天空のシンフォニア2
ブランド名 カクテルソフト ジャンル 魔女っコ育成SLG
発売日 2006.07.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x233x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 InstallDisc : 505.9MB、CD-DAなし
GameDisc : 293.2MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
初回特典ドラマCD「魔女っコ達は●●が好き」の巻 : CD-DA=169.0MB、CD-DA7トラック
原画 満月○ シナリオ ひろもりさかな、巳無月、南條しかし
音楽 40曲、ドアーズ・ミュージック・
エンターテイメント、YURIA、
MOSAIC.WAV、小池雅也
あり(2曲、OP・ED)、Honey Bee(YURIA)、
み〜こ
音声 一部あり、小鳥えび、白石れい、さわぐちひかる、美月さくら、珠田ひかる、魚田明、
ひなの、冬乃ゆず、ひじりしろー、みる、桜川未央、歌織、金田まひる、MOMO
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 169枚
おまけ ギャラリー、イベント回想、ミュージック
対象属性 魔女っ娘、ファンタジー、金髪、ストレートロング、ストッキング、お姫様、スパッツ、
関西弁、巨乳、紫髪、ボブカット、ピンク髪、リボン、ボクっ娘、お兄ちゃん、
くノ一、スクール水着、オーバーニーソックス
1プレイ時間 18〜22時間 お奨め度 6

レビュー
概要
世界を破滅に導く魔神・ディアボロスを、自らの身を犠牲にして封印した妹を
助ける方法を探すため、主人公は旅に出た。そこで、別の封印を施すことで
妹を助けられるかも知れないと聞き、その方法を知っている者と逢うために
ウィンディールにやってきた。しかしその人はディアボロスの封印を管理する
ため結界内におり、4年に1度、結界を強化する儀式の時にしか姿を現さない
という。偶然にもその日が1ヶ月半後だと知った主人公は、ウィンディール魔法
学園で、結界を強化するための魔女候補達の訓練をしつつ封印の勉強をする
ことになる。果たして主人公は、無事に妹を救い出すことが出来るのか……
という、魔女っコ育成SLG。

この作品は、2004年11月26日に発売された「天空のシンフォニア」(以下、前作)
の続編にあたる作品で、ストーリーも完全に続き物となっています。
前作をプレイしていることが望ましいですが、プロローグで前作のあらすじ
紹介がありますので、プレイしていなくても話にはついていけるでしょう。
ただ、やっぱり世界観とかはちょっと解りづらいかもですが。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

アリス・リンデルフォン。(CV:小鳥えび)
ウィンディール魔法学園の代表で魔女候補。ウィンディールのお姫様。
英雄フェチでサーガマニア。天空の勇者である主人公に憧れる。

ションマオ・ロンロン。(CV:白石れい)
ウィンディール魔法学園の代表で魔女候補。真面目で優秀な優等生。
男性が苦手で、触られると攻撃してしまう。そして気絶する(^^;
ミリオンとは犬猿の仲。
# 血の15日事件(笑)

うるし・すいおうじ。(CV:さわぐちひかる)
主人公に、ご飯のお代を感謝の気持ちで払おうとしたところ(つまり、
食い逃げしようとしたところ)を助けられた忍者。
それ以降、主人公をお館様と呼び、つきまとうようになる。
魔法の才能があり、魔女候補として訓練を受けることになる。
# 正式には「水皇寺漆」、と書くようです。

シルフィーネ。(CV:ひなの)
ウィンディール魔法学園の学園長を務める風の精霊王。機神と呼ばれる
機械の体に精神を封印することによって地上にとどまっている。
話し好きで話自体も非常に長く、一日の授業が朝礼の挨拶だけという
こともあったらしいお茶目さん。身体は機械だが心は乙女(笑)

ミリア・フロイハイム。(CV:冬乃ゆず)
主人公がミルファ用の予備の身体に魂を移したときの姿。
最初は自分は男だと言い聞かせるが、徐々に女性の身体に馴染んでいく(笑)

