はっぴぃ★マーガレット!
ブランド名 CROSSNET Favorite ジャンル 夢みるお嬢さま学園ADV
発売日 2007.10.26 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(188x265x42mm) マニュアル B5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 3.69GB(DVD-ROM)
はっぴぃ★マキシ! SUPER MAXI CD : CD-DA=333.7MB、CD-DA7トラック
原画 ここのか シナリオ 伽遠蒔絵、なかひろ、漆原雪人、
蓮天、舞浜ののか、早川清子
音楽 32曲、大田雄一(team RETRONIA)、
忍、Gakkie
あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、
榊原ゆい、Lady-B、神村ひな
音声 あり、神村ひな、矢沢泉、佐本二厘、榊原ゆい成瀬未亜伊藤瞳子、立花舞、
松濤エルサ、氷河流、綾小路キミコ、谷俊介、翠、東かりん、ageha、Koro、バウバウ
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 400箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ20箇所
CG枚数 94枚
おまけ CG MODE、MEMORY MODE、SOUND MODE、MOVIE MODE、BUSTSHOT MODE
対象属性 お嬢様、学園物、純愛、ドタバタ、ラブコメ、幼馴染み、しましま、裸エプロン、メイドさん、
黒髪、ストレートロング、ヘアバンド、金髪、ロリ、オーバーニーソックス、ショートカット、
ボクっ娘、サイドポニーテール、ツインテール、関西弁
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 6

レビュー
概要
平凡な学生生活を送っていた主人公と、幼馴染みの稲穂。しかしある日、突然
現れたメイドさんに拉致され、超お嬢様校「栄駿院」に連れてこられる。
そして、主人公と稲穂は、栄駿院に通うことになる。しかも、稲穂は学園の
創始者の家系で、学園の理事になってしまう。果たして主人公と稲穂の運命は
……という、夢みるお嬢さま学園ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

田中稲穂(たなかいなほ)。(CV:神村ひな)
主人公の幼馴染みで、一緒に暮らしている、家族のような他人。
栄駿院に連れてこられ、天ヶ原稲穂に改名する。おっとりぼけぼけマイペースの
天然娘。英語が苦手。料理が得意。包丁を握っていないと手が震える(笑)

さくら。(CV:立花舞)
主人公と稲穂の身の回りの世話をしてくれるメイドさん。万能お世話係(笑)
明るくノリのいいお姉さん。ただし、かなりマニアックで、しかも古い。
本名は……とりあえず秘密。咲良真央(さくらまお)。

北乃路希(きたのじのぞみ)。(CV:成瀬未亜)
主人公達の先輩で、生徒会長。しっかりとしていて、なんでもそつなくこなす
優等生。面倒見もいい、優しいお姉さん。

南長谷花梨・オルタンシア(みなはせかりんおるたんしあ)。(CV:榊原ゆい)
主人公達のクラスメイト。やや無口で感情の起伏も乏しいが、愛嬌はあり、
人懐っこいためマスコット的存在。とても頭が良く、コンピュータが得意。
ジャンクフードが大好きで、いつも駄菓子を持ち歩いている。通称・カリン姫。

石蕗晶(つわぶきあきら)。(CV:伊藤瞳子)
主人公達の先輩で、生徒会副会長。さっぱりした性格で、はっきり物を言う。
行動力があり、面倒見もいいため、頼れる存在。

西宮静流(にしのみやしずる)。(CV:佐本二厘)
主人公達のクラスメイトで、学級委員。やや引っ込み思案で落ち着きがなく、
すぐパニックになる。いつも彩月と一緒にいて、彩月の言うことには従う。

凛東彩月(りんどうさき)。(CV:矢沢泉)
主人公達のクラスメイト。気が強く、自己主張が激しい。クラスのリーダー的
存在で、クラス内最大派閥のトップ。確たるセレブの哲学を持っている。

響(ひびき)。(CV:東かりん)
学園に影響力のある人物の娘で、希や晶の知り合い。男性に対しては冷たい
態度を取る。非友好的関西人(笑)

