MOON CHILDe
ブランド名 SIESTA ジャンル ルナティックADV
発売日 2005.12.09 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(164x231x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.47GB(DVD-ROM)
原画 雨音響ゆきうさぎ シナリオ 林ふみと眼鏡友の会/E.C久弥直樹
音楽 50曲、ManackTriodesign あり(2曲、OP・ED)、YUKO、真理絵
音声 フルボイス、韮井叶、まきいづみ茶谷やすら、須本綾奈、楠鈴音、織田翼沙、
一色ヒカル、このかなみ、山田秀夫、勝本幸保、城崎彦太、中越健一、谷村竜一、
綾小路京子
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 90箇所 CG枚数 135枚
おまけ CG回想、シーン回想、音楽鑑賞
対象属性 ミステリー、サスペンス、純愛、陵辱、学園物、赤髪、リボン、オーバーニーソックス、
しましま、ツンデレ、ストレートロング、先輩、眼鏡っ娘、ポニーテール、ショートカット、
ヘアバンド、ボクっ娘、スパッツ、白衣、女医、ストッキング、ガーターベルト、金髪、
銀髪、ツインテール、メイド、エプロンドレス、帽子、ロリ、着物、和服
1プレイ時間 8〜12時間 お奨め度 7

レビュー
概要
国立まほろば学園。そこは、ナイトメア感染症という謎の病に感染した子供達、
「ムーンチャイルド」を集めて治療する学園。主人公は、ナイトメア感染症の
診断を去れ、まほろば学園にやってくる。テレビもラジオもインターネットも
電話も使えず、完全に外界と隔離された学園では、何やら怪しげな動きが見え
隠れしていた。そんな中、主人公は、ほぼ同時期に転校してきた少女・咲夜と
出会い、学園の謎を探り始める。果たしてこの学園の謎とは。主人公の運命は
……という、ルナティックADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

夕月咲夜(ゆうづきさくや)。(CV:韮井叶)
主人公とほぼ同時期に転校してきた女の子。転校してきて一週間でドミナンスと
呼ばれる特別クラスに昇格した天才少女。
負けず嫌いで意地っぱりで短気。いつも怒っているか悪態をついているかバカに
しているか。全身に逆鱗をまとっており、触ると怒る。
甘い物が好き。大食い。怪奇・底なしブラックホール少女。

二ノ宮杏子(にのみやきょうこ)。(CV:楠鈴音)
まほろば学園の生徒会長。ドミナンス。優しく面倒見のいい女性で、生徒の
ことを第一に考え、学園理事会と渡り合っている。

坂崎由比(さかざきゆい)。(CV:韮井叶)
まほろば学園学生寮の寮監。高圧的で、生徒達をいつも見下すような態度を
とる。特にドミナンスにはいい感情を持っていない。

御堂美妙枝(みどうみさえ)。(CV:一色ヒカル)
まほろば学園学園長。高圧的で人を見下したような言動が目立つ。
ただし、あまり表に出てくることはない。

加賀野耀子(かがのようこ)。(CV:このかなみ)
まほろば学園の教頭。クールで頭が切れる。生徒達への対応も淡々としていて
機械的。

佐伯胡桃(さえきくるみ)。(CV:茶谷やすら)
まほろば学園新聞部編集長。ただし、部員は1人だけ。
明るく元気で好奇心いっぱいの女の子。いつも高いところから落ちたり車に
轢かれそうになったり爆発に巻き込まれたりする女の子。……ありえねぇ(^^;
ただ、悪運が強いのか、大怪我だけはしない。

烏丸凛子(からすまりんこ)。(CV:一色ヒカル)
まほろば学園の保健の先生。大雑把で破天荒。手錠で拘束するのが趣味。
男子生徒をお楽しみと称して襲う(^^;

笹原水乃(ささはらみずの)。(CV:楠鈴音)
通常の校舎から離れたところで2人だけで授業を受けている女の子。
クラスメイトであり親友である真冬にのみ心を開き、それ以外の人に対しては
冷たく素っ気ない。

名越真冬(なごしまふゆ)。(CV:まきいづみ)
水乃のクラスメート。ほんわかした雰囲気の優しい女の子。気配りも良く出来る
明るく屈託のないいい娘。

リンネ。(CV:まきいづみ)
学園にある塔にいる不思議な少女。感情表現に乏しく、無口で無表情。
ただ、主人公に良く懐いており、言われたことは素直によくきく。

二階堂香澄(にかいどうかすみ)。(CV:須本綾奈)
リンネに仕えるメイド。リンネのことを第一に考え、リンネ中心に行動する。
結構ドジだが、家事などはそつなくこなす。

三田村薫子(みたむらかおるこ)。(CV:須本綾奈)
園芸部に所属する変わり者。自分でも変人であることは認識している(^^;
徹底的にマイペース。のんきでのんびりしているが、発想が豊かで的確な指摘を
することも。

見里かなた(みさとかなた)。(CV:織田翼沙)
学園の外れに住み着いている謎の女の子。実体のない幽霊のような女の子
だが(それってまんま幽霊(^^;)、明るく元気な女の子。

