夏空カナタ
ブランド名 ゆずソフト ジャンル ADV
発売日 2008.05.23 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(261x188x28mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 1.72GB(DVD-ROM)
原画 こぶいちむりりん シナリオ 天宮リツ、玉沢円
音楽 32曲、Famishin、Saki、
Angel note
あり(2曲、OP・ED)、霜月はるか榊原ゆい
音声 主人公以外フルボイス、夏野こおり、成瀬未亜、みる、民安ともえ、ヘルシー太郎、
白井綾乃、小林智子、かわしまりの、子太明、どてら四号、南武哲好、広末涼、小次狼
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 90箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 88枚
おまけ CGモード、回想モード、音楽モード
対象属性 純愛、オカルト、ミステリー、幼馴染み、ボブカット、浴衣、オーバーニーソックス、
ツインテール、ストッキング、ショートカット、黒髪、ストレートロング、帽子
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 6

レビュー
概要
日本でありながら常夏である「塔弦島」。主人公は、休みの間を利用して、
毎年叔母のペンションを手伝いに来ていた。今年もまた島を訪れた主人公は、
忙しくも楽しい毎日を過ごしていく。そして出会う女の子たち。彼女たちは
大きな秘密を秘めていた。果たして主人公達の運命は……という、ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

三好由比子(みよしゆいこ)。(CV:成瀬未亜)
主人公の従妹。明るく元気な女の子。見た目は幼いが主人公と同い年。
我が儘で面倒くさがり。負けず嫌いで、勝負事にはめっぽう強い。

三好双葉(みよしふたば)。(CV:民安ともえ)
由比子の妹。元気いっぱい我が儘全開の女の子。由比子より背が高く、
ちょっぴりおませさん。一人称は「あっち」。

三好ミホ(みよしみほ)。(CV:白井綾乃)
主人公の叔母で、由比子と双葉の母親。面倒見が良く優しいが、仕事や躾に
関しては厳しい。娘達を溺愛している。

仁木夕張(にきゆうばり)。(CV:小林智子)
嶋に取材に来ている雑誌社の記者。明るく気さくで親しみやすいお姉さん。
しかし、どこかミステリアスな雰囲気も。

上坂茅羽耶(こうさかちはや)。(CV:夏野こおり)
主人公が喫茶店で出会った女の子。明るく前向きで元気な少女。

七条沙々羅(しちじょうささら)。(CV:みる)
主人公が神社で出会った女の子。おっとりのんびり天然娘。世間知らずで、
トラブルメーカー。病気がちで、あまり外に出られない。

絵の方はちょっと幼い感じの可愛らしい絵柄。表情豊かで活き活きとしていて
いいですね。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されていて見栄えもいいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせて切り替わり、見て
いて楽しいです。

キャラクターは明るく前向きなキャラが多めで、沙々羅のみ大人しめな感じ
でしょうか。ただ、男性キャラクターがちょっと嫌な感じのキャラが結構いたりと、
今ひとつ感情移入できませんでした。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
ラストの盛り上がっているところの演技なんかは、引き込まれるぐらいの
力があっていいですね。

音楽はゆったりほのぼのとした曲が多め。静かで落ち着いた曲も多いです。
逆に、激しい曲、アップテンポな曲はほとんどありません。

ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。
歌は透明感のある綺麗な歌で、とても聴き心地がいいです。爽やかな歌で、
雰囲気がとても合っていると思います。
絵の方はイメージムービー的な感じで、テレビアニメもかくやというぐらい
良く動いていて(ちょっと言い過ぎ)見応えがあります。
演出も凝っていていいですね。

エンディングも歌あり。ラストシーンにかぶせる演出が、なかなか雰囲気が
出ていていいですね。歌はしっとりと落ち着いた曲ながら、力強くて独特の
雰囲気を持つなかなかいい歌だと思います。余韻がしっかり味わえます。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログ中の音声再生など
細かい操作以外は大抵キーボードで可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。
前の選択肢や次の選択肢に飛ぶことも可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
条件を満たすと選択肢が増える、シナリオ追加型のシステムになっている
ようです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「朝倉壮太(あさくらそうた)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が休みの間を利用して、叔母が経営しているペンションを
手伝うため、塔弦島にやってくるところから始まります。
そこで出会った少女と心を通わせ、障害を乗り越えていく……という感じ。

