にーづまかぷりっちょ!
ブランド名 りぷる ジャンル 「にーづま」ドタバタADV
発売日 2007.06.29 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x230x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.66GB(DVD-ROM)
原画 あかつきまお シナリオ 火社京介
音楽 20曲、虹音 あり(2曲、OP・ED)、真優佐藤ひろ美
音声 女性のみフルヴォイス、金松由花、高槻つばさ、茶谷やすら、神村ひな、文月かな、
春日アン、佐本二厘
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 54箇所 CG枚数 112枚
おまけ Memories、Sounds
対象属性 ドタバタ、コメディ、学園物、純愛、幼なじみ、眼鏡っ娘、委員長、白衣、金髪、幼馴染み、
ピンク髪、リボン、悪魔、赤髪、ツインテール、尻尾、オーバーニーソックス、天使、羽根、
黒髪、ストレートロング、和服、着物、緑髪、ショートカット
1プレイ時間 12〜15時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公はネガティブな性格を持った学生で、人と話すのが苦手で、友達も
ほとんどおらず、淡々と学生生活を送っていた。そんなある日、見知らぬ
女の子が家にやってきて、あろう事か主人公の妻だと言い出す。しかも
それが4人も来たからさあ大変。ドタバタの新婚生活が始まる……という、
「にーづま」ドタバタADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

古瀬愛(ふるせあい)。(CV:春日アン)
主人公のクラスメイトで幼なじみの委員長。非常に頭が良く、研究奨学生として
学園で研究活動を行っている。主人公とは昔は仲が良かったが、とあることから
仲違いし、今では他人行儀に接している。

九重夏海(ここのえなつみ)。(CV:金松由花)
主人公の元にやってきた自称新妻。明るく元気いっぱいで、いつも一生懸命。
ちょっと妄想癖があるが、主人公のため、みんなのために尽くすいい娘。
ただし、家事は壊滅的。

涼城暖花(すずしろほのか)。(CV:茶谷やすら)
主人公の元にやってきた自称新妻。我が儘放題で傍若無人な女の子。悪戯好き。
元気いっぱいでちっちゃくて可愛くてがさつで乱暴者でおつむが弱い(笑)
# 「ほ、褒めすぎじゃ!」……最後の方は全然褒めてない(^^;
##脳みそが他の人の20%しか入っていない(笑)

涼城雪菜(すずしろゆきな)。(CV:神村ひな)
主人公の元にやってきた自称新妻。暖花の双子の姉。一見おとなしそうで丁寧で
控えめに見えるが、実はかなり腹黒い。暖花をけしかけて楽しんでいる。

天川凛々(あまかわりり)。(CV:高槻つばさ)
主人公の元にやってきた自称新妻。無口で無表情で無愛想な女の子。
家事は一通りこなせるため、野々宮家の家事を一手に引き受ける。

密見・アーネスト・永遠子(みつみ・A・とわこ)。(CV:文月かな)
主人公の隣の家に住む幼馴染みのお姉さん。面白いことが大好きでノリがいい。
ネガティブで人付き合いが苦手な主人公のことを心配している……らしい。

片桐なな(かたぎりなな)。(CV:佐本二厘)
主人公のクラスメイトで、数少ない主人公とまともに喋ってくれる相手。
ほんわかした雰囲気でみんなから可愛がられている。

小春(こはる)。(CV:佐本二厘)
夏海の姉。おっとりした雰囲気の落ち着いた大人の女性で、町の町長。

絵の方は柔らかいタッチの可愛らしい絵柄。全体的にやや幼い雰囲気のロリ
寄りの絵柄で、ちょっと人を選ぶかも知れませんが。
CGは明るめの発色で綺麗に処理されていると思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと切り
替わり、アクションも大きく、コミカルな表情なんかもあったりして、見ていて
とても楽しいです。

キャラクターは個性豊か……というか、一癖も二癖もあるキャラクター揃い。
みんなマトモな人間じゃないので(笑)、もうしっちゃかめっちゃかです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
夏海や暖花の元気いっぱいなところとか、永遠子さんのお茶目なところとか、
とてもよく雰囲気が出ていると思います。

音楽はゆったりほのぼのとした曲が多め。作品の雰囲気を柔らかく包んで
くれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで可愛らしい雰囲気の歌で、ノリが良くて聴きやすいと思います。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、曲に合わせて切り替わり
ますし、キャラクターの魅力もよく出ていると思います。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。ほとんどの操作はキーボードで
出来るのですが、どうにも操作が面倒で使いづらいです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。スキップ動作もやや遅いです。

セーブ箇所は54箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。
数としては、結構選択肢が多く、エンディングの分岐も多いため、ちょっと足り
ないかもですね。もう少し欲しいところです。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「野々宮円(ののみやえん)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の元に4人の新妻がやってくるところから始まります。
人付き合いの苦手な主人公は、最初は距離を取ろうとするが、次第にその
暮らしになれていって……という話。