絵の方は線の細いスッキリとした絵柄。足が非常に細かったり、全体的に華奢で
肉感には欠けますが、どこか儚さの漂う不思議な色気のある絵柄だと思います。
可愛らしく魅力的で、かなり好きかも。
CGはとても綺麗に丁寧に処理されていて、雰囲気も良く出ていていいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
コミカルな表情もあって、活き活きとしていていいですね。

キャラクターは一癖も二癖もある個性豊かなキャラクター揃い。
そもそもまほろば学園はナイトメア症候群によって何らかの特異が発生して
いる人、する可能性がある人が集められているわけで、学園にいる時点で
何らかの特殊な個性を持っているわけですが。

音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技の方も問題なし。
陵辱シーンやキレた演技も緊迫感たっぷりで、主人公以外は男性も音声があり、
作品をとてもよく盛り上げてくれます。
結構兼ね役の人が多いのですが、あまり気になりませんでした。

音楽は静かで綺麗な旋律の曲が多め。ただ、曲数が非常に豊富で、コミカルな
曲や激しい曲、逆に切ない曲やおどろおどろしい曲など、幅広く、数多くとり揃え
られていて、シーンにあった曲が使われていると思います。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は幻想的で広がりのある、独特の雰囲気を持った歌。歌唱力もさることながら、
すごい力強さを感じる歌声は、聴いていて痺れます。ゲームの主題歌というより、
オペラで使われるような歌ですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出がなかなか凝って
おり、幻想的な雰囲気が良く出ていていいですね。
歌が最後中途半端にフェードアウトしてしまうのだけが残念。

エンディングも歌あり。しっとりした中にも力強さと可愛らしさもある曲で、
エンディングの雰囲気を上手く盛り上げてくれます。爽やかでしっとりして、
余韻の残るいい歌ですね。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。一部の機能にはショートカットキーが
割り当てられていてキーボードで操作できますが、選択肢決定や各種メニューの
中はキーボードで操作できません。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールに対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。画面エフェクトをオフにしても、描画はゆっくりでちょっと
イライラします。
また、選択肢にカーソルを合わせると未来が見えるという演出があるのですが、
これが重くてテンポを悪くしている気がします。
スキップ動作は比較的高速。

セーブ箇所は90箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。
数としては、選択肢は結構ありますが、未来が見えるシステムのためにそれ
ほど悩むことはないかと思いますし、これだけあれば足りるかと。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。条件を満たすと選択肢が増える、
シナリオ追加型のシステムになっています。
特徴は、なんと言っても「未来予知システム」。これは、選択肢が出てきた時、
選択肢にカーソルを合わせると、その選択をしたことによる未来の断片を見る
ことが出来るというものです。抽象的なものも多いですが、明らかにダークな
ものや、ハッピーっぽいものもありますので、攻略の助けにはなるかと。
ただ、前述の通り、これが重いためテンポは悪くなっている気もしますが。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「草薙ヒロト(くさなぎひろと)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がまほろば学園に転校してくるところから始まります。
そこで咲夜と出会い、行動を共にすることによって学園の謎に迫っていく、
という感じです。

ストーリーは終始重苦しく、緊迫感を持って進みます。
ところどころ、特に中盤にはコミカルな展開もありますが、ベースに流れる
設定や目的がかなりシリアスで重苦しいため、あまり弾けた印象はなく、
どちらかというとやや空回りしている印象も受けました。
香澄がギャグ担当、という感じでしょうか。薫子もなかなか愉快ですが。
まあ、どのキャラクターも個性的で特殊なので、いくらでもいじりようはある
わけですけど。
# 一番いじられてるのは咲夜かも。
##「いいの……。私の純情なんてそんなもんよ……」(笑)

メインは学園に数多く存在する謎解きなので、こういったミステリー系の
作品では1つのシナリオをプレイするとほとんどの謎が分かってしまいそうな
モノですが、各シナリオ毎に謎が1つ解明される感じになっていて、全ての
シナリオをクリアして、初めて全ての謎がクリアになる、という感じです。
なかなか上手い作りですね。

ただ、ほとんどのシナリオは独立している感じで、例えば咲夜のシナリオでは
水乃や薫子なんかはほとんど全く出てこないなど、キャラクターが限られて
おり、やや幅が狭いように感じます。
キャラクター同士の掛け合いも限られていて、ほとんどが主人公中心のため、
やや面白みにも欠ける気がします。
それに、シナリオ毎に展開が全く違うので、プレイしていてちょっと戸惑う
こともありました。あるシナリオでは特別クラス入りしたと思ったら、ある
シナリオでは問題児暮らす入りしたりとか。
でもまあ、各シナリオ単体で見れば、良くできていると思います。

そして、作品の雰囲気は静かで重苦しい感じなのですが、その割にはやや
緊迫感に欠け、深刻さ・重大さに欠けているように感じました。
大事なものを屋根裏に匿っていて、見つかったら自分の身もヤバいという
状態にあるのに、平然としていてあまり気にも懸けていないように感じたり、
今ひとつメリハリには欠けるように感じました。

