くるくるくーる
ブランド名 Axis ジャンル 性転換大発生型ドタバタ
ラブコメディAVG
発売日 2009.06.26 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x237x36mm) マニュアル A5用紙1枚
DISC容量 1.83GB(DVD-ROM)
原画 わつきるみ(わつき屋) シナリオ 陽光、癖毛爆男、末光洋嗣
音楽 18曲、飯塚博 あり(2曲、OP・ED)、
青葉りんご、川村ゆみ
音声 あり、奥山歩青葉りんご逢川奈々、白井うさぎ、ヒマリ、杉原莉
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 90箇所 CG枚数 80枚
おまけ CG Mode、Replay Mode、EyeCatch Mode、Music Mode
対象属性 純愛、学園物、銀髪、アホ毛、オーバーニーソックス、ボクっ娘、メイド服、ウェイトレス、
幼馴染み、赤髪、お下げ、帽子、白衣、ツンデレ、巨乳、眼鏡っ娘、スクール水着、
ピンク髪、女医、ストレートロング
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 7

レビュー
概要
ある日、主人公は、幼馴染みであるきららの発明品により、女性にされて
しまう。さらに、周りの人達も次々と性別を変えていき、ドタバタな学園
生活が始まる。果たして主人公は男性に戻るのか。それとも女性のまま
過ごしていくのか……という、性転換大発生型ドタバタラブコメディAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

国後雪光(くなしりゆきみつ)。(CV:奥山歩)
本作の主人公。きららの発明品によって女の子になってしまう。押しに弱く
流されやすい性格。

旭川きらら(あさひかわきらら)。(CV:青葉りんご)
主人公の幼馴染みで、自称マッドサイエンティスト。……自分で「マッド」って
言ってるんだ……。発明に関しては天才的だが、学園の成績は全くダメ。
自分勝手で我が儘で傍若無人だが、やってはいけない一線はきっちり守る。

鷹栖銀聖(たかすぎんせい)。(CV:ヒマリ)
主人公の親友。鷹栖財閥の御曹司。きららのバックアップをしている。
面白いことが大好きで、いつも主人公をからかっている。

日高さやか(ひだかさやか)。(CV:逢川奈々)
主人公のクラスメイト。大人しく控えめな女の子。気が弱く、誰かと対立
するのが苦手で、すぐ逃げてしまう。

歌登紗姫(うたのぼりすずひめ)。(CV:白井うさぎ)
学園の保健医。主人公のクラスの臨時担任。明るく親しみやすい先生。
女の子が大好きの同性愛者。

絵の方は柔らかいタッチのとても可愛らしい絵柄。ほんわかした雰囲気の
漂う、見ていて和めるような絵柄ですね。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化はパターンが少なく、
ほとんど変化しませんが、表情変化は多彩で、コミカルな表情も用意されて
いて、見ていて楽しいです。ジト目はちょっと気持ち悪いですけど。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。主人公とさやかは控えめで、それ以外の
キャラクターは押せ押せという感じ。また、各キャラクターは男性、女性の
2パターンあり、微妙に性格が違っていたりと、なかなか面白いです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
ただ、女性はボイスありなのですが、男性はボイスなしで、女性から男性に
性転換するといきなり音声がなくなるのはどうかと。
女性の時とそんなに変わらなくてもいいので、とりあえず音声は欲しかった
なーと思いました。
あと、『人事不省』を「じんじふしょう」と読んだり、ちらほら読み間違えも気に
なりました。

音楽はゆったりとした曲が多め。作品を柔らかく包んでくれるようです。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでノリのいい、可愛らしくて楽しい歌。合いの手も楽しくて、
セリフも入っていて面白いですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、コミカルな演出が多く
歌とも相まって、とても楽しい雰囲気のオープニングになっていると思います。

エンディングも歌あり。こちらはゆったりとした温かい歌で、余韻をしっかり
楽しめていいですね。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、
セーブ/ロード操作なんかはキーボードで可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。ただし、シーンの
切り替わりの時に、スキップが止まることがあります。

セーブ箇所は90箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルが保存されます。
数としては、選択肢はそれほど多くなく、効果も比較的わかりやすいので、
これだけあれば足りるでしょうか。ただ、エンディングはそれなりに多いので、
もしかしたら足りなくなるかも。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢の内容によって、対象と
なるヒロインが決まるほかに、主人公が男性に戻るか、女性として生きて
いくかも決まります。
現在の状況は、『ユキナビ』で確認可能です。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「国後雪光(くなしりゆきみつ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がきららの発明品で女性になるところから始まります。
しばらくの間、女性として過ごすことになり、その後、男性に戻ることは
出来るようになるが、周りの人も性転換しまくっていて、最終的にどちらの
性別で過ごしていくのか……という感じ。