前半はキャラクター紹介的なパート。各キャラクターはそれぞれ突飛な設定を
持っていてそれが明かされたり、人付き合いの苦手な主人公が徐々にみんなを
受け入れていくところが延々と描かれます。

後半は新妻達とうち解けていき、ドタバタな新婚生活(?)を送っていくという
感じです。

最後は結構力業な終わり方だったりしますけど、元々の設定からして突飛な
ため、まあ仕方ないところでしょうか。

出だし、やたら哲学的なうんちくから始まったのでどうなるかと思いましたが、
内容もやっぱり抽象的・精神論的な内容が多く、やや取っつきにくかったです。

序盤、主人公がどんな人かの説明があり、その描写があるんですが、それが
あまりにも暗くてうじうじしていてめちゃめちゃウザかったです。
しかも、勝手に妄想して暴走してさらにヘコんでいく感じで、ネガティブ
スパイラルに陥っていて、プレイしていてどん引きしてしまいました。
徐々にマシにはなるものの、それでもやっぱりどこかネガティブで、最後まで
主人公に感情移入しきれませんでした。
# Hシーンの時だけは、別人のように活き活きしたり暴走したりするんですが。

そしてヒロイン達も、クセのあるキャラクターばかりで、どうにも感情移入が
しづらく、なじめませんでした。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されており、尺の方はやや短め、描写も
比較的あっさりめです。ただ、主人公が結構暴走してむちゃくちゃするので、
普通の純愛物とは一風変わったシーンが楽しめます。……まあ、そもそも設定
からして普通じゃないですしね(^^;
当たり前のように3Pがあったり、なかなか清々しいです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、読みやすいテキストだと思うのですが、
主人公関係の描写がとにかくネガティブで、読んでいてどんよりした気分になる
ことも。
プレイ時間・難易度
ゲームは5月13日(水)から始まります。
ゲーム期間は2ヶ月弱。基本的に1日ずつ進んでいきます。たまに飛びますが。

ワンプレイは12〜15時間。かなり長い上に、前半のどんよりした展開のためか
一層長く感じました。ただ、結構共通部分が多いため、2周目以降はスキップを
使えば、結構短縮できるかと思います。それでも、かなり長いんですけど(^^;

難易度は低め。基本的に狙ったキャラと会い続けていればOKです。
ただ、選択肢の数が結構多いため、油断していると別のキャラのシナリオに
入ってしまうことも。また、イベントの分岐が結構あって、1人のヒロインを1度
クリアしただけではイベントが全部回収できなかったりしますので、コンプリート
しようと思ったら結構大変かもです。
総評
お奨め度ですが、一風変わったドタバタラブコメが好きな人にお奨め。
ラブコメと言いつつ、前半は結構どんよりしていたりしますけど、そこさえ
乗り越えればなんとか楽しめる……と信じたいです(^^;

人付き合いが苦手でネガティブな主人公が、個性豊かなヒロイン達に振り回さ
れているうちに、徐々にうち解けていって、人付き合いが出来るようになる
ように成長していく様を描いた作品で、ヒロイン達……というか、主に夏海の
頑張りが一途で健気で良かったです。
# 他のヒロインについてはノーコメントです(笑)

まあ、成長を描くと言っても、ふとしたきっかけで簡単に考え方が変わりますし、
その部分の描写がかなり強引なため、ちょっと納得しづらいですけど。
「何故そういう行動をしたのか」の理由付けが、全然足りてないんですよね。
なので、どうにもキャラクターの行動理念が掴みづらいです。

ヒロイン達はみんな突飛な設定が用意されていて、普通にはないような展開を
楽しむことが出来るのは良かったです。
ただ、パッケージのキャラクター紹介で盛大にネタバレしていたり、どうせなら
もう少し設定を活かした意外性のある展開が見たかったな、と思いました。
設定が伏せられているのって、夏海だけですし。

とにもかくにも、主人公もヒロインもかなり独特のキャラクターで、ちょっと
馴染みづらいため、これを受け入れられるかどうかにかかっていると思います。
受け入れられれば、あとはひたすらドタバタな展開を楽しめると思いますが、
受け入れられないと完全に傍観者になって置いてけぼりを食らいます(^^;
なので、かなり人を選ぶ作品で、ちょっとお奨めはしづらいですね。
絵的にはすごい好きですし、演技の方もばっちりハマってるんですけど、
どうにもキャラクターに馴染めませんでした……。

このキャラクターに馴染めそうな人は是非どうぞ。ただ、馴染めるかどうか
判断するためには、ネタバレ覚悟でキャラクター紹介を見ないといけない
わけですが(^^;

最後に。なんか、もう、「にーづま」あんまり関係なくないですか?(^^;


個人的にちょっと困ったこと。

BGMのうちの1曲、日常シーンでもっとも良く流れる曲の一部が、
「To Heart」オープニング曲「Feeling Heart」のイントロそっくりで、
どうにも気になって気になって仕方ありませんでした(^^;



ロビーに戻る  レビュートップに戻る