メイドさんと大きな剣
ブランド名 May-Be SOFT ジャンル ご奉仕メイドさんと大剣バトルAVG
発売日 2006.07.21 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x230x40mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 2.46GB(DVD-ROM)
原画 あかざ シナリオ 帚星
音楽 10曲、父山或人milktub あり(1曲、OP&ED)、REIKA
音声 あり、かわしまりの、未来羽、青川ナガレ、広森なずな
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 79枚
おまけ CGモード、回想モード、音楽モード
対象属性 メイド、エプロンドレス、バトル、アクション、ご主人様、赤髪、ストレートロング、
オーバーニーソックス、巨乳、ツンデレ、女教師、ポニーテール、チャイナドレス、
ボブカット、後輩、スクール水着、和服、金髪、ショートカット、アンドロイド、
ガーターベルト、しましま、眼鏡っ娘、ハーレム
1プレイ時間 9〜11時間 お奨め度 7

レビュー
概要
ごく普通の学園生活を送っていた主人公は、ある日父親から実は主人公の家は
大財閥で、これからは実家の屋敷で暮らせと言われる。半ば追い出されるように
屋敷に向かうと、そこにはメイドが主人公を待っていた。そのメイドは主人公の
クラスメイトで憧れの女の子だった。彼女はMaid Union Society、通称・MUSから
派遣されたメイドで、大剣を手に主人を守る特別なメイド、「アナザー・ワン」と
呼ばれるメイドだった。さらに、他にも次々と主人公の元に集まってくるメイド達。
そんなメイド達と暮らしていくことになった主人公。果たして主人公は、立派な
ご主人様になれるのか……という、ご奉仕メイドさんと大剣バトルAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

御剣咲耶(みつるぎさくや)。(CV:かわしまりの)
主人公のクラスメイト。学園のアイドルで優等生。学園では猫を被っているが、
本当は負けず嫌いで意地っ張りで素直になれない女の子。褒められるのは好き。
怒るとすぐに手が出る、投げて打てる、マルチプレイヤーメイド(笑)
メイドとして誇りを持ち、主人を護ることを責務としているが、やる時はやるヤツ(笑)
# 「パーでお願いします」「いえ、グーです」(笑)

愛染理緒(あいぜんりお)。(CV:未来羽)
主人公のクラスの担任で、数学教師。趣味はギャンブル全般。
メイドとしてのキャリアは豊富で、メイド達のリーダー的存在となる。
いたずら好きで、人をからかうのが大好き。可愛ければ男でも女でもOK。
可愛い男の子と女の子に囲まれたくて教師になった女(笑)
# 「ええ、ウソよ!! 咲耶に悪戯したいだけよ!!」……ぶっちゃけすぎ(笑)
##「さようなら、理緒。もう二度と理緒にマジメな話なんかしない」(笑)

行葉棗(ゆくはなつめ)。(CV:青川ナガレ)
主人公の学園の後輩。大人しく控えめで素直な女の子。世間知らずで純粋無垢。
漫画が大好きで、自分でも漫画を描いている。才能に溢れ、なんでもそつなく
こなすが応用が利かず、緊張するとドジを踏む。失敗するとマッハで落ち込む。
# 「……ご主人さま、介錯をお願いします……」(笑)

環零那(たまきれな)。(CV:広森なずな)
主人公の実家・神楽堂財閥の天敵である環家から、主人公を殺すために派遣
された強襲型アサルトメイドのビスクドール、ナンバー"VII"。
戦闘中にデータを更新してどんどん強くなっていく反則的な能力を持つ。
感情表現に乏しく冷静だが、お茶目な一面もあり、褒められると調子に乗る(笑)
「もっと出来るんだぜ」みたいなコトをする零那らぶりー(^^)
# 「精液よこせ」(爆笑)
##「……マスター、逞しい……」(笑)

絵の方はとても可愛らしく肉感もある絵柄。構図がはっきりしていて見やすく、
絵自体も存在感があって活き活きしていていいですね。
CGは色遣いがやや派手ですが、丁寧に処理されていていいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと変わり、
アクションも大きくて感情移入し易いと思います。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。一見優等生だがアツくユカイな咲耶、
破天荒でいたずら好きな理緒、大人しく控えめでひたむきな棗、クールで
感情表現に乏しい零那と、メリハリがあってそれでいて上手くかみ合っている
配置ですね。どのキャラクターも魅力的です。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も特に問題なし。
戦闘シーンや必殺技のかけ声なんかも、張りがあっていいですね。
一部、叫ぶときにやや雰囲気が変わるキャラもいますが、まあ許容範囲。
なお、淫語は伏せ字も何もなしでそのまま聞こえます。