ミリオン・コッペリア。(CV:珠田ひかる)
ウィンディールの隣国・グラビオンの魔女候補代表。
魔力は強力だが、自分勝手で協調性がない。意地悪で、人をバカにした
ような態度を取る。
妹がにこやかな顔で駆け寄ってきたら、とりあえず泣かせたくなる(笑)

マリオン・コッペリア。(CV:美月さくら)
ミリオンの妹。魔法は全然使えない魔女候補代表。姉とは正反対で、
無邪気で純粋無垢で屈託のない素直ないい娘。トカゲが嫌い。

絵の方は独特の個性的な絵柄ですが、ほんわかとした雰囲気でとても
可愛らしい絵柄ですね。表情も活き活きとしていて魅力的です。
CGは淡い色遣いで丁寧に処理されていていいですね。やや背景にとけ
込んでしまっているというか、輪郭がぼやけてしまっているように感じ
られることもありましたが、まあさほど気にはならないかと。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化ともにあり。ポーズ変化のパターンは
それほど多くないですが、アクションが大きく、活き活きとしているため、
見ていてとても楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。独特な口調のキャラが多いです。
アル・ウード萌え。←剣です(^^;
# さりげなくシルフィーネ学園長がいい味出してます(笑)

音声は、戦闘時や必殺技のかけ声、訓練のチップアニメ表示時など、
ごく一部のみに使用されており、ストーリー中で音声が流れることは
ありません。魅力的なキャラクター達が独特の口調で繰り広げる会話は
是非音声付きで聞いてみたいところですね。残念です。
ただ、ほとんど音声は流れないんですけど……なんというか、微妙(^^;
必殺技のかけ声に迫力がなかったり、なんかいっぱいいっぱいな感じが
したり、そもそもキャラと合ってないように感じたり……。
ミリアの声はなんかは特に微妙な気がします……。
前作のキャラは、みんななかなかいい感じなんですけどねぇ。

音楽は壮大で荘厳な雰囲気の曲が多め。奥行きと広がりのある曲が多く、
とても迫力があります。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。
歌はアップテンポで可愛らしい雰囲気の曲。スピード感があってなかなか
いいですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。こちらは明るく楽しく可愛らしい歌で、聴いていて
楽しい気持ちになりますね。途中でナレーションが入ったり、とても面白い
歌でした。……まあ、エンディングの雰囲気に合うかと言われると、やや
微妙ではありますが(^^;
# てゆーか、何だこのあたま悪い歌は(笑)
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しています。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。
直前の選択肢に戻る機能もあります。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、メッセージの一部とシーン画像、クリア回数が
保存されます。
数としては、分岐が比較的わかりやすく、そもそも何度も繰り返しプレイする
ことが前提の作品ですので、それほどセーブ/ロードを多用することはないかと。
クイックセーブで事足りることがほとんどだと思います。

システムは、メニュー選択型の育成SLG。
各キャラクターは「HP」「MP」「AP」「魔力」「精神力」「詠唱」「ストレス」という
パラメータを持っており、「体力向上」「魔法学講義」「瞑想」「魔法の練習」
「休養」の5つのメニューをこなすことによって、それぞれ対応したパラメータが
上昇します。
また、「AP」を使用することにより、魔法を覚えることが出来、魔法はツリー
構造になっていて、1つ魔法を覚えると次の魔法が覚えられるようになっていき、
系統立てて覚えていく形になります。
覚えられる魔法は「魔力」と「精神力」、そして現在覚えている魔法の種類に
よって決まります。各キャラクターは得意な属性を持っていて、その属性の
魔法は覚えやすく、効果も高いようです。
メニューは1日ごとに決定し、夜には誰か1人に特訓をすることが出来ます。
また、途中から精霊糸とアイテムを合成することによって「おぱんつ」を作成
出来るようになり、合成するアイテムによってその効果は変わってきます。
それを装着することによって、様々な効果を持たせることが可能です。

戦闘は、3x3のマスにキャラクターを配置し、順番が回ってきたら行動をすると
いう、個別ターン制になっています。3x3のマスは、前に行くほど攻撃力は高く
防御力は低くなりますので、攻撃するときは前の方に、敵からの攻撃を受ける
時は後ろの方にいれば効果的です。

