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ド田舎ちゃんねる5〜こちら鈴音学園放送部〜
ブランド名 はむはむソフト ジャンル 知恵と工夫とド田舎魂で
ボケ倒していくADV
発売日 2010.01.29 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(169x233x43mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 ゲームディスク : 4.08GB(DVD-ROM)
原画 池田淳綾風柳晶 シナリオ Hatsu、下地和彦
音楽 35曲、下地和彦 あり(4曲、OP・ED?・挿入歌)、NAO、
あさり☆、加古川高
音声 あり、民安ともえ、佐々木あかり、越智悠、奥川久美子あさり☆
加古川高、田村健一、宮葉ちょき
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
960x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ1箇所
CG枚数 87枚
おまけ 鈴音村のなが〜い1日
対象属性 ド田舎、ギャグ、ラブコメ、ドタバタ、幼馴染み、ツインテール、オーバーニーソックス、
巫女さん、巫女装束、ツンデレ、ボクっ娘、ショートカット、スパッツ、スクール水着、
女教師、ピンク髪、ロリ、アホ毛、黒髪、ストレートロング、巨乳、金髪、ヘアバンド
1プレイ時間 12〜15時間 お奨め度 7

レビュー
概要
鈴音村。そこは、のどかな田園風景の広がるド田舎だった。そこで暮らす
主人公は、ひょんなことから、村の紹介番組を作ることになる。毎週5分間
ながら、テレビで放送される番組ということで、村おこしのために頑張る
主人公と仲間達。果たして主人公たちは、番組を通じて、村おこしをする
ことが出来るのか……という、知恵と工夫とド田舎魂でボケ倒していくADV。
……なんですか、このジャンル。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

神山美鈴(こうやまみすず)。(CV:民安ともえ)
主人公の幼馴染みで、神社の神主の孫娘。明るく元気でがさつだが、裁縫は得意。
番組では、メインリポーター兼衣装担当。

水鏡蓮(みかがみれん)。(CV:越智悠)
主人公の幼馴染み。いつもヘッドホンで音楽を聴いている、音楽トリップボクっ子。
両親は街に出ているため、一人暮らし。音楽・音響担当。

笹野希美子(ささのきみこ)。(CV:あさり☆)
主人公の幼馴染みで、主人公のクラスの担任兼放送部顧問。村長の娘。
主人公たちの中では一番年上でお姉さん的存在だが、一番小さい。合法ロリ先生。
アニメっぽい声をだすのが得意。ハム子の物まねが激似。会計とナレーション担当。
ひもを引けば、ところ構わずタライを落とすことが出来る。

大和田幸(おおわださち)。(CV:佐々木あかり)
主人公の幼馴染みで、大人しい文学少女。メルヘンチックな妄想癖を持つ。
脚本担当。大人しく控えめで卑屈。身体が大きいのがコンプレックス。

エレナ=ハドソン。(CV:奥川久美子)
半年前に転入してきた女の子。村のことを気に入っており、あちこち歩き回っては
探検している。明るく元気でのーてんき。絵やCG担当。

絵の方は活き活きとしていて独特の構図でなかなか面白いです。原画家さんが
2人いて、若干絵柄に差はありますが、それほど気にはなりませんでした。
CGは明るめの色使いで丁寧に処理されており、見栄えもいいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。アクションがとても大きく、
表情変化も豊かで、感情移入しやすいです。コミカルな表情なども多く、
見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的に自己主張の強い、前に前に出て
くるようなキャラがほとんどで、唯一、幸だけが控えめですね。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
エレナの嘘くさい日本語がステキです。

音楽はほのぼのゆったりとした曲が多め。田舎ののどかな感じが良く出ていると
思います。コミカルな曲やしっとりした曲もあり、シーンを盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでパンチの効いた格好いい歌……なんですが、歌詞がかなり
バカっぽくて、めちゃめちゃメリハリの効いた味のある面白い歌になっています。
絵の方は曲に合わせて切り替わり、テロップなんかがデカデカと流れたりかなり
動きも迫力もあるんですが……絵やテロップが基本的におバカなので(笑)、
これまたギャップがものすごいです。
絵も歌も、アツくて格好良くてバカでおもろい、ものすごいインパクトのある
オープニングだと思います。ハート鷲掴まれました。

エンディングはしっとりと落ち着いた曲で、じっくり余韻を味わえていいですね。

挿入歌として、番組内で使われる歌がありますが、コミカルなふざけた歌です(笑)
システム
インタフェースはマウスカーソルのキーボードエミュレーションによるフルキー
ボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは960x600? なんだかやや
変わったサイズですね。
動作は比較的軽快、スキップ動作も高速です。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ1箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付とシーン画像が保存されます。
数としては、選択のシーンは少なく、効果もわかりやすいので、これだけあれば
充分でしょう。

システムはマップ移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
マップには誰のイベントが発生するか表示されます。ただし、ヒロインの
イベント以外は誰のイベントが起こるかはわかりません。(何かイベントが
起こることはわかります)

