのとした曲が多め。ゆったりとした曲やコミカルな曲、静かな
曲など幅広く用意されていますが、全体的に柔らかいほのぼのとした雰囲気で
統一されています。

ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが流れ
ます。……プロローグのあまりの唐突な展開にぽかーんとしているうちに、
オープニング始まっちゃったという感じですが(^^;
歌は明るくノリの良い可愛らしい歌で、聴き心地がいいですね。
絵の方はキャラクター紹介、シーン紹介的なもの。特筆すべき点は特になし。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで出来ますが、メニュー操作等は出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動再生搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声は自動的に再生
されます。通常のメッセージ送りもキーボードで可能です。
次の選択肢へスキップ、最後に選択した選択肢へ戻る機能もあり。
プレイはしやすいでしょう。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は60箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメントが保存され
ます。数としては、分岐が明確で、選択肢もあまり多くないため、これだけ
あれば充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
特筆すべき点はなし。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は可変です。初期値の「佐々木裕也(ささきゆうや)」を使った
ときのみ、呼びかけ部分に音声が付きます。それ以外では呼びかけ部分が
無音になり、ちょっと違和感がありますね。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が転校してくるところから始まります。校門で千鶴と出会い、
そのままなし崩しに美術部の人たちと出会って入部し、そのまま仲を深めて
いく……という、王道の学園純愛ストーリーです。

序盤は明るくコミカルな展開。元気いっぱいなキャラクター達との明るく
ほのぼのとしたイベントが続きます。
コミカルな展開も多く、自然と頬が緩むような感じですね。

後半はヒロインと付き合い始め、各ヒロインの抱えた問題と向き合ったり、
葛藤しつつお互いの気持ちを確認し合う展開。ちょっとシリアスな切ない
展開ですが、そんなにドロドロするわけでもなく、描写もあっさりして
いますので、特にキツくはありません。
そして、問題を乗り越えた後は、ラブラブで萌え萌えな展開になって、
そのままエンディングに。すっりき綺麗に終わって、後味もいいですね。

まず気になるのは主人公の性格。気が弱く根暗な自分を変えたくて転校した
主人公ですが、そんな簡単に性格が変わるわけもなく、基本的に受け身で
気が弱く優柔不断なヘタレです。
恋愛に関してもHシーンでもそんな感じなので、人によっては見ていてちょっと
イライラするかも知れません。

そして、ヒロインと結ばれるまでの展開はマッハの早さで、徐々に惹かれて
いくところがあまり描かれておらず、やや実感に乏しいです。
また、結ばれてからはぽんぽん日付が飛んで、その間にいつの間にかやたら
親密になっていたりしますので、ゆっくり愛を育てていくという感覚も薄く、
純愛物としてはやや物足りなさも感じます。

ただ、結ばれてからのイベントはかなり萌えるものがあり、キャラクターの
魅力は存分に引き出されていると思います。
キャラクターの描写や萌えに関してはとても優れていると思います。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されています。尺の方もそこそこ
あって、描写も丁寧です。2回戦も用意されています。
内容は純愛系のラブラブHばかりで、ややシチュエーションの幅は狭いですが、
可愛らしさやラブラブな雰囲気がとても良く出ていていいですね。
ただ、Hシーン中にも結構会話があるため、ややHシーンに集中はし辛くて、
人によってはちょっと合わないかも。
どちらかというと、Hさよりも萌えを重視した感じでしょうか。

テキストは誤字等もほとんど気にならず、丁寧でテンポの良いテキストで、
読みやすいと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は1ヶ月強? 最初は1日ずつ進むのですが、途中からぽんぽんと
飛ぶためよくわかりません(^^;
まあ、日付の経過を意識することはありませんが。

ワンプレイは3〜4時間。テンポ良くサクサク進むので、結構短く感じました。
また、共通部分も多いため、2周目以降はスキップを使えばかなり短縮出来る
と思います。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラクター寄りの選択をしていれば、まあ
問題なくクリアできるでしょう。
唯一、こずえだけがちょっと選択肢が解りづらいかも。
総評
お奨め度ですが、ちょっと受け身な純愛萌え系ストーリーが好きな人にお奨め。
キャラクターの描写が丁寧で秀逸で、萌えイベントもふんだんに盛り込まれて
おり、キャラクターの魅力を存分に活かした作品だと思います。

ほのぼのコミカルな雰囲気は心地良く、プレイ感も爽やかで、すっきり気持ち
よくプレイできる作品だと思います。

ただ、ストーリーにややメリハリがなく、山が1つあって終わりという感じで、
ちょっとあっさりした印象は拭えません。
また、共通部分が多く、個別ルートはやや短めのため、全体的なボリュームも
やや乏しく、ちょっと物足りないかもですね。
結ばれてからの展開がやたら早いのも、物足りなさに拍車をかけているかも。

でも、キャラクターはとても可愛らしく魅力的で、ストーリーはテンポ良く
コミカルでほのぼのしており安心してプレイできますし、萌えイベントも
しっかり組み込まれていますので、気軽に楽しめると思います。
ややボリューム不足でインパクトには欠けますが、丁寧に作られていると
思いますので、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。「BIN★CANダーリン」って、単に主人公が早勃ちなだけなんですね(^^;
# 「よしっ。そんな敏感なキミに、早勃ちキングの称号をあげようっ♪」
# ……う、嬉しくねぇ……(^^;


以下、ネタバレ……ってほどではないですが、ちょっとラストに絡む話です
ので、嫌な人は見ないように。

え? それで終わりかよ? と思ってたら、エンディング後にエピローグがあって
にんまり。こういうの、好きなんですよねー。



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