委員長は承認せず!〜It is a Next CHOice〜
ブランド名 Chien ジャンル 学園リリカルポップアドベンチャー
発売日 2006.06.02 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(164x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.03GB(DVD-ROM)
原画 ここのか シナリオ 神無月如月0-take七央結日
逆神喧云、まちゃ吉
音楽 24曲、吉田仁郎金子剛 あり(2曲、OP・ED)、真理絵
音声 あり、青山ゆかり、茶谷やすらまきいづみ一色ヒカル、九条信乃、
紫陽花、皇帝、城崎彦太、町田あみ、松園ルイ、如月葵、韮井叶、楠鈴音
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ1箇所
CG枚数 81枚
おまけ CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞、IINCHOシステム
対象属性 学園物、委員長、ドタバタ、コメディ、ギャグ、純愛、金髪、白衣、ツンデレ、
オーバーニーソックス、帽子、天然娘、眼鏡っ娘、黒髪、巫女装束、ストッキング、
赤髪、ボブカット
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 6

レビュー
概要
私立倫応学園は、数多くの委員会が存在し、委員会が学園を動かす、学生主導の
学園だった。しかしある日、学園長の下に委員会システムを崩壊させてやるという
メールが届く。その真意や犯人を調査するため、監査委員会が作られた。
その頃、特待生として学園に転校してきた主人公は、学園長から特待生の保持を
条件に、監査委員を受けることになる。かくして主人公は、学園生活を送りつつ、
怪しい委員会を調査することになった。果たして事件の真相は。主人公の運命は
……という、学園リリカルポップアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

高城麟瞳(たかしろりんどう)。(CV:青山ゆかり)
調停委員会委員長。倫応学園2年生。学力優秀、人望厚く、おそらく彼氏なし。
わがままで自分勝手で横暴。敵に回しても味方にしてもタチが悪い。
ただ、女の子らしい可愛い一面も覗かせる。

診撚縁(みよりえにし)。(CV:まきいづみ)
保険委員会委員長。頭の回転は早いけど、話すのは遅くて苦手なため、いざと
いうときは筆談をする。天然でマイペースだが、思いこんだら結構頑固。
缶ジュースに目がない。1缶120円に宇宙があるらしい(^^;

経・アダムスミス(けい・あだむすみす)。(CV:茶谷やすら)
会計委員会委員長。お父さんがイギリス、お母さんは日本のハーフな女の子。
寮で主人公の隣の部屋に暮らしている。いつも明るく前向きな女の子。
語尾に「お」がつく独特の話し方をする。

メアリー・ショルジニ。(CV:一色ヒカル)
報道委員会委員長。真実を報道することに並々ならぬ情熱を燃やす。
さっぱりハキハキとした性格で、接しやすい。乗馬とフェンシングが得意。

凪葛刃(なぎくずは)。(CV:九条信乃)
第三剣道委員会所属。主人公の護衛兼監視役で、麟瞳の護衛役でもある。
生真面目で融通の利かない堅物。麟瞳を守るためにはその命も厭わない。

絵の方はほんわかした雰囲気の、ちょっと愛嬌のある可愛らしい絵柄。
柔らかい雰囲気のキャラと、きりっと凛々しいキャラはしっかり描き分け
られていて、どちらも活き活きとしていて魅力的です。
若干シーンによっては雰囲気が違うように見えるのはご愛敬。
CGは丁寧に処理されていると思うのですが、色遣いが単調……というか、
見づらいです(^^; もうちょっと配色を考えて欲しいかも……。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと
切り替わり、感情移入もしやすいです。

キャラクターは個性豊かで自己主張の強いキャラ揃い。放っておくと勝手に
あちこち動き回りそうなぐらい、各キャラクターがとても良く立っていて、
活き活きしています。
そんな中、おっとりのほほんとした雰囲気の縁萌え。
だらしなく寝ている顔がとめどなくらぶりーです(笑)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も文句なし。
メインキャラはもちろんなこと、サブキャラもしっかりと演技されていて、
作品を良く盛り上げてくれます。特に、男性キャラも音声ありで、非常に
いい味を出していると思います。

音楽はアップテンポでコミカルな曲が多め。次いでピアノがメインの静かで
落ち着いた雰囲気の曲ですね。作品の雰囲気とよく合っていると思います。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポで軽快な、可愛らしい雰囲気の曲。ノリのいい、聞きやすい
歌ですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。曲に合わせた演出はなかなか
凝っていますが、まあ特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。明るく希望に満ちたような曲で、聴いていてとても
爽やかな気分になれる曲ですね。ただ、音程がやや微妙なところがあって、
ちょっと気持ち悪かったりもしましたけど(^^;
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログの操作等、一部の
メニューだけはキーボード操作ができないようです。通常は問題ないかと。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。効果音の再生時に引っかかる感じです。
スキップ動作はやや遅め。上記同様、効果音の再生で止まったりします。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ1箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトルが保存されます。
数としては、選択肢が結構多いため、これだけだとちょっと辛い気がします。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。特定の選択肢の
結果が後のイベントに反映される、フラグ型のシステムになっているようです。
システム的な特徴としては、「IINCHOシステム」があります。これは、作中で
出てきた言葉の意味を調べられる、ようするに辞書のようなものです。
ただ、いろんな単語が登録されていくため、これを読んでいるだけでも結構
楽しめます。
# 「技の1号、力の2号」とか「人外魔境」とか「指先1つでダウン」なんていう
# 言葉まで登録されたり(^^;

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「隠野玖郎(かくしのくろう)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が特待生として学園にやってきて、監査委員に任命される
ところから始まります。
いろんな委員を調べつつ、学園生活を送って女の子達と仲良くなっていく、
ドタバタ学園ストーリーという感じです。