音楽はほのぼのゆったりとした曲が多め。勇ましい曲や静かな曲も用意されて
います。曲数は少なめですが、シーンにあった曲が使われているのでそれほど
気にはなりませんでした。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで聴きやすい曲。歌は結構パンチと色気があって、独特の雰囲気を
醸し出しています。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。戦闘シーンの絵なんかは結構
格好いいですし、コミカルな演出も入っていて、なかなか見応えはありました。
# 「か、駆けなきゃ……駆けなきゃ歌詞と合わない……」(笑)

エンディングも歌あり。歌はオープニングと同じものですが、最後を力強く締めて
くれる感じでいいですね。

また、Hシーンや戦闘シーンではアニメーションも使用されます。
動きはなめらかで綺麗ですし、表情や姿勢の変化も結構自然で、見応えのある
アニメーションだと思います。
ただ、アニメーションが終わって静止画に切り替わったとき、アニメーションの
最後の絵と静止画でポーズなんかに違いがあるため、ちょっと違和感があり
ました。ここは、同じ絵を使って欲しいところなんですが……。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りと選択肢決定はキー
ボードで出来ますが、それ以外の操作はできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもキーボードで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と何日目か、そしてメッセージの
一部が保存されます。
数としては、シナリオの分岐が明確なため、これだけあれば充分でしょう。
まず使い切ることはないかと。
ただし、クイックセーブは、ゲームを終了するとクリアされるので注意。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
特徴としては、先に書いたとおりHシーンなどのフル画面アニメーションと、
ご奉仕ウィンドウ。
ご奉仕ウィンドウとは、Hシーンで局部を別ウインドウにアップで描写し、
そこがアニメーションするというものです。何がご奉仕なのか不明です(^^;

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は可変です。ただ、名字は変更不可で、名前を呼ばれるときは
名字で呼ばれるか、「ご主人様」「旦那様」「マスター」のように呼ばれるので
問題なし。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が実は財閥の跡取りだと知らされるところから始まります。
追い出されるように実家の屋敷にやってきた主人公は、そこでアナザー・ワンと
呼ばれるメイド達と暮らしていく……というお話。
# 追い出し方がステキです。「早く居なくなれ!」(笑)

前半は明るく楽しくコミカルな雰囲気で進みます。とてもテンポ良く、ギャグも
満載で、キャラクターも魅力的に描かれていていいですね。
ただ、戦闘シーンになるとそんな雰囲気は一転し、緊迫した格好いい空気に
変わります。このメリハリもなかなかいいですね。
# 「メイドたるものヘッドドレスは取る事なかれ」……MUSはいったいどんな
# 組織なんだ。こんな格言があるなんて。さいこー(笑)
##「グッジョブ、MUS。後で寄付金を送ってやろう。オヤジの名義で」(笑)

後半も、基本的には前半と同じような雰囲気ですが、最後の方は各ヒロインの
抱えている問題や信念などを前面に出した、ややシリアスな展開になります。
まあ、そんなに重かったりドロドロしたりはしないので、プレイはしやすいと
思いますけど。

最後はすっきり綺麗にまとめてくれますし、テンポ良くメリハリのある展開で
内容も充実しているため、達成感もありました。プレイ後の気分はとても爽快
です。

まずプレイしていて気になるのは、どう考えてもでっかい剣。
どんな時でも、常にデカい剣を抱えているってめちゃめちゃシュールですね(^^;
一応、作中で何故こんなデカい剣を持っているかの説明はありますが、かなり
強引で説得力には欠けているような気がします。
大きな剣をもっていればそれだけで驚異になると言っても……。
てゆーか、あの剣をどうやって背負っているのか見てみたいんですが。みんな
平気な顔して抜き身で背負ってますし……。
とりあえず、抜き身の剣を引きずったり床に叩きつけたりするのはどうかと。
それに、あんな剣を担いだまま街を歩くと、マッハで捕まりそうですが……。
# 「しかしずっと思ってたんだけど、そんな大きな剣抱えてて重くない?」
# 「重いに決まってんじゃない」……あ、やっぱ重いんだ……(^^;

あと、棗の剣を「日本刀」というのはちょっと抵抗があるのですが。
片刃で反り身ならいいのか?(^^;
カラドボルグのあの形状も、もはや剣としてはありえねぇ(^^;
# 大剣と話す体験(笑)

