さらさらささら
ブランド名 アトリエかぐや ジャンル 癒し系巫女さんAVG
発売日 2009.02.27 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(192x270x40mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 2.07GB(DVD-ROM)
原画 choco chip シナリオ 近江達裕、尾之上咲太
玉沢円速水漣
音楽 20曲、ハーモンド、おうじ、
ポーノレ・マッカートニー、
椎名俊介(Angel note)
あり(2曲、OP・ED)、
Riryka(Angel note)、yuiko
音声 あり、榎津まお遠野そよぎ、岩田由貴、このかなみ、かわしまりの、
片岡一郎、桜井雅人、香澄りょう
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 101枚
おまけ CGモード、回想モード、音楽モード、秘密の小箱
対象属性 純愛、ドタバタ、巫女さん、巫女装束、ポニーテール、和服、着物、お下げ、病弱、
女医、白衣、銀髪、ボブカット、触角
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 6

レビュー
概要
吾妻不動産社長の主人公。巳各務村再開発プロジェクトのプレゼンを控え、
ライバルの藤沢プランニングに勝てる計画を作成するため、単身巳各務村に
実地調査に出向く。村人達と触れ合い、村の良さを知っていく。そんな中、
主人公は、村の守り神と名乗る少女と出会う。信仰が薄れ、力を失いつつ
ある少女は、力を取り戻し、村を復興させるため、主人公に助力を乞う。
果たして主人公は、再開発計画の開発権を手に入れ、神様の力を取り戻し、
村を再興することが出来るのか……という、癒し系巫女さんAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

天戸沙織(あまとさおり)。(CV:榎津まお)
神社の当主で元気いっぱいの巫女さん。頭はちょっと弱く、直情的、感情的
だが、自分より他人を優先する優しい娘。村のことを人一倍愛している。
身体的スペックは一般人を遥かに凌駕している。大食い。

白妙まひる(しろたえまひる)。(CV:このかなみ)
村唯一の旅館、翠楼館の娘で、亜弥の妹。しっかり者で、物事をハッキリと
言う。姉のことが大好きで、過保護なまでに気にかける。

白妙亜弥(しろたえあや)。(CV:遠野そよぎ)
沙織の幼なじみで、神社に住み込みで働いている。生まれつき心臓が弱い。
おとなしく控えめな女の子。

黒崎公子(くろさききみこ)。(CV:かわしまりの)
巳各務神社に併設されている診療所で働く女医。けだるい雰囲気の女性だが、
腕は一流。でも基本的にグータラ。

各務月巳(かがみのつきみ)。(CV:岩田由貴)
蛇の化身で、土地の守り神。信仰心の低下により、力を失いつつある。
いたずらっぽく、人をからかうのが好きなお姉さん。肉体を持つ時は、力を
抑えるため、若々しい姿になる。その時は『加賀見月』と名乗る。

お魂さん(おたまさん)。(CV:かわしまりの)
月巳の従者である人魂。傍若無人な月巳に振り回されている。

葛城紫帆(かつらぎしほ)。(CV:香澄りょう)
藤沢プランニング側の土地開発計画責任者。藤沢プランニングの若きホープ。
真面目で堅物のキャリアウーマン。

絵の方はすっきりした絵柄でありつつ、柔らかい雰囲気の絵柄。可愛らしさと
色気を併せ持つ、魅力的な絵柄だと思います。ただ、ちょっとシーンによって
雰囲気が違うこともあり、やや安定感には欠けるかも。デフォルメ絵はめちゃ
めちゃ可愛らしいです(^^)
CGは明るめの発色でハッキリと処理されており、馴染みやすいです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ただし、ポーズ変化は、腕の向きが
変わるとか、その程度の変化しかありません。表情の方は、会話に合わせて
切り替わり、コミカルな表情も用意されています。

キャラクターは純粋で一途で真っ直ぐなキャラクターが多め。田舎が舞台という
ことで、素朴な雰囲気を持つキャラクターが多いです。
後藤萌え。←主人公の部下、絵すらない(笑)

音声はキャラクターとのマッチングはほぼ良し。沙織は若干浮いたような感が
ありましたが、まあ許容範囲でしょう。
月巳は、色っぽいお姉さんと可愛らしい姿の2種類ありますが、演技の方でも
しっかり演じ分けられていて、違和感もなくて良かったです。
村長の声は、いくらなんでも若々しすぎると思います(^^;
あの見た目でその声はさすがに……。
あと、音声が全体的にちょっとこもったような感じで、ちょっと勿体ないなと
思いました。

音楽はほのぼのゆったりした曲が多め。他にもコミカルな曲や静かで切ない
曲など、色々と用意されていて、シーンにあった曲が使われ、作品を盛り
上げてくれます。
ただ、効果音ですが、射精の音が、水を飲んでいるような音でちょっとアレ。
他にも、水音なんかも不自然ですし、全体的に効果音は今ひとつ。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで軽快な曲で、とても聴きやすく、なかなかいいですね。歌声はやや
低めの格好いい歌声なので、若干曲調とのズレは感じましたが、まあそんなに
気になるほどではありません。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。そんなにぐりぐり動いている
訳ではありませんが、演出はなかなか凝っていて、曲とのリンクもバッチリで、
コミカルなシーンもあったりと、見ていて楽しいオープニングでした。