前半は監査委員にされて、慣れない諜報活動に四苦八苦しながらも、毎日を
慌ただしく過ごしていきます。個性豊かなキャラクター達と出会い、昼は
楽しい学園生活を、夜はハードな調査活動を行います。

後半はキャラクターごとに全く話の流れが異なっており、各ヒロインとその
所属委員会、委員会破壊計画などを絡めてストーリーが展開します。
緊迫感のあるシリアスなストーリーが多く、でもギャグもちりばめられていて、
メリハリのある展開が楽しめます。

ラストは基本的にすっきり綺麗に終わりますが、ほとんどのシナリオでは
事件の真相にはあまり触れられないので、ちょっと気持ち悪いかも。
まあ、とあるシナリオ……というか、麟瞳シナリオで、事件の全容は説明
されますけど。

まず気になったのが前半のクオリティ。情報不足、描写不足で、整合性も
ズタボロ。いきなり聞いたこともないような設定が持ち上がってきたり、
見ていない、避けたはずのイベントが起こったかのように進んだりと、
非常に電波な展開で、ついて行くのが大変でした。
他にも、テキストでは「変装した」とあるのに、絵ではそのままだったり
(別のシーンでは、ちゃんと変装した絵が使われているにも関わらず)
各所に粗い部分が見受けられます。

ただ、個別ルートに入ってからは、そういった問題はほとんど見受けられず、
すんなりとストーリーを進めることが出来ます。
しかし、盛り上がってるシーンで「ウマ、キター」はないんじゃないかな(^^;
しかも、ブラックキングて。黒王号かよ(^^;

H度は並み。各ヒロインとも複数回用意されており、尺の方はそこそこ。
描写はキャラによってかなり差がありますが、比較的あっさりめ。
複数回用意されていると言っても、じゃれるようなシーンも多いため、
純粋なシーンとしては2つぐらいのキャラもいます。
内容は基本的に純愛系で、そーんなに捻ったシーンはないです。
まあ、複数人同時プレイなんかはありますけど(^^;

テキストはちらほら誤字は見受けられ、ややクセのあるテキストで、慣れる
まではちょっと読みにくいかも。
経の独特の口調や、目の前にいる女の子をいきなり「あの子」「あいつ」と
表現するなど、慣れるまではちょっと厳しいかも知れません。
他には、メッセージウインドウ内にメッセージが収まりきらずはみ出して
いたり、複数人が同時に喋るときは名前欄に名前が重なって表示されたり、
ちょっと足回りにも弱いところが見受けられます。
# 名前が重なるのは狙いかも知れませんが、見づらいです……。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は約2週間。基本的に1日ずつプレイしていくタイプですが、
あまり日付の経過は気にする必要はないかと。

ワンプレイは6〜8時間。長くもなく短くもなく、プレイしやすい長さかと。
個別ルートも短すぎず、バランスはいいと思います。

難易度はやや高め。選択肢の数が多く、効果がわかりづらいものが多くて、
しかもすぐには効果が現れず後のイベントに影響するものがあるなど、
なかなか狙ったルートに入るのが大変です。
また、場所移動の選択肢はどこに誰がいるのかもわからないため、狙った
キャラと逢うためには、セーブ/ロードを繰り返す必要があります。
総評
お奨め度ですが、学園ドタバタストーリーが好きな人にお奨め。
基本的に明るく楽しい雰囲気ですが、根底に流れる設定は結構重くて、
シナリオによってはかなりハードな展開になったりします。

基本的に凡人・一般人の主人公が、いきなり監査委員に任命されて執務室に
忍び込み、調査を行ったり見つかって追いかけられたり戦ったりと、かなり
無茶で強引なストーリーですが(^^;、メリハリはあってなかなか楽しめるかと
思います。まあ、かなりご都合主義満載ではありますが。

ただ、前半の作りはあまりにもボロボロで、個別ルートに入るまでは、もう
何がなにやらわからないような状態でした。もうちょっと情報を整理して、
きっちり見せて欲しいところです。
というか、わざわざ回避したはずのイベントを、見たことになっているのは
もうどうしたものやら……。もしかして、攻略難易度が高めに感じたのは
フラグ管理がうまくいってないからでわ? と思ったり。
他にも、メッセージウインドウの表示がおかしかったり、システム的には
かなりショボい印象が拭えません。

あと、今ひとつ「委員長は承認せず!」というタイトルが、作中で生きて
いないように感じました。どちらかというと、「委員長『を』承認せず!」
の方がしっくりきます。
それ以前に、あーんまり「委員長」という存在自体が、クローズアップ
されていない気もしますけど(^^;

キャラクターは活き活きとしていて魅力的ですし、ベースの設定はなかなか
興味深いですし、個別ルートに入ってからはそれなりにおもしろいんですが、
どうにもシステム周りや前半の作りが気になってしまう勿体ない作品です。
もうちょっと丁寧に作って欲しいところですね。

お奨め度は 6 としていますが、システムには目をつむって、後半だけで
評価すれば、7 か 8 をあげてもいいかな? と思えるぐらいの作品ですので、
ホント残念です。

ちなみに、麟瞳シナリオで事件の背景や真相なんかが語られるのですが、
このシナリオを最初にプレイしてしまうと、他のシナリオが茶番にしか思え
なくなる可能性がありますので注意が必要です。
ただ、困ったことにこのシナリオが一番入りやすいみたいなんですよね……。

最後に。「あ、あのね、その……お、男同士でも、えと……ちゃんと着けてね」(笑)
# 「絶対にNo!」(笑)


リンとりん、違いわかんねー(^^;

熱貴サラバ……俺の歌を聴けー?(笑)
# いや、「あつきさらば」ですけど……。



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