くる〜ずクルーズ〜少女の10年とちいさな約束〜
ブランド名 GutenTag ジャンル 恋愛AVG
発売日 2009.05.29 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(165x229x45mm) マニュアル B5用紙二つ折り
DISC容量 1.42GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM
原画 田口まこと シナリオ StarRoseQuartz
音楽 22曲、憔悴ラジオ あり(2曲、OP・ED)、
民安ともえ、anporin
音声 あり、倉田まりや民安ともえ、桃井いちご、御苑生メイ、湖月紅れ葉、葉村奈緒、
氷室百合、芹園みや
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 40箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ3箇所
CG枚数 86枚
おまけ CGモード、回想モード、音楽鑑賞
対象属性 純愛、幼馴染み、お嬢様、ピンク髪、ストレートロング、ボクっ娘、サイドポニーテール、
お兄ちゃん、メイド服、銀髪、ショートカット、黒髪、ボブカット、眼鏡っ娘、お下げ、金髪、
ツインテール、未亡人、母娘丼、ハーレム
1プレイ時間 3〜5時間 お奨め度 4

レビュー
概要
卒業を間近に控えた主人公の元に、1通の手紙が届く。その手紙は、豪華客船の
モニターに当選したという通知だった。幼馴染みの茜にも同じ手紙が届いており、
主人公達は卒業旅行ということでそのモニターに参加した。クラスメイトである
千尋と、妹のような存在である桐子も船に乗り込んでおり、行き先不明の船旅が
始まった。果たしてその行き着く先は……という、船上恋愛AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

宇佐美千尋(うさみちひろ)。(CV:倉田まりや)
通称・ウサ。主人公の幼馴染み。成績優秀・容姿端麗・性格温厚の、学園の
マドンナ的存在。父親が大手企業の重役で、実家は超お金持ち。
おっとりほんわかした女の子だが、実は計算高くてしたたかな一面も。

烏丸茜(からすまあかね)。(CV:民安ともえ)
主人公の幼馴染み。ラーメン屋の娘。明るく元気なムードメーカー。
お節介焼きで、学園のカップルの半分は自分がくっつけたと豪語する。
運動が大好きでやや乱暴。すぐ手が出る。

佐原桐子(さわらきりこ)。(CV:桃井いちご)
主人公の家の裏に住んでいる女の子。父親が行方不明で母親が長期入院中の
ため、主人公の家で過ごすことが多い妹的存在。無口で無感情。ドジッ娘。
『んまい棒』が好物。

山田佐智子(やまださちこ)。(CV:氷室百合)
客船のエンターテイメント部所属のピエロ。明るくきさくで親しみやすい
お姉さん。

錦織百恵(にしきおりももえ)。(CV:湖月紅れ葉)
客船のパーサー部門の主任。真面目で有能な女性。一見真面目で堅物だが、
案外お茶目な一面も。

平本子(たいらもとこ)。(CV:葉村奈緒)
桐子と共に客船でアルバイトをしている女の子。仕事は出来るが控えめで
恥ずかしがり屋。

ドロシー・フジミ・アボット。(CV:芹園みや)
祖父とともに客船に乗っている女の子。生意気でわがままで高飛車だが、
寂しがり屋の甘えん坊。おじいちゃん大好きっ子。

三笠十和子(みかさとわこ)。(CV:御苑生メイ)
客船のロイヤルスイートに泊まっている女性。世界有数の大財閥の総帥。
イタズラ好きでお茶目な不思議な女性。

絵の方は柔らかいタッチの丸っこくて可愛らしい絵柄。
CGははややのっぺりしており、ちょっとチープに見えてしまうのはちょっと
勿体ないかも。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。表情は豊かで、アクションも大きく
わかりやすいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。ヒロイン達はみんな幼馴染みのため
気安く親しみやすいです。サブキャラも個性豊かで魅力的だと思います。
山田さん萌え。本子も可愛らしくていいですね。錦織さんもステキです。
ドロシーもらぶりーです。……みんなサブキャラなのは気のせいです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
千尋の独特の甘ったるい喋り方が、とてもよく雰囲気が出ていて印象に残り
ました。

音楽はほのぼのとした雰囲気の曲が多め。ゆったりした雰囲気を醸し出して
くれます。ただ、音声の音量がやたらデカい……というか、BGMの音量が
やたら小さいので、調整が大変でした。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は伸びのある爽やかな歌でなかなか聴き心地はいいんですが……ちょっと
エフェクトかかりすぎな気もします。もうちょっと歌声を前に出してもいいと
思うんですけどねー。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出なんかはなか
なか凝っていて、見応えはありました。

