ぷりサガ!〜ボクの后は×××〜
ブランド名 DisAbel ジャンル まほう学校SLG+ADV
発売日 2006.07.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x41mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 3.07GB(DVD-ROM)
原画 龍牙翔 シナリオ
音楽 なし
音声 あり、青山ゆかり、榎津まお、岩田由貴、みわ梢子、森藍子、平野響子、西野みく
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 225枚
おまけ CG鑑賞、シーン回想
対象属性 ファンタジー、学園物、女教師、帽子、ストッキング、金髪、幼なじみ、ショートカット、
赤髪、ポニーテール、眼鏡っ娘、黒髪、ストレートロング、マント、オーバーニーソックス、
紫髪、リボン、メイド服
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 5

レビュー
概要
王国の第二王子である主人公は、身分を隠して王立アルケミスト養成学校に
通っていた。そんなとき、第一王子である兄が海難事故で行方不明になる。
急遽王位継承をするハメになった主人公は、条件として学園を主席卒業し、
デス=バレルと呼ばれる秘術を手に入れ、妃候補を見つける必要があるという。
果たして主人公は無事に条件を満たし、王位継承を行うことが出来るのか……
という、恥ずかしさ・むずがゆさ・こそばゆさ満載まほう学校SLG+ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

アウゼル=グレーデル。(CV:平野響子)
剣術教官で、王室警護隊隊長。剣の腕は一流。長らく主人公の面倒を見ており、
忠義に厚く面倒見もいいが、怒ると怖い。

ジェシカ=オルティス。(CV:森藍子)
槍術科所属。主人公の幼なじみで、世話好き。主人公のことを熟知しており、
行動パターンも把握している。

アリーシャ=ヴァジュラ。(CV:榎津まお)
体術科所属。辺境の出身で、言動も独特。ぶっきらぼうで短絡的。

ミランダ=グレイス=アリシューザ。(CV:青山ゆかり)
剣術科所属。主人公のことをライバル視しており、ことあるごとに突っかかる。

ガーベラ=ガーベルハイト。(CV:みわ梢子)
魔術科所属。悪意のない口調できつい事を言う。養成校始まって以来の才媛。

エルザ=フォルケンバウアー。(CV:岩田由貴)
弓術科所属。国内随一と言われる弓の名手。無口で物静か。ただし、弓のことに
なると饒舌になる。

アイラ=クレモンティーヌ。(CV:西野みく)
王室警護隊隊員。いつも主人公を遠くから見つめている。任務に忠実で、命令と
あれば王子でも平然と呼び捨てる(笑)
# 「さっさと来い、レミリス」「遅いぞ、レミリス」(笑)

ユイラ=クレモンティーヌ。(CV:西野みく)
アイラの双子の妹(?)。王室警護隊隊員。人をからかうのが好き。

絵の方は繊細で綺麗な絵柄。ただ、アリーシャとエルザは別の原画家さんが
担当しているようで、ちょっと絵柄が違い、粗く感じます。
CGはそれなりに丁寧だと思いますが、キャラクターによって、シーンによって
ややばらつきがあるように感じます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化のパターンは少ない
ですが、表情変化は豊かで、会話に合わせて変化するため、感情移入はし易い
と思います。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的にやや落ち着いた雰囲気のキャラが
多いですが、みんな弾けるとなかなか激しいです。
ミランダが強烈に可愛らしいんですがっ。

音声はキャラクターとのマッチングはそこそこ、演技の方は特に問題なし。

音楽は落ち着いた雰囲気の綺麗な曲が多め。澄んだ音色で聴き心地のいい
曲が多いです。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x00です。
動作はやや重め。エフェクトが入るとかなり待たされます。
エフェクトをOFFにすると、それなりにサクサク進められますが、履修確認画面も
スキップされてしまうため、どれだけパラメータが上がったか判らないという……。
スキップ動作は比較的軽快です。
あと、メッセージ文字が縁取りになっているためちょっと読みにくいです。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。
数としては、選択肢はそこそこあるものの、あまりセーブ/ロードは必要ないと
思いますので、これだけあれば充分かと思います。

システムは育成SLG+AVG。
育成SLGは、5つの科目のうちどれを履修するかを選択すると、対応した能力が
上がるというものですが、上がったからといって何があるわけでもありません。
ただ、どれか能力がMAXになると、対応したヒロインの個別ルートに入るという
だけです。パラメータの上昇は前述の履修確認画面で見ることが出来ます。
まあ、MAXになれば自動的に個別ルートに入るため、特に気にする必要はない
かと思いますけど。

ゲーム開始時に「最初から」を選んだ場合、ディスクチェックが入るため、
ディスクレス起動不可。「続きから」の場合はディスクレス起動可のようです。
……と思ったら、最後の方で要求されました。ディスクレス起動不可と思って
おいた方がよさそうです。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「レミリス=バーンクライブ」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がだらけた学園生活を行っているところから始まります。
第二王子のため王位継承はないとたかをくくり、無気力でだらけた毎日を
送っていた主人公が、兄が行方不明になったため王位継承権を得、必要な
条件を満たすために頑張る……という話。

