は〜とぶれいく〜恋のトライアングル注意報〜
ブランド名 パティスリー ジャンル 傷心回復ADV
発売日 2005.05.20 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(151x215x32mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 622.8MB、CD-DAなし
原画 NGO(んご) シナリオ 佐野晋一郎、平一平
音楽 19曲、上松範康
CREATIVE SOUND PROJECT SALAD
あり(2曲、OP・ED)、
後藤真由実、飛蘭(fay-lan)
音声 あり、楠鈴音、榎津まお一色ヒカル児玉さとみ、城崎彦太、
真宮鈴、如月葵、伊藤瞳子、ルーシー、下野薫
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 160枚
おまけ CG鑑賞、シーン回想、音楽室
対象属性 純愛、学園物、青春、幼なじみ、ピンク髪、ツインテール、リボン、眼鏡っ娘、ツンデレ、
オーバーニーソックス、緑髪、触角、ボブカット、体操服、ブルマ、ストレートロング、
エプロンドレス、ポニーテール、メイド服
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公達仲良し6人組は、よく一緒に遊びに行くような間柄だった。そして、
夏休みに海に遊びに行った帰り、主人公は心を寄せている女の子に、告白
することを決意する。そしていざ告白するも、見事玉砕。傷心の主人公だが、
目前に学園祭が迫っており、その準備のためにみんなと協力し合う。果たして
主人公は、学園祭を成功させ、再び告白して思いを成就することが出来るのか
……という、傷心回復アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

浅見蘭子(あさみらんこ)。(CV:榎津まお)
主人公の幼なじみ。我が儘で自己中心的で傍若無人な性格。短気で喧嘩っ早く、
すぐに手が出る。主人公達を下僕と思っている(笑)

米倉双葉(よねくらふたば)。(CV:楠鈴音)
主人公のクラスメイト。おっとりのほほんとした天然娘。ドジでトロいが、
周りの人を和ませるキャラクターを持つ。誰とでもすぐに仲良くなり、親しく
接することが出来る。
# 「わわわ、わたし、今、いないって言って!」……いや、そこにいるから(^^;

二階堂多希(にかいどうたき)。(CV:一色ヒカル)
主人公のクラスメイト。成績優秀スポーツ万能スタイル抜群の女の子。
生真面目で融通が利かないまっすぐな子。やや物静かで、物事を悪い方に
考えたり、自分の中にため込む傾向がある。

絵の方は可愛らしく、活き活きとした絵柄でいいですね。輪郭線がはっきり
していて、ぱっと見てわかりやすい絵柄だと思います。ただ、ちょっと濃い
印象もありますが、私はそんな気になりませんでした。
CGは鮮やかな色遣いで、見栄えがしますね。ちょっと濃すぎるように感じる
部分もありますが、まあ許容範囲でしょう。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともにあり。さらに、目パチ、口パクも用意
されていて、会話に臨場感がありますね。

キャラクターはやかましい蘭子、マイペースな双葉、クールな多希と、個性
豊かではっきりと分かれた配置。
どのキャラクターも活き活きしており、会話もとても楽しいです。
さらに、男友達の江口茂久と星あゆむもいい味を出しており、作品をとても
盛り上げてくれます。
多希らぶりー。照れたところがとっても可愛らしいのですよー。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技も問題なし。
男性キャラにも音声が付いていて、会話はとても盛り上がります。
というか、蘭子と茂久、うるさい(^^;

音楽は静かで落ち着いた雰囲気の曲が多め。結構しっとりとした雰囲気が
漂います。ちょっと意外かも。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
ゲームを開始して、プロローグの後にも流れますけど。
歌はポップで可愛らしい歌。軽快なテンポでとても聴きやすい歌ですね。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。こちらはしっとりと落ち着いた曲で、ラストの余韻を
楽しめるような感じで、なかなかいいですね。
ただ、何かキーを押すと終わっちゃうので注意(^^;
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
音声のリピート再生も可能です。
ただ、この既読スキップですが、たまに未読のメッセージも飛ばしてくださり
やがるので(^^;、あんりま信用しない方がいいかも。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作も比較的高速です。若干描画で引っかかる
感もありますが。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付、そして誰の
ストーリーかが保存されます。
数としては、シナリオが3本*3に分岐し、選択肢もそこそこ多いので、やや
物足りないかもですね。もう少しあった方が嬉しいかも。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
特徴としては「傷心ゲージ」というものがあります。これは文字通り、主人公の
傷心具合を示すものなのですが……あーんまり意味はないかも(^^;
イベント1つで、一気に最低になったり最高になったりしますからねー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「桃野健吾(もものけんご)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公達仲良し6人組が、夏休みに海に行くところから始まります。
みんなでわいわい楽しくやって、その帰り、主人公は思いを寄せる女の子に
告白することを決意する……という感じです。

前半は、告白して、振られて、なんとか立ち直ろうとする展開。
友人達に支えられたり励まされたりしつつ、なんとか普段通りに接していこう
とするところが描かれています。

後半は、学園祭の準備を絡めて、ヒロインと徐々に距離が縮まっていくという
展開。一度振られた娘に再度アタックしたり、別の娘と親密になったりと、
結構幅広い展開が用意されています。