本作はAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみディスク
チェックが入ります。それ以降はディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「新田啓介(にったけいすけ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公たちがテレビ番組を作ることになるところから始まります。
素人集団が知恵を絞って村紹介番組を作り、なんとか村おこしをしていこうと
頑張る……という感じ。

前半は、番組制作を描いたドタバタな展開。放送部でお昼の番組放送などは
経験があるものの、テレビ番組制作に関しては全く素人の主人公たちが、
ノリと勢いで番組を作っていきます。

後半は、番組制作を通じて絆を深めた相手と、村おこしや番組制作を絡めた
展開になります。ややシリアスなシーンもあるものの、基本的にはノリと
勢いで突っ走るような感じです。

ラストはご都合主義満載のやや強引な終わり方が多いですが、すっきり綺麗に
終わってくれます。……細かいことを気にし出すと、色々突っ込みどころは
ありますが……。

まず特筆すべきは、テレビ番組『ド田舎ちゃんねる5』の描き方。
誰の意見を採用するかによって、番組の内容が変わるのですが、それに合わせて
きっちり内容が作られており、本当にちゃんとした番組のように描かれていて、
とてもよく雰囲気が出ていて良かったです。
ロゴなんかの出し方も、本当のテレビ番組みたいで、凝っていて面白かったです。

逆に気になったのは、ノリと勢いだけで番組を作っていて、さらにその過程が
かなり端折られているため、番組制作の大変さや苦労があまり伝わってこない
こと。サクサク作ってサクサク放送されているような感じで、今ひとつ重みに
欠けているように感じました。
さらに、番組の内容も破天荒で、勝手に村の特産品を作ったり、ドラマ仕立ての
村紹介で殺人事件を描くなど、ちょっと閉口するようなものもありました。

H度は並。各ヒロインとも複数回(4〜5回)用意されており、尺の方はそこそこ、
描写はシーンによってやや差はありますが、比較的あっさりめです。
ただ、シーンによっては2回戦が用意されているなど、純愛物としてはわりと
頑張っていると思います。
内容的には、純愛系のラブラブHがほとんどで、気持ちを確かめ合うような
シーンが多いです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポのいいテキストだと思います。
ただ、かなりテンション高めで合わない人もいるかも。
# 「荘厳な光景」を「そうげんなこうけい」と読んでいたりするのはご愛敬。
プレイ時間・難易度
ゲームは6月12日(土)から始まります。
ゲーム期間は約2ヶ月。イベントのある日だけをプレイするような形です。
毎週番組を作らないといけないので、1週間単位で進む感じですね。

ワンプレイは12〜15時間。やや長めです。テンションが高めということも
あって、プレイしていて疲れます。
共通部は全体の7割程度ありますが、共通部にもイベントの分岐(どういう番組を
作るか)がありますので、コンプリートしようとするとかなり時間はかかります。
プロローグのスキップ、本編からの開始、最初の分岐からの開始などの機能の他、
おまけで好きな週から開始する機能も用意されています。
ただし、任意の週から始めた場合、それまでのフラグは立っていない状態になる
ようで、クリアできない可能性があります。

難易度はやや低め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をし続けていればOKです。
ただ、複数キャラのイベントを同時に進めることが出来るため、狙ったキャラ
以外のルートに入ってしまうこともありますので、注意が必要です。
総評
お奨め度は、テンションの高いコミカルストーリーが好きな人にお奨め。
素人がド田舎を紹介する番組を、試行錯誤しながら協力して作る様はなかなか
面白く、心温まるものがありました。
基本的にコミカルに進むため、サクサクとプレイできますし、細かいことは気に
せずノリと勢いで突っ走る、なかなかパワーのある作品だと思います。
また、主人公たちが作る番組『ド田舎ちゃんねる5』は、選択した内容に合わせて
実際に番組が用意されていて、それを見ているだけでも面白いです。
演出も凝っていて、立ち絵もアクションが大きくて臨場感たっぷりで、雰囲気も
独特で、とても味のある作品だと思います。

ただ、やたらテンションが高くやや空回り気味でプレイしていてちょっと疲れ
ますし、ともすればプレイヤー置いてけぼりで突っ走ってしまいかねないぐらい
なので、ノリが合わない人にはつらいと思います。
また、ド田舎ド田舎と連発する割には、あまりド田舎であることの大変さなどが
描かれておらず、今ひとつド田舎を活かし切れていないような気がします。
さらに、登場人物が少なく、村全体が一丸となるという感じがあまり伝わって
こなかったのも残念でした。
……村人が10人ということはないですよね。クラスメイトとかいましたし。

コンセプトは面白いですし、舞台や題材もいいと思うんですけど、いまひとつ
それを活かし切れておらず、またやたらテンションが高くてやや雰囲気を壊し
気味なのが、ちょっともったいないと思える作品でした。
でも、みんなで協力して1つのものを作っていくというのは絆が感じられて
良かったですし、番組の内容がしっかり作ってあって、それを見られるという
のは面白かったです。雰囲気やノリが肌に合いそうな人は是非どうぞ。

最後に。「買ったら納税って、それってただの消費税なんじゃ」……いや、
800円で10円の消費税は税率安すぎると思う(^^;



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