そしてもう1つのポイントが戦闘シーン。とても緊迫感溢れる雰囲気で、凛々しく
格好良く勇ましく描かれていて、とても見応えがありました。
必殺技を叫んだり、ピンチになってから逆転したりというお約束もしっかり踏んで
いて、手に汗握る展開を楽しめました。
# でも、「燕返し」を打つ前の口上は、バレバレになるからやめた方がいいかと(笑)
さらに、必殺技のシーンなどはアニメーションが使用されており、とても綺麗で
迫力のあるアニメーションで、凄く良かったです。
ただ、確かに描写やアニメーションは格好いいんですけど、絵の大半が剣線や
剣戟の火花というのはちょっと寂しいかも。
もう少し、キャラクターの絵も欲しかったところですね。たとえば空中に飛んで
それを迎え撃つとき、どんな高さでどんな体勢かが目で見て解れば、それだけで
とても雰囲気が掴みやすくなりますし、さらに盛り上がったと思うのですが……。
それと、この戦闘ですが、基本的にメイド同士の模擬戦で、いくら実戦形式と
言ってもやっぱりちょっと物足りない気もします。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されています。尺の方はそこそこ
用意されており、描写の方も比較的濃厚です。複数人プレイも用意されています。
内容的は基本的に純愛系のラブラブHですが、本番以外にもいたずら的なものが
結構用意されていて、シチュエーションは様々です。
まあ、いたずら的なシーンは、いいところで終わってしまって、ちょっと物足りなく
感じることもありましたが……。
また、Hシーンにはふんだんにアニメーションが使用されていて、それがさらに
シーンを盛り上げてくれます。

テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポが良くて力強さと勢いのある
読みやすいテキストだと思います。
ただ、テキストと絵に若干食い違いがあることがありました。特にHシーンは、
アニメーションに入ると構図が変わったりするのですが、それがテキストに
反映されていないような感じで、若干違和感がありました。
# 「道はきちんとアスファルトで舗装されてはいるが」……どう見てもコンク
# リートです(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は12日間。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは9〜11時間。ちょっと長めですが、全体の8割ぐらいは共通部のため、
2周目以降はスキップを使えばかなり短縮できます。というか、シナリオの分岐が
明確になっていますから、そこでセーブしておいて、そこからやり直すだけでも
OKだと思います。

難易度は低め。選択肢はそこそこあるんですが基本的にどれを選んでもほとんど
影響がなくて、シナリオ分岐の選択肢は明確に用意されていますから悩むことは
ないでしょう。というか、細々とした選択肢の意味があんまりわかりません(^^;
総評
お奨め度ですが、メイド活劇ストーリーの好きな人にお奨め。……そんなピン
ポイントな趣味の人がいるかどうかは知りませんが……(^^;
個性豊かで魅力的なメイド達が、大きな剣を手に派手なバトルを繰り広げる
お話で、萌えと燃えを見事に両立させた、メリハリのある作品だと思います。

どのヒロインも明確な意志や信念、目的を持っているため感情移入しやすく、
突飛な設定ながらもわかりやすく丁寧に描かれているため、すんなりとお話の
世界に入っていけると思います。

また、とてもテンポ良く密度の濃いシナリオで、プレイしていて「もうかなり
時間が経ったなー」と思って時計を見たら「え? まだこれだけしか時間経って
ないの?」と思うこともありました。そのぐらい色んな要素がたっぷり詰まった
密度の濃い充実した内容だったと思います。

ただ、戦闘シーンやアニメーションにはやや物足りない部分はありましたし、
ご都合主義満載の強引な展開も目立ちました。特に零那の設定はかなり
無理があるように思えますし、主人公のメイドになるシーンはもはや力業で、
いくらなんでもそれはちょっと……と思いました(^^; 簡単に寝返りすぎ(笑)
それに、大きな剣を持っている必然性や、どうやって持っているかなども
うやむやで、細かいところを言えば突っ込みどころは満載だと思います。
でも、そんなことは気にならないぐらい、力強さと勢いのある展開で、
ぐいぐいゲームの世界に引きずり込むような作品でした。

冷静に考えると、結構荒削りで、勢いだけで押し切っているような感があり、
キャラクターも基本的に4人と宮本ぐらいしか出てこない幅の狭い作品なの
ですが、とてもテンポ良くメリハリもあり力もあって、やりごたえのある作品
だったと思います。プレイ後の爽快感、充実感はとても心地よかったです。

作品の雰囲気やコンセプトに興味を引かれた方は是非どうぞ。
笑えて、萌えて、燃えられる、なかなかいい作品だと思います。
戦闘シーンを気に入るかどうか、が大きなポイントになりそうですけどねー。

最後に。ももたろうを読みながら冷静に突っ込みを入れる零那らぶりー(笑)
# 「この老婆、出来るな……」(笑)


一人ぐらい、ドリルを持ったキャラが欲しかった……。←それ剣違うし
# カラドボルグに期待したのにっ(笑)
##ある意味ドリルっぽかったですけど。



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