また、1周クリアすると、アイテムなどは次の周回に持ち越すことが出来る
ようになっていますし、合成したアイテムや覚えた魔法はアイテム作成・魔法
習得画面に表示されるようになりますので、どんどんプレイしやすくなって
いく感じです。

このゲームにはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、毎回起動時に
ディスクチェックが入るため、ディスクレス起動不可。
バックグラウンドでの動作も不可です。
主人公の名前は「ウィル・フロイハイム」固定です。途中から女性の体になる
ことがあり、その時は「ミリア・フロイハイム」を名乗ります。
シナリオ・プレイ感
ゲームを開始すると、まず前作で誰を恋人にしたことにするかを選びます。
それによって、プロローグやゲーム中のイベントが変わってきます。
恋人はいないことにも出来ます。

ゲームは章立てて進んでいきます。最初は魔法なんてほとんど使えなかった
魔女候補達が、徐々に魔法を覚えていき、仲間との絆を深めていくところが
丁寧に描かれていて、会話も楽しく、どのキャラクターも活き活きとしていて
いいですね。
1つ1つ試練を乗り越えていき、その中でいろんなものを得ていく様がよく
描かれていて、とても自然で入り込みやすい展開だと思います。

後半は、ややシリアスな雰囲気になりますが、それほど重苦しいわけでは
なく、メリハリの効いた展開になっています。

ラストは息もつかせぬ怒濤の展開。これでもかとたたみかけるような展開が
続き、非常に見応えがあります。……まあ、それが2時間も3時間も続くと
さすがに疲れますけど(^^;
そして最後はすっきり綺麗にまとめてくれて、クリア後はとても爽快です。
ただ、最初に恋人を選んでいた場合は、その後の展開次第ではちょっと
寂しく感じるかもですけど。

特筆すべきはゲーム性の高さ、幅の広さ。魔女候補達をどういう風に育てて
いくかはかなり自由度が高く、どんな魔法を覚えさせるかも基本的に自由で、
また「おぱんつ」を装着させることによって様々な特性を持たせたりと、
いろんな楽しみ方が出来る、何度もプレイできる作品になっています。
システム自体も、周回プレイを前提とした遊びやすいシステムになっていて、
手軽にサクサクと何度もプレイできるかと思います。

あと、面白いのは主人公が女性の体になり、魔女候補として一緒に訓練を
したり、試練に挑んだりすること。
これによって、ただ訓練するだけでなく、自分自身も試練に参加でき、より
感情移入しやすくなっているような気がします。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されており、尺の方はやや短め。
描写の方はそこそこ濃いめです。
ただ、主人公は基本的に前作で恋人持ちなため、今作のヒロインとはあまり
結ばれることはありません。Hシーンは主に、ミリアとヒロイン達が絡む、
いたずらH的なものや、訓練でのハプニングになります。

テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポも良くコミカルで読みやすい
テキストだと思います。
# 「世界制服」はネタなのかマジなのか判断に困ります(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進んでいきます。試練1つで1章という感じですね。
ゲーム期間は1ヶ月半。1日ずつプレイしていくタイプです。ただし、現在が
何日目とかは表示されず、あまり気にする必要もありません。

ワンプレイは18〜22時間。結構長いです。ただ、共通部が多いため、2周目
以降はスキップを使えばかなり短縮できるでしょう。

難易度は並。訓練は「体力向上」「魔法学講義」「瞑想」「魔法の練習」の4つを
毎日と、あとは弱点を克服したり長所を伸ばすように組んでいくだけで問題
なくクリアできるようになりますし、魔法も系統立てて覚えていくことが出来る
ため、どうしようもなくなることはあまりないかと。
「おぱんつ」を上手く使えば、かなり楽にクリアできると思います。
特に「こうげきのおぱんつ」を装着すれば、攻撃力と防御力がかなり上がる
ため、よほどのことがない限り負けないかと。
基本的には力押しで何とかなります。もう少し攻略性があってもいいかな?
とは思いましたが。
というか、こうげきのおばんつを装着したアリスのスキル→イフリートx2で
ほとんどの敵は壊滅的打撃を受けるんですけど(^^;
さらに、ミリアとアリスの合体攻撃を重ねればほぼ無敵な気がします……。
ただし、訓練時のイベントを全部集めようと思ったら、タイミング等の問題も
あるので結構大変ですし、最初に選ぶ恋人と、その後のルートはかなりの
数がありますから、全てのイベントを見るのはかなり大変だと思います。
まあ、繰り返しプレイはしやすいですから、何度も繰り返すしかないですね。
総評
お奨め度ですが、前作が好きな人にお奨め。システム的には前作を踏襲
しつつよりパワーアップしてプレイしやすく、ゲーム性も高くなっていますし、
前作のキャラクターも各所に出てきたり、誰と恋人になったかによって
イベントが変わったりと、前作とリンクしたストーリーを楽しむことが出来る
ようになっています。