絵の方はほんわかとした柔らかいタッチの可愛らしい絵柄。表情がとても
豊かで可愛らしく、仕草も愛嬌があって、見ていてほのぼのします。
また、描き分けもしっかりされていて、キャラの個性が良く出ていると
思います。ただ、たまにちょっとバランスが崩れたり、画面を縦に縮小したん
じゃないかと思えるぐらい頭身が縮んだりと、若干バラツキは見られました。
CGはやや淡めの色遣いで、これも柔らかい雰囲気を醸し出してくれます。
ただ、瞳の塗り方が独特で、黒目がほとんど目立たないため、ちょっと慣れる
まで違和感がありました。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
アクションも大きく、見ていてとても楽しいです。表情や仕草がとても愛嬌が
あって可愛らしく、見ていて和めました。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的にみんなお嬢様なんですが、
みんな方向性が全然違っていて、とてもバラエティに富んでいます。
まあ、中にはとてもお嬢様と思えない人もいるわけですが。
カリン姫がいい味出し過ぎです。静流もなかなからぶりーです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も文句なし。
静流のわたわたしたところや、晶のいたずらっぽいところなんかはとても
よく出ていて、感情移入しやすかったです。

音楽は落ち着いた雰囲気のやや格調高い曲が多め。学園の荘厳な雰囲気が
よく出ていますね。ただ、基本的に明るい雰囲気の局が多めで、中には
コミカルなものもありますので、雰囲気としては重くはなく楽しい感じです。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は爽やかで伸びやかな心地のいい曲。済んだ歌声も聴き心地がいいのですが、
やや鼻にかかったような歌い方が若干気になりました。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。演出はなかなか凝っていて、
見応えはありました。

そして、後半の個別ルートに入る前に、中オープニングが流れます。
歌はゆったりとした穏やかな感じの歌で、落ち着いた雰囲気でいいですね。
この歌、扱いは挿入歌になっているようですね。
絵の方は今までのシーンを回想するような、イメージムービー的な感じになって
います。

エンディングも歌あり。こちらはアップテンポで爽やかな、色気のある魅力的な
歌声が、なかなか聴き心地いいですね。聴いていて気持ちが晴れ晴れとする
ような、希望を抱かせるようないい歌だと思います。心にしみるような感じです。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はやや遅め。

セーブ箇所は400箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ20箇所。さらに、
前回の続きからプレイすることも可能。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と章タイトル、メッセージが
表示されます。
数としては、これだけあって足りないなんてことはないでしょう。
数も豊富ですし、オートセーブや前回の続きから開始などもあって、至れり
尽くせりです。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も設定変更で可能です。
主人公の名前は「月城千秋(つきしろちあき)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公と稲穂が栄駿院に拉致されるところから始まります。
突然のことに戸惑いつつ、学園生活を送っていくという話。

前半は突然お嬢様学校に放り込まれて戸惑いながらも学園生活を送っていく
ドタバタでコミカルな展開。お嬢様達の言動に驚きつつ、徐々にその生活に
馴染んでいく、という感じです。

後半はヒロイン達の抱える問題を解決していくという、やや重い展開。
とは言っても、それほどドロドロすることはなく、比較的簡単に解決したり、
解決の方法が強引かつ痛快だったりと、プレイはし易いと思います。
……まあ、それはそれでぽかーんとしたりはするんですけど。

ラストはやや力業ながら綺麗にすっきりまとめてくれるので、プレイ後の
気分は爽快、かつほのぼのです。

特筆すべきは魅力的なキャラクター達。ヒロインはほとんどみんなお嬢様な
わけですが、同じお嬢様でもそれぞれ個性があり、また家や背景なんかも
違いますから、ストーリーの方向性もかなり変わってきます。
……まあ、みんなほとんど家に関わることなのは仕方ないですけど。
そんな個性的なヒロイン達ですから、会話はとても楽しくはちゃめちゃで、
なかなか面白いです。さらに、個別ルートに入っても、他のヒロイン達が
しっかりストーリーに絡んでくるため、自然で広がりのあるストーリーになって
いると思います。

逆に気になったのはテキストとその他の部分の食い違い。
「クラスの面々は二十名ほど」と言われている割には、画面では二十人以上
いるように見えるのはご愛敬(^^;
「では、少々早いですが今日はここまでと云うことで」と言っている裏では、
しっかりチャイムの音が鳴ってたりとか。全然早くねぇ(笑)

