秋色恋華
ブランド名 Purple Software ジャンル AVG
発売日 2005.02.25 定価 \9,240
パッケージ ブラケース入り紙製パッケージ
(184x258x45mm)
マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.78GB(DVD-ROM)
原画 月杜尋、悠樹真琴 シナリオ 島津出水、秋史恭、北川晴
山田光一郎
音楽 23曲、株式会社ランティス、景家淳 あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、
橋本みゆき、木村あやか
音声 フルヴォイス、佐々留美子、AYA、大花どん、美咲ゆうか、木村あやか、
文月かな、如月美琴、深井晴花、広野大地、鈴木ロウ
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 90箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 109枚
おまけ イベントCG鑑賞、Hシーン鑑賞、音楽鑑賞
対象属性 純愛、学園物、幼なじみ、眼鏡っ娘、ストレートロング、女教師、アイドル、ボブカット、
お兄ちゃん、サイドポニーテール、ストッキング、黒髪、リボン、オーバーニーソックス、
金髪、お嬢様、ヘアバンド、ツインテール
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 8

レビュー
概要
両親が海外赴任したため妹と二人暮らしをしている主人公。幼なじみの英里子が
親代わりとして色々と面倒を見てくれていた。しかし、妹はアイドルデビューし、
英里子は教師として主人公の担任となる。そして、学校を休みがちだった世界的
テニスプレイヤーである南条伊吹が、怪我の療養のため日本に戻ってきて、
主人公のクラスに通い始める。そして、主人公の周りの人間関係が動き出す。
果たして主人公の学園生活は、どう変わっていくのか……という、純愛AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

佐川英里子(さがわえりこ)。(CV:美咲ゆうか)
主人公の幼なじみで親代わり。隣の家に住んでおり、木を伝って主人公の部屋の
窓から侵入してくる。おっとり柔らかい雰囲気を持つ、マイペースな女性。
仕事はきっちりこなすが、結構お茶目さん。

新山葵(にいやまあおい)。(CV:木村あやか)
主人公の妹。グラビアアイドル。仕事が忙しく、事務所の寮で暮らしているが、
時間の出来たときは学園に来たり、主人公の家に帰ってきたりする。
明るくさっぱりした性格の女の子。主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。

南条伊吹(なんじょういぶき)。(CV:佐々留美子)
プロテニスプレーヤー。全米オープンをノーシードから優勝し、脚光を浴びる。
全く学園には出席していなかったが、左腕を怪我して、その療養のため日本に
戻ってきて、学園に通い始める。
海外生活が長かったため、日本語が怪しげで、一般常識にもやや欠ける。
マイペースで、人とはテンポがズレており、ネジが外れていると評される。

戸倉真由(とくらまゆ)。(CV:大花どん)
主人公のクラスメイト。やや無口、無表情で、男子に対してのみぶっきらぼうな
態度を取る。女性に対してはそれほどではない。妹を非常に可愛がっている。
アルバイトを掛け持ちし、さらに勉強もトップクラスという頑張りやさん。

木暮史佳(こぐれふみか)。(CV:如月美琴)
葵のマネージャー。通称「ふ〜みん」。葵の我が儘に振り回され、いつもわたわた
している可哀想な女性。葵のことを大事に思っており、何かと世話を焼く。

世良香澄(せらかすみ)。(CV:AYA)
主人公のクラスメイト。学園理事長の娘で、気品に溢れている。しかし、牛丼が
好きで、ふとしたときには可愛らしい素顔が見え隠れする。

生方蘭子(うぶかたらんこ)。(CV:深井晴花)
伊吹の自称専属コーチ。自身もテニスプレイヤーだが、伊吹をコーチするため、
活動は休止中。頭の回転が速く、行動力もある女性。

戸倉翼(とくらつばさ)。(CV:文月かな)
真由の妹。明るく元気で無邪気な女の子。好奇心旺盛で耳年増。
でも、しっかり者で、姉想いのとても優しいいい娘。

絵の方は、すっきりとした可愛らしい絵柄。爽やかな雰囲気の漂う綺麗な絵で、
表情も良く、活き活きとしています。
CGは明るく発色のいい色遣いの鮮やかな塗りになっており、見栄えがしますね。
作品の雰囲気ともよく合っており、とても綺麗だと思います。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともにあり。どちらもアクションが大きくて判り
やすく、コミカルなものもあって、見ていて楽しいです。
ただ、立ち絵はちょっと全体のバランスが悪いように感じました。
頭がデカすぎたり、中心線がズレていたり。イベント絵に比べると、やや魅力は
落ちるかも。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的に明るく元気なキャラが多く、
会話がとても楽しいです。伊吹との会話は、そのズレっぷりが最高です。
戸倉翼LOVE。←真由じゃないのかよ