前半は学園を主席で卒業するため、ヒロインの協力を得て頑張っていく中で、
ヒロインとの距離を近づけていくという展開。
ややほのぼのとしたコミカルな雰囲気を漂わせつつ、淡々と進みます。

後半は、主人公やヒロインに災厄が降りかかったり障害が立ちはだかったり
するのを乗り越えていくという展開。
ややシリアスで、一部ちょっとイタい展開や嫌な雰囲気の展開もありつつ、
最後は綺麗にすっきり終わる感じです。

プレイしていてまず感じたのは、ストーリーの強引さ、展開の早さ。
まず、主人公は王位を継承するために学園を首席で卒業する必要があるの
ですが、元々剣術科の主人公が、いきなり他の科に乗り換えて主席を取る
なんて、強引も甚だしい気がします。
というか、ジェシカって幼なじみなのに、主人公の正体知らないというのは
なかなかステキですね(^^;
さらに、ヒロインの態度が突然変わったり、いつの間にか状況が変わって
いたり、やや不整合も見受けられます。

さらに、途中、主人公がヘタレたり、ヒロインが襲われたり(未遂)と、
ちょっと嫌な感じのイベントがあったりもして、あまり安心してプレイ
出来ない感もあります。

そして、シナリオによってキャラクターの設定が違っていて、どうにも
違和感が拭えませんでした。

H度は並。各ヒロインとも複数回(基本的に2回)用意されています。尺の方は
それなり、描写はややあっさりめです。
基本的に純愛系のらぶらぶHですが、一部ちょっと切ない雰囲気が漂ったり
いたずっぽいシーンがあったりもします。
なお、ほとんどのキャラは初めてですが、一部初めてでないキャラもいます。
それがまたなかなかイタい設定で辛かったりするのですが。

テキストは若干誤字は見受けられますが、それほど気にはならないかと。
それ以外は、テンポも良く読みやすいテキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過などは表示されません。

ワンプレイは3〜4時間。オンリープレイに徹すれば、結構あっさり終わります。
ただ、最初のプロローグ部分は共通ですが、それ以降はほぼ独立したシナリオに
なっているため、スキップはほとんど効きません。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラと同じ科目を選んでいればOKです。
選択肢もそこそこ出てきますが、ほとんどがどれを選んでも同じか、もしくは
バッドエンド直行という感じです。
なお、一部クリア順に制御がかかっているキャラがいるようですので注意。
総評
お奨め度ですが、ファンタジー恋愛物が好きな人にお奨め。
キャラクターはみんな魅力的で、特に後半はみんなめちゃめちゃ可愛らしく、
絵も綺麗なのでキャラクター中心で考えればなかなか楽しめるかと。

ただ、シナリオは強引でご都合主義な展開が目立ったり、整合性が怪しかったり、
やや気になるところもあります。
さらに、オープニングはなく、絵が真っ黒なまま進むシーンが結構あったり、
絵とテキストがあっていなかったり、HシーンなどのCG枚数も少なめだったり、
どうにも物足りない、ともすればやや手抜きにも思える印象のある作品でした。

なによりびっくりしたのが、エンディングがなく、お話が終わったら、いきなり
タイトルメニューに戻るというのはびっくり。これって私の環境だけですよね。
ホントはあるんですよね。……そう信じたい。

そして、原画は龍牙翔さんの名前しか挙がっていないのですが、実際には
アリーシャとエルザは別の人が担当しているようでがっくり。
しかも、メーカのサイトを見ると、この2キャラはキャラクター紹介すらも
ないんですよね。これって、あとから急遽付け足したんでしょうか。
どうにもちぐはぐな印象が強いです。
シナリオ自体も、キャラによってかなりばらつきがあり、特に選択肢の入り
かたは、かなり偏りがあります。

全体的に見て、キャラクターは魅力的で、ミランダやガーベラはめちゃめちゃ
可愛らしいんですけど、シナリオはやや強引で、そんなに悪くはないんですけど
どうにも手抜きに思える部分も多い、勿体ない作品という気がします。

そして何より、SLGパートが全く無意味で、これのどこがSLGなのさ、という
感じで、SLGに期待していると肩すかしもいいところです。
全然いらないじゃん、これ。

キャラが増えてるっぽいところなんかも考えると、当初の予定から大きく
ゲームの内容が変わっちゃったんじゃないかなーと思えて、どうにも不完全
燃焼な感じですね……。

最後に。「こいつが王子だって?」「……これ笑うところ?」……主人公、
ひどい言われようです(^^;


以下、ややネタバレの突っ込み。

てか、エルザ、お前主人公の正体知ってるんじゃないのか(^^;
「……これ笑うところ?」は酷いんじゃないかな(^^;

しかし、シナリオによってクロイツフェルドの正体がコロコロ変わっている
のはどうにも……。というか、全員クロイツフェルドにする必要ってあったの
でしょうか……。別の人でもよかったのでわ。



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