他には、ファンタジックな雰囲気の魔女っ子ものが好きな人にもお奨め。
独特の世界観を持ち、とても雰囲気のある作品で、キャラクターの描写が
丁寧で感情移入もしやすく、主人公が男性になったり女性になったりする
ことで、いろんな視点から楽しむことが出来るようになっています。

ゲーム性も高く、世界設定や伏線などもしっかり処理してあって、展開も
メリハリがあって無理なく入りやすいですし、キャラクターは魅力的で、
システムも繰り返しプレイを見越した遊びやすいシステムになっています。

ただ、最大のネックは前作の存在ですね。前作をプレイしていなくても
遊べるとは思いますが、やっぱり世界観は掴みづらいですし、わからない
設定や話も出てくると思いますので、ちょっと置いてけぼりをくらったように
感じてしまうかも知れません。
そして、前作でヒロインと結ばれていることがほぼ前提のため、今作では
新たなヒロインと結ばれるのはちょっと気が引けたり、罪悪感があります。
特に、前作をプレイして、ヒロインに感情移入していると辛い気がします。
そういう意味では、恋愛要素はちょっと弱いというか、感情移入しづらい
面がありますね。前作で結ばれたキャラをほったらかしたりしますし。
そういう意味では、前作のヒロインが好きな人にはちょっと辛いかも。

でも、それらの点を差し引いても、ゲームとしてはとても良くできている
と思いますので、前作をプレイしている人になら、音声がないと嫌だと
いう人以外にはほぼお奨めできるかと。
ただ、上記の通り、前作のヒロインがすっごく好きな人には微妙ですが。

お奨め度は 6 としていますけど、前作をプレイしているのであれば、
+1 か +2してしまってもいいぐらいだと思います。
前作よりパワーアップし、ボリュームもアップして、遊びやすく、面白く
なっていると思いますので、是非どうぞ。

また、前作をプレイしていない人は、前作と今作をパックにしたものが発売
されているようですので、そちらをどうぞ。そのパックなら、お奨め度は 7 を
付けてもいいと思います。

最後に。「朝の寮に響き渡る、爽やかな断末魔をお届け致します」(笑)
# ユニコーン、ステキです。というか、精霊器がみんないい味出してます(^^)
##てゆーか、ユニコーンって男なのかよ!(^^;


ミリオンの意地悪っぷりは、さすがにちょっと鼻につきました。
まあ、それなりの設定はありますし、後半はしおらしくなったりもするの
ですが、前半であれだけやられると、ね(^^;
他のキャラが基本的にみんないい子なだけに気になりました。

あと、ミリア、かたくなに正体隠しすぎ(^^;
せめて、前作のヒロインにぐらいは、すぐに正体バラしていいと思うん
ですけど……。
# てゆーか、最後までバラしてねぇ!?(笑)

しかし、前作のヒロイン達と、今作のヒロイン達のバトルはさいこー。
……てか、天空の魔女弱ぇ(^^;
# 「ケンカね、ケンカなのね? もちろん受けて立つわよ!?」
##「手加減はしません。むしろ、泣かします」(笑)

ミルフィ、テンション高すぎ、愉快すぎ。せっかくの感動のシーンが全部
台無しです(笑)

そして最後にこの言葉を贈ります。
「まさかずっとハーレム状態じゃないだろうな?」(笑)



天空のシンフォニアのレビューを読む  ロビーに戻る  レビュートップに戻る