前半はみんなが性転換して大騒ぎのドタバタコメディ。
性転換した時の周りの反応などが面白おかしく描かれます。そんな中で、
いろんな人にからかわれたり助けられたりしながら、その関係を作っていく
という感じです。

後半は特定の人と結ばれるものの、男性に戻るか、女性として生きていくか
悩むという展開。男性と女性の両方でしばらく過ごしてみて、最終的な判断を
下すことになります。(それまでの選択肢により自動決定しますが)

ラストはいろんな終わり方がありますが、基本的に明るく前向きでハッピーな
感じです。クリア後はすかっとします。

プレイしていて感心したのは、思ったより設定がしっかりしていること。
性転換して騒動が起こるわけですが、「女性のまま生きていくなんて無理だろ」
という疑問が浮かんでも、すぐに「鷹栖財閥の力で戸籍なんてどうとでもなる」
という説明があったり、途中で矛盾に感じたことがラストでしっかりクリアに
されていたりと、でたらめで破天荒な内容の割には、しっかり辻褄が合わせて
あって、なかなか好感が持てました。
まあ、性転換装置なんていうものを作れたのは「きららが天才だから」の一言で
片付けられているのはアレですが。
# 大抵のことは「まあ、きららだから」で片付きますけど(笑)

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(5〜9回)用意されており、尺の方は
そこそこ、描写はそこそこ濃いめです。
内容は基本的に純愛系のラブラブHですが、痴漢に襲われたり、見ず知らずの
人に誘われてついていくようなシーンもあるので、純粋な純愛物が好きな人は
注意が必要です。
そして、本作品最大の特徴である性転換によって、各キャラクターとも男性と
女性の両方のHシーンが用意されています。そのため、バリエーション豊かで
いろんなタイプのHシーンを楽しむことが出来ます。

テキストはちらほら誤字等は見受けられますが、それほど気にはならないかと。
ただ、スタッフロールにあった、キャストの「杉原莉」さんって、「杉原茉莉」さん
ですよね?(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。後半は1週間毎に区切られますが、前半は日付の経過は
特に描写されません。

ワンプレイは6〜7時間。手頃でプレイしやすい長さですが、エンディングが
結構あるため、コンプリートしようと思うとそれなりにかかります。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラクターよりの選択をしていればOKで、
あとは主人公が男性寄りか女性寄りのどちらの選択をしているかによって
エンディングが分岐します。
総評
お奨め度ですが、男性と女性の両方の視点から楽しみたい人にお奨め。
主人公だけでなく、ヒロイン達も性転換するため、バラエティに富んだ展開を
楽しむことが出来ます。作中に何度も性転換するため、メリハリもあって、
飽きの来ない、面白い構成だと思います。

また、会話も男性の時と女性の時で変わってきますし、掛け合いも面白く、
キャラクターがみんな活き活きしていていいですね。
# ちとせや紗姫が主人公の方が面白い気がするのは気のせいでしょうか。

ただ、主人公が女性化しているときは受け身で流される感じなので、ちょっと
感情移入はしづらいですし、ヒロイン達以外とのHシーンも用意されているため、
苦手な人もいるかと思います。

そもそも主人公は、流されやすくて押しに弱く、優柔不断でスパッと決断出来
ないキャラなので、気になる人もいるかもですね。まあ、そんなにうじうじ
悩んだり、ヘタレたりするわけではありませんけど。

主人公だけでなくヒロイン達も性転換するというのはなかなか面白いですし、
性別によってキャラクターがしっかり描き分けられており、活き活きとして
魅力的で、なかなか良くできた作品だと思います。
また、設定もよく考えられていて、無茶苦茶な設定でありながら、それほど
無理のない、自然な流れで展開していくのは凄かったです。
雰囲気やキャラクターが気に入った人は是非どうぞ。
ただし、各キャラクター男性・女性両方があることはお忘れなきよう。
女性化した銀聖とのハッピーエンドとか、なかなかシュールです(^^;
# 男性ボイスなしなのが勿体ないですね。

最後に。「内容は見てからのお楽しみ。でも、実験名でだいたい判るかも?
それじゃあ、『くるくるくーる』! 開幕です!」……うん。全然わかんない(^^;
というか、『くるくるくーる』と聞いて、性転換を想像出来る人は、よっぽど
想像力がたくましいというか、もはや妄想の域だと思います(^^;
# むしろ、エスパー(笑)


主人公が女性の時の初Hで、処女喪失っぽいシーンが無くて、あれ? と思ったら、
エピローグでちゃんと説明されていてびっくり。
というか、生徒手帳のことなんてすっかり忘れてましたよ(笑)
まあ、主人公が「処女を失った経験はない」とか言うのはご愛敬ですが(^^;
# 記憶が欠落したのでしょうか(^^;



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