エンディングも歌あり。ゆったりとした優しい曲で、とても聴き心地が良く、
じっくり余韻の味わえるいい曲だと思います。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。スキップ動作はやや遅め。

セーブ箇所は40箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ3箇所。セーブ/ロードは
マップ移動画面以外で可能です。……一番使いたいところでセーブ出来ないのは
なんとも……。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、分岐のところでセーブ出来ないため、セーブ/ロードが使いにくく、
これだけあれば事足りるでしょう。

システムはマップ移動場所選択型のアドベンチャー。
船内のマップから移動場所を選択します。船内は4つのフロアに分かれており、
各フロアにキャラクターが散らばっています。誰がどこにいるのか表示される
ため、誰に逢うかを選ぶような感じです。

本作はAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみディスク
チェックが入ります。それ以降はディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「高遠薫(たかとおかおる)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が豪華客船のモニターに当選し、幼馴染みの茜と共に、卒業
旅行として乗り込むところから始まります。その船旅を通じて、女の子との
距離が縮まっていく……という感じ。

前半は、女の子達と船旅を楽しんでいきます。船内のいろんな設備を利用し
遊びまくります。

後半は、ヒロイン達とさらに距離を縮めていき、気持ちを通じ合います。
主人公が幼い頃にした約束や、初恋などを絡めた、恋愛ストーリーが展開
していきます。

ラストはこの船旅の正体や、主人公とヒロインの関係などを描きつつ、
かなり強引で力業で終わらせてくれます。

まず気になったのが整合性。既に見たことがあるのに初めて見たように言う
なんて日常茶飯事。特に、複数キャラのイベントを同時に進めていった場合
かなり酷いことになります。シナリオ単体でも、茜シナリオなんかはかなり
酷いです。チャイナドレスとか。

あと、イベントの繋がりが弱く、いつの間にか気持ちを通じ合っていたり、
付き合うことになっていたり、唐突で強引な展開が多く、かなり気になり
ました。

H度は並。各ヒロイン共に複数回(3〜4回)用意されており、尺の方はそこそこ、
描写はややあっさりめです。
内容的には純愛系のラブラブHが多いですが、誘われてなし崩しにHシーンに
突入するものや、複数人プレイなどもあったりと、いろんなシチュエーションを
楽しむことが出来ます。

テキストはちらほら誤字が目に尽きます。「変化」が「変か」になっていたり。
「だが溢れるこの想いを伝えるに、は大袈裟すぎる」みたいな、読点の位置が
おかしいなんてのもありました。
しかし、それよりも、人称の不一致が気になりました。ボクっ娘である茜の
一人称に「私」と書かれていたり(音声では「ボク」)、今まで「茜」と呼んで
いたのにいきなり「烏丸」になったり。統一感が無く、感情移入の妨げになって
いるように思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過は特に描写されません。平然と何日か飛んで
たりしますし、そもそも行き先も期間も不明の船旅ですから。

ワンプレイは3〜5時間。どれだけイベントを見るかによって若干変わって
きますが、比較的あっさり終わります。

難易度はやや高め。ただクリアするだけなら、狙ったキャラと会い続けて、
イベントが起こらなくなったら他のキャラのイベントも見ていけばOKです。
ただ、全てのイベントを見ようとすると、複数のキャラのイベントを進めて
いかないといけなかったり、条件のわかりづらいイベントもあったりと、
ちょっと大変かも知れません。
総評
お奨め度ですが、幼馴染み好きな人にお奨め。ヒロインはみんな幼馴染みで、
小さい頃の約束とか、初恋とか、体験なんかを鍵にした純愛ストーリーを
楽しむことが出来ます。

ただ、展開が唐突で強引で、さらに整合性がズタボロのため、いまひとつ
ストーリーに入り込みづらく、わかりづらく、感情移入しづらくなって
しまっているのが残念です。

また、幼い頃の約束なんかが鍵になるのですが、今ひとつ効果的に使われて
おらず、唐突に出てきて「ああそうだったんだ」で終わり、みたいな感じで、
ちょっと勿体ない気がします。

そして、もっさりして使いづらいシステムや、のっぺりしたチープなCG、
ベタでメリハリも盛り上がりもないシナリオと、全体的に安っぽく、あまり
洗練されていないように感じられました。
もう少し練り込んで、丁寧に作ってあれば、もっと印象が違ったんじゃない
かなー、と思います。

最後に。「ノレパン飛び」って何!?(笑)


いや、「ルパン飛び」って言いたいのはわかりますけど……。



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