前半は明るくコミカルな雰囲気で進みます。この作品は前半のかなり早い
段階で個別ルートに入り、さらにかなり早い段階で気持ちを通わせ合うと
いう形になっています。

そして後半、女の子たちの抱えた問題や、島の秘密などを絡めたシリアスで
重いシナリオが展開されます。
見た目のほのぼのとした雰囲気からは考えられないくらい、キツく、重く、
ドロドロとした展開になったりしますので注意。

ラストはややご都合主義な印象は強いものの、綺麗にまとめてくれるので
後味も爽やかです。ただ、エンディングの分岐があって、それ次第では
ちょっと切なさの残る終わり方になったりもします。

まずプレイしていて感じたのが、設定を使い切れていないこと。
島が常夏だとか、島に伝わる伝説だとか、いろんな設定が用意されている
わけですが、どうにもそれが有効に使われていないように思います。
それが顕著なのが由比子シナリオで、もはやどこの島でもいいじゃん、
という感じでした。

それに、舞台が常夏の島で、ゲーム期間は12月と来たら、真夏のクリスマス
とかお正月なんてイベントを期待ししまうわけですが、気持ちいいぐらい
さらっとスルーされていてコケました。
もうちょっと、この作品ならではの設定やイベントを、上手く使って特徴を
出して欲しいものです。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されています。尺はやや短め、
描写は比較的あっさりめです。
内容的には純愛系のラブラブHが主ですが、悲しい決意を秘めたHがあったり、
Hシーンではありませんがレイプまがいのシーンもあったりと、純粋にHシーンを
楽しむにはちょっと辛い感じです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポもいい読みやすいテキストだと
思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは12月4日(木)から始まります。
ゲーム期間は1ヶ月弱。基本的に1日ずつ進みます。

ワンプレイは5〜6時間。結構短めですが、早い段階から個別ルートに入るため、
2周目以降もあまりスキップは効かないので、トータルではそこそこ時間は
かかります。

難易度は低め。最初の数個の選択肢でルートが決定し、それ以降はHシーンと
最後のエンディング分岐しか選択肢が出てこないような状態ですので、特に
悩むこともないでしょう。
総評
お奨め度ですが、ちょっとミステリー要素やオカルト要素の入った、純愛
ストーリーが好きな人にお奨め。
見た目の印象はほのぼのした感じですが、実際には結構ハードで、キツい
シーンなんかもありますので、苦手な人は注意が必要です。

島の秘密や女の子の秘密を絡めたストーリーは、ドキドキハラハラ感があり
面白いのですが、1つ障害を乗り越えたらもうエンディングという感じで、
ややあっけなく、物足りない印象もありました。
まあ、あんまり延々と引っ張られても、それはそれで辛いんですが……。

また、いろんな秘密や設定があるにもかかわらず、シナリオによっては
それが全然活かされていなかったり、説明不足だったり、消化不良だったり、
どうにもちぐはぐな印象も否めません。

正直なところ、茅羽耶シナリオは設定を上手く利用してあってお話も良くて
読み応えもあったのですが、それ以外のシナリオはどうにも中途半端で、
しかもキツいシーンばかりが目立って、感情移入出来ませんでした。

見た目の印象とは裏腹にちょっとハードな展開で、やや中途半端で感情移入
しづらく、しかもややボリュームも少ない、どうにも物足りない作品でした。
茅羽耶シナリオがなかったら、もっと評価は低くなっていたと思います。
もう1本か2本、シナリオがあってもいいんじゃないかなー、と思いました。
# 具体的には、双葉とミホさんで(笑)

というか、パッケージのStory紹介からして、茅羽耶シナリオだけですし、
茅羽耶がメインで、他はおまけなんでしょうね。全く触れられない沙々羅が
可哀想すぎます(^^;

ただ、キャラクターはみんな可愛らしくて活き活きとしていますし、
ワンプレイは短めでプレイはしやすいと思いますので、ちたょっと変わった
雰囲気の作品をプレイしたい人はどうぞ。
茅羽耶シナリオ1本のためにお金を出せるかどうかが鍵だと思います(^^;

最後に。で、由比子の部活って、何?(^^;
# なぜ、あそこまで頑なに何部か言わないんでしょうか……。


あっちかわいいよあっち。←何か違う

しかし、出だしから作品の雰囲気から、「明日の君と逢うために」とすっごい
似てる気がするのは気のせいですか(^^;
# 茅羽耶シナリオはefっぽいわけですが。

あと、島丸ごとジェノサイドエンドは、さすがにびっくりしました(笑)
そして、ずっと由比子のターン!(笑)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る