あと、一番気になったのは情報量の多さ。どのキャラクターも特殊な設定を
持っていて、学園も様々な設定が隠されているわけですが、それらがあまり
整理されずにぽんぽん出てくるため、どの情報をどう捉えていいのかが解り
づらく、難解になっているように感じました。

情報は大きく分けて、一般の生徒が知っていること、ドミナンスだけが知って
いること、主人公達だけが知っていること、プレイヤーだけが知っていること、
全くわからないことの4つの情報があって、どれがどれか把握するのが難しく、
ちょっと読みにくいように感じました。
何か情報が出てきたとき、「あれ? これは誰がどこまで知ってたっけ?」と
思うことが多く、その後の行動にもちょっと影響するような感じです。
さらに、主人公は未来を見ることが出来るのですが、一度見た未来でも覚えて
いないこともあったりと、やや戸惑いました。

H度は並。各ヒロインとも複数回ありますが、1本のシナリオでは1〜2回の
キャラが多いです。尺はそこそこ、描写の方はキャラによって差がありますが、
比較的あっさりでしょうか。
内容は純愛系のHから陵辱まで用意されていますが、陵辱シーンは総じて短く
中途半端でぶち切られることが多いです。それほどキツい描写はないのですが、
それでも耐性のない人にはちょっとキツいかもですね。
純愛系のHは、それほど内容に変わり映え無く、シチュエーションも普通の
ものが多いので、やや面白みには欠ける気がします。ただ、雰囲気はとても
良く出ていて、ストーリーによく馴染んだ、自然な展開だと思います。
むしろ、Hシーンそのものより、そういう雰囲気だけ出しておいておあずけに
するようなシーンの方が面白いです。

テキストは誤字等はあまり気にならず、一部脱字がちょっとあったかな? と
いう程度で、ほとんど気にならないでしょう。ただ、前述の通り、情報の
レベルが把握しづらく、やや読みづらいテキストに感じました。
プレイ時間・難易度
ゲームは10月15日(土)から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。
基本的に1日ずつ進めていくタイプです。

ワンプレイは8〜12時間。シナリオによってかなり差があります。
また、1周しただけでは謎は全然解明されず、ストーリーも完結しないので、
最後までプレイすることが前提ですね。また、シナリオはほとんど独立で、
スキップの危機は非常に悪いため、総プレイ時間はかなりかかります。

難易度は並。「未来予知システム」によって、その選択肢を選ぶとどういう
未来があるかを見ることは出来るのですが、抽象的なものが多く、どうでも
いいような選択肢が実はシナリオの分岐になっていたりと、ちょっと分岐が
解りづらく、思った通りには進めないかも知れません。
また、クリア順制御もかかっていますので、望んだ展開にはならないことが
多かったです。
総評
お奨め度としては、シリアスで不思議な雰囲気のミステリーが好きな人に
お奨め。緊迫感のあるサスペンスタッチのストーリーで、謎が解き明かされて
いく様はなかなか面白く、先のストーリーが非常に気になりました。
各キャラクターの持っている能力も、真相を空かすのを引っ張ったりと、
上手くストーリーが展開していっている、非常に読み応えのあるストーリー
だと思います。

ただ、シナリオによって登場キャラが決まっているのでやや展開の幅が狭く、
プレイヤーとしては展開が読みやすいこともありました。
また、情報や設定が複雑に絡み合っていて、今、主人公がどこまで知って
いるのかを把握するのが難しく、やや感情移入はし辛かったです。
それと、緊迫した展開の中で突然コミカルな展開が入ったりするのですが、
たまに「そんなのいいから早く先を読ませろ」と思うことも(^^;
まあ、それだけ引き込むようなストーリーだ、とも言えると思いますが。

咲夜シナリオ以外では、主人公が未来を見ることが出来るという設定が
あまり活かされていなかったり、各キャラの持っている設定が都合よく
利用されていたり、ややご都合主義な印象も受けました。

そして、陵辱シーンや人が死ぬシーンなど、キツいシーンや残虐なシーンも
結構ありますので、苦手な人にはちょっと辛いかも知れません。

全体的に、重々しい雰囲気の流れる作品で、プレイしていて「楽しい」と
思える作品ではないと思いますが、引き込むような力のあるストーリーは
なかなか面白いと思いますし、キャラクターも個性的で魅力的で、活き活き
していると思いますし、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。
雰囲気重視の作品だと思いますので、雰囲気が気に入るかどうかが一番の
鍵だと思います。
破滅に向かっていくような、ある意味鬱な雰囲気の漂う作品ですから、やや
取っつきにくいかと思いますが、慣れればなんとかなるかなー、と。

最後に。一般客の来ない学園祭って、面白いの?(^^;
# テレビもラジオもインターネットもない、学園から出られない、そんな
# 生活耐えられない(^^;


生徒会長、薫子ルートは反則だと思います(^^;



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