ラストはすっきり爽やかに終わる……のですが、一度振られて、別の娘に乗り
換えた時はちょっと後ろめたさのようなものがありますし、何度かプレイして
いると各ヒロインの気持ちなども分かってくるので、それを考えると切ない
終わり方のような気もします。
まあ、とってもほのぼのらぶらぶな雰囲気は漂っていますので、深く考えなけ
ればいいのかも知れませんけど。

特筆すべきは、まず最初に「振られる」ということ。
ゲームの大前提として一度振られることが解っているのですが……これが、
かなり感情移入の妨げになるというか、一歩引いて見てしまいます。
告白といったら、こういう恋愛ゲームでは最大の見せ場じゃないですか。
それが、振られることが解っていると、なんだか面白味に欠けるというか。
まあ、告白してその場で振られるわけではなかったりもしますけど、一度
振られることが解っていると、どうしても感情移入し辛いです。

さらに、プレイヤーにはヒロインが何を考えているのかが結構解るように
なっているのですが、主人公達は全然解っていないため、情報の格差が
かなりあるように思います。何度かプレイしていると各ヒロインの気持ちも
解ってくるので、余計にそれが大きくなりますね。
振られた原因が何か、みんなで突き止めようとするシナリオがあるのですが、
プレイヤーは原因が何かほとんどわかっているため、茶番にしか見えません。
さらに、相手が自分を嫌っているわけではないのがわかっているため、他の
女の子とくっつくというのは罪悪感が付きまといます。
ちょっと、プレイヤーに対して情報を出し過ぎかなー、という気がします。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されているのですが、1つの
シナリオでは本番は1〜2回だけになっています。
尺はやや短めで、描写も比較的あっさりしています。基本的に純愛系の
シーンばかりで、みんな初めてのため、Hさよりも、初々しさを表に出した
Hシーン、という感じでしょうか。萌え重視というか。

テキストは誤字はほとんど気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。ただ、蘭子や茂久はかなりテンションが高いので、ちょっと
合わない人はいるかもですね。
あと、たまにテキストと音声が食い違っているところが見受けられました。
テキストでは「茂久」となっているのに、音声では「エロキュー」だったり。
まあ、これは蘭子のセリフなので、音声が正解なんでしょうけど。
プレイ時間・難易度
ゲームは10月6日から始まります。プロローグは夏休みだったりしますけど、
本編はここからなので。
ゲーム期間は2週間。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは3〜4時間。ややあっさりすっきり終わる印象ですが、プレイは
しやすいかと思います。

難易度はやや高め。まず最初に誰に告白するかで大きく3つにストーリーが
分岐し、その後誰とくっつくかによって、さらに3つに分岐します。
選択肢は結構多く、重要な選択肢は1つ外すだけでもクリアできなくなったり
するようなので、狙った娘のエンディングを見るのはやや難しいかも。
まあ、それっぽい選択肢を選んでいれば何とかなるかも知れませんが。
システム的な特徴である「傷心ゲージ」が、何かクリアの目安になるのかなー
と思っていたのですが、何の役にも立たなかったです(^^;
総評
お奨め度ですが、人間関係を描いた青春純愛物が好きな人にお奨め。
一度振られた主人公が、なんとか元通りの仲良しに戻ろうとするところや、
周りの友達が励ましてくれたりするところがとても丁寧に描かれており、
プレイしていて温かい気持ちになれます。仲間っていいなー、と思えます。

キャラクターはみんな活き活きとしており、会話もとても楽しく、告白を
するときの女の子の反応なんかもすっごく可愛らしくて、プレイしていて
自然と頬がゆるむ感じです。

ただ、最初から振られることが解っていたり、ヒロインの気持ちは解って
いるのに主人公はうじうじしていたりと、どうしても感情移入はしづらく、
一歩引いたところから客観的に見てしまうと思います。
さらに、一度振られた人にもう一度アタックするにしても、別の人に乗り
換えるにしても、他のキャラクターの気持ちを考えると結構切なく、
今ひとつすっきりとしない気がします。

サブタイトルから、三角関係のドロドロが描かれたりするのかと思って
いたのですが、それほど深く描かれることはなく、そういう意味では
プレイしやすかったのですが……。

あと、システム的な特徴である「傷心ゲージ」ですが、これは一体何が
やりたかったのでしょうか(^^;
全く意味が見えなかったのですが……。

キャラクターの描写や会話はなかなか良かったのですが、元々のコンセプト
からしてやや感情移入し辛く、先の展開も読みやすいため、今ひとつ楽しみ
切れなかったような気がします。
また、シナリオは大きく3本のため、やや物足りなさもありました。

ただ、青春という雰囲気はとても良く出ていましたし、仲間というものの
ありがたさなんかはとてもよく描写されていると思いますので、そういった
ストーリーが好きな人には是非どうぞ。

最後に。「あゆみ、一生懸命頑張ってるだけだもんっ」……可愛すぎ(笑)


多希シナリオなんて、多希が何考えてるかなんてプレイヤーは速攻で解ると
思うので、終始やきもきしっぱなしです(^^;
双葉シナリオの、双葉の心変わりの早さもちょっとアレでしたが(^^;
蘭子は……まあ、そーいうキャラよね(笑)



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