エンディングも歌あり。しっとりと落ち着いた曲で、温かい気持ちになれる、
とても優しい曲で、ラストの余韻をたっぷり味わえていいですね。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、セーブ
ロードなどはキーボードで操作出来ますが、バックログや音声リピートなど、
一部の操作は対応していないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、CPU利用率は高めです。スキップ動作はやや遅め。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、章タイトルとシーンタイトル、シーン画像が
保存されます。
数としては、選択肢が少なく、エンディングも少ないため、これだけあれば
充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「吾妻祐毅(あがつまひろき)」固定です。
ただし、ゲーム中では「武田祐毅(たけだひろき)」を名乗っています。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が実地調査のため、巳各務村を訪れるところから始まります。
実際に村で暮らし、村人とふれあう中で、村のいいところを活かした再開発
計画をまとめていく……という感じ。

前半は、村での暮らしに慣れていきつつ、月巳が力を取り戻すために必要な
『夢想』を繰り返していきます。『夢想』とは、ぶっちゃけ、夢の中でHを
するだけなんですが。

後半は、再開発計画をまとめつつ、女の子や村の抱えた問題と向き合っていく
ちょっとシリアスな展開になります。

ラストは、ちょっと切ない、でも心温まるいい終わり方。余韻を残したまま
エンディングに入るので、たっぷり雰囲気に浸れます。
あとのフォローもちゃんとされるので、とてもいい気分になれます。

プレイしてまず気になったのは整合性。既に2回夢想してるのに、「前に1回
やっているとはいえ」と言ったり、既に気持ちを確認しているのに、その後
「好いてくれているとわかって嬉しい」と言ったり、「見えるか見えないかの
ところまではだけてしまった」と言いつつ、絵ではめっちゃ見えてたり、まだ
精液舐めたりしたことないのに同じ味と言ったり、逆にもう舐めたことある
のに「こんな味だったんですね」と言ったり。突っ込みどころ満載過ぎて、
突っ込む気にもならないぐらいです。

そして、沙織、亜弥、月巳の中から、1人パートナーを選ぶ展開になり、3人から
熱烈アピールを受けるところがあるのですが、そのアピールする部分がざっくり
端折られてしまっているので、その後主人公が1人を選ぶとき、どうしてその子を
選んだのか、説得力に欠ける気がしました。

逆に、個別ルートに入ると、他のキャラや村人なんかもしっかりストーリーに
絡んで来て、ストーリーを盛り上げてくれます。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(7〜8回)用意されており、尺の方はそこ
そこ長め。描写は比較的濃いめです。
内容的には、『夢想』の中でのHと、現実世界でのHがあり、『夢想』の中での
Hは、ちょっとはっちゃけた、現実世界とはちょっと違った雰囲気の内容になり
ます。月巳以外は初めてのため、最初はおっかなびっくりな感じですが、徐々に
慣れてきて、大胆な行為に及びます。2回戦3回戦は当たり前です。
現実世界でのHは、気持ちを確かめ合うような、純愛系のシーンがほとんど。
ちょっと切ないシーンもあったりと、いろんなタイプのシーンが楽しめます。
なお、サブキャラとのHシーンは、おまけの1つだけしかないため、期待しない
ように。

テキストは誤字等はあまり気にならず、テンポも良く、読みやすいテキストだと
思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。とりあえず1ヶ月ということでしたが、どうももっと経って
いるような気がしてなりません。何度も『数日経過』がありますし。

ワンプレイは8〜10時間。ちょっと長めですが、エンディングの数は少ないため、
トータルで見れば並程度でしょう。半分弱共通部のため、2周目以降はスキップを
使えばそこそこ短縮出来ますが、個別ルートも結構長いため、たっぷり楽しめます。

難易度は低め。選択肢は片手で数えられるほどで、ほとんど悩むことはないかと
思います。
総評
お奨め度ですが、ちょっと切ない心温まるストーリーが好きな人にお奨め。
田舎が舞台でほのぼのとした雰囲気が漂い、村人達の交流など、心温まるいい
お話がいっぱいで、とても心地よいです。
後半はシリアスで緊迫した展開になったり、メリハリもあって、飽きることなく
プレイ出来るかと思います。
また、序盤からHシーンも満載で、ストーリーとHシーンの両方を高い次元で
楽しむことが出来る、いい作品だと思います。

ただ、やや整合性が怪しかったり、若干強引でご都合主義な展開があったり、
描写が端折られていたり、序盤で出てきた話が後半では忘れ去られていたり、
ちょっと丁寧さには欠けるのが残念です。

しかし、キャラクターの魅力はたっぷりですし、村人達も含めて、みんないい
人で、プレイしていて温かい気持ちになれます。作品の根幹に、『人のために』
というのが流れているようで、誰かのために何かをするという、心に響く話を
楽しむことが出来ます。
雰囲気やキャラクターが気に入った人は是非どうぞ。ただし、サブキャラが
気に入った人は、期待はしないように。

最後に。でもやっぱり、まひるエンドきぼー(T_T)
まさか、ここまでガン無視だとは思いませんでした……。


ところで、月巳の役割をご神木に移して、村に力を安定供給するという話が、
さらっとスルーされているシナリオがあってちょっとアレ。



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