それと、どうでもいいようなところを延々と描いたり、かと思えば気になる
部分をさらっと流したり、ちょっと情報の出し方は気になりました。
なんか、夏休みがばっさり飛ばされてたりするんですけど。
襲撃事件はみょーにあっさり終わったり、漫画事件もなんだかうやむやの
うちに終わりましたし。てか、みんな肝っ玉座りすぎだ……。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2〜4回)用意されています。1人だけ1回しか
ないキャラもいますが。尺の方はそこそこ長め。描写は比較的濃いめです。
内容は純愛系のもので、会話がやや多め、そこにいたるプロセスもしっかり
描いた、純愛系Hシーンのお手本のような感じですね。
おかげで、それほど変わったシーンもなく、似たようなシーンばかりという
印象は否めませんが。それでも、ヒロインの魅力が良く出ていると思います。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。ただ、前述の通り、情報の出し方は微妙に感じましたが。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は……半年ぐらい? 序盤は1日ずつ進みますが、後半になるに従い
どんどん飛ぶようになります。日付の経過は気にする必要はないでしょう。
ストーリーは章立てて進むのですが、個別ルートに入ると章の中に節が出来て、
もはや章立てが意味をなしてません。

ワンプレイは10〜12時間。結構長いです。ただ、全体の6〜7割は共通部なので、
2周目以降はスキップを使えば結構短縮できます。というか、個別ルートに分岐
する前にセーブしておけば、ある程度まとめて攻略できます。
ただ、個別ルートに入ってからもそこそこ長いですし、何よりヒロインが多いため、
コンプリートするにはかなり時間はかかります。

難易度はやや低め。選択肢は少なく、効果も比較的判りやすいため、それ程
苦労することはないでしょう。
個別ルートの分岐直前までは複数キャラ同時攻略が可能で、選択肢によって
誰のシナリオに入るかが決まる形になっています。
ただ、キャラによってフラグの優先度があるのか、特定のキャラのフラグが
立つと、別のキャラの選択肢が出てこなくなったりしますので、ちょっと注意は
必要です。
総評
お奨め度ですが、色んなお嬢様達と学園生活を楽しみたい人にお奨め。
一口にお嬢様といっても色んなキャラがいて、それぞれ違った雰囲気の
ストーリーを楽しむことが出来てなかなかいいですね。
まあ、雰囲気は違っても、やってることは似たようなものだったりしますが。

お嬢様学校が舞台ということで、独特の雰囲気や風習、考え方が出てきて
やや戸惑うこともありましたが、きっと主人公も同じ気持ちでしょうし、
ある意味感情移入はし易いのかも知れません。

ただ、ワンプレイは長めですが、イベントの数はそんなに多くなく、1つ1つの
イベントが長いという感じなので、やや中だるみがあるかも知れません。
というか、プロローグの、学校に出かけるシーンで30分近く引っ張られるとは
思いませんでした。
逆に、個別ルートに入ってからは、あちこち端折られてテンポは良くなって
いますが、今度はやや消化不良というジレンマ。なかなかバランスは難しい
ですね。

そして、絵の方も、ややバラツキがあり、塗りがちょっと独特なのもあって、
若干人を選ぶかも知れません。いや、私はすんごい好きなんですけど。
ただ、パッケージの絵を見てその可愛らしさに惚れ込んで衝動的に買ったの
ですが、本編の絵はパッケージほどの破壊力は無かったような……。
なので、あんまり期待はしすぎない方がいいかも知れません。
でもまあ、キャラクターの魅力はそれを補って余りあると思いますので、
そんなに気にする必要はないかもですけど。
# あと、稲穂は髪型を変えない方が良かったと思うんだ……(^^;

良くも悪くもキャラクター主導の作品で、キャラクターを気に入るかどうかが
鍵になる作品ですから、キャラクターが好みならどうぞ、という感じで。

最後に。カーペンターって、結局何のために出したんですかね(^^;
いや、確かに意味はありましたけど、でも意味がないような……(笑)
# そもそも、あれを普通に受け止める主人公と稲穂は懐深すぎです(^^;


以下、若干ネタバレかも知れないつぶやき。

理事長の正体、バレバレすぎです(^^;
というか、理事長が控えているのがわかっていたので、安心してプレイできる
というのはありましたけど。
……でも、さくらさんと理事長が一緒にいた意味って何なんでしょうか。
稲穂シナリオの展開は、激しく矛盾しているような気がするんですが……。
てか、あの状況から、何事もなかったように帰ってくるさくらさんは、
どんな神経をしているのか気になります(^^;
# まあ、さくらさんですからねぇ(笑)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る