音声はキャラクターとのマッチングは非常に良く、演技の方も文句なし。
各キャラクターの雰囲気が見事に再現されており、活き活きとしています。
ブラボー。

音楽はピアノを中心とした綺麗な曲が多め。とてもクリアで広がりのある曲が
使われており、単体でも充分聴き応えがあります。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はパンチの効いたハードでカッコイイ歌。ちょっと作品の雰囲気とは離れて
いる気がしないでもないですが、でもなかなかいい歌だと思います。
絵の方は、イメージムービーのような感じで結構動きまくっているのですが、
色遣いがちょっとどぎつくて、やや雰囲気が壊れている気がしないでもないです。
でも、なかなか力の入ったオープニングだと思います。

エンディングも歌あり。落ち着いた爽やかな歌で、余韻が残る、なかないい
エンディングテーマだと思います。

そして、挿入歌も用意されているのですが、これの使い所がなかなか絶妙で、
ストーリーをうまく盛り上げてくれたと思います。

あと、タイトルメニューでそのままほったらかしにすると、オートデモが始まる
ようになっています。自己紹介とか、ショートストーリーが流れるのはなかなか
面白いですね。英里子の自己紹介とか、結構ステキです(^^)
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、バック
ログなどはキーボードで操作できますが、メニュー操作は出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。前の選択肢に
戻る機能も搭載しています。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作も高速です。

セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付、シーン画像と、自由記述の
コメントが保存されます。
数としては、選択肢の数は少なめで、エンディングもそんなに多くはないため、
これだけあれば充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「新山志伸(にいやましのぶ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、伊吹が学園にやってくるところから始まります。
個性豊かな面々と毎日を過ごしているうちに、次第に誰かに惹かれていく……
という、純愛物の王道ストーリーが展開されます。

前半は、終始明るく楽しい雰囲気で進みます。会話はコミカルでとても楽しく、
ドタバタな毎日が過ぎていきます。
そこかしこに小ネタがちりばめられており、知っている人はくすっと出来るかと。
# テニスゲームのキャラ、魔女のお姉さんって。しかも必殺技は雪乃投げ(笑)
##「まぅうう」も反則(^^;

後半は、各ヒロインの抱えた問題などを絡めた、ちょっとシリアスな展開。
重い問題を突きつけられたり、主人公がヘタレたり、ちょっとイタい展開も
あったりしますけど、最後はすっきり爽やかに終わります。

特筆すべきは、キャラクター同士の関係。各キャラクターは密接な繋がりが
あって、その間を主人公が行ったり来たりしながら話が進んでいきます。
そして、ヒロインが決まって個別シナリオに入っても、他のキャラクターが
しっかりストーリーに絡んできて、展開がとても自然で、すんなりと入って
行くことが出来、感情移入しやすかったです。

さらに、演出も非常に凝っていて、画面の構図やキャラの配置、見せ方なども
かなり計算されていて良かったです。さらに、挿入歌の使い方や、エンディング
への持って行き方も素晴らしいですね。某エンディングはかなりやられました。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されており、尺の方はやや長めに
取られています。描写は結構丁寧ですが、基本的に純愛系のノーマルなシーン
しかありませんので、バリエーションは乏しく、それほど面白みはありません。
ただ、ヒロインの可愛らしさや、主人公との気持ちの繋がりを前面に押し出す
ような内容になっているため、純愛系のHシーンとしては、良くできているかと
思います。

テキストはちらほら誤字は見受けられますが、それほど致命的なものはないと
思いますし、テンポが良くてクセのない、読みやすいテキストだと思います。
唯一、伊吹が主人公と葵に呼びかける時に「あれ〜。志伸くんに、伊吹ちゃん」
と言うのは気になりました(^^;
# 修正ファイルを入れれば直るようです。
プレイ時間・難易度
ゲームは10月1日(金)から始まります。……10月1日に始業式ですか(^^;
まあ、後期のスタート、ということですね。
ゲーム期間は1ヶ月半+α。シナリオによって変わってきます。
前半は1日ずつプレイしていきますが、後半はイベントがあるところだけを
つまんでプレイするようになります。

ワンプレイは6〜8時間。やや長めですが、前半はほぼ共通部になっています
ので、1度クリアすれば、2周目以降はスキップを使えば半分ぐらいにはなります。
まあ、それでも結構ボリュームはありますけど。

難易度は低め。選択肢の効果はややわかりづらいものもあるものの、選択肢の
数が少なく、それほど苦労することもないでしょう。
ただ、条件を満たすとすぐ個別ルートに入るキャラもいますので、狙ったキャラ
以外は出来るだけ遠ざけておくのが無難かと。
総評
お奨め度は、爽やか純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
どのシナリオも変な捻りのないど真ん中直球な展開になっており、安心して
プレイすることが出来ると思います。
王道がゆえ、先の展開は非常に読みやすく、何かイベントが発生したら、その
結末までの展開が手に取るように解るのですが(^^;、それでも充分楽しめる
だけの力はあるシナリオだと思います。

そして、なんと言ってもキャラクターの描写が秀逸で、どのキャラクターも
非常に活き活きしており、会話がとても楽しく、気持ちの動きも良く伝わって
来るため、とても感情移入しやすいです。
また、個別ルートに入っても他のキャラが絡んできたり、サブキャラも話の
根幹に関わってきたりと、上手くキャラクターが活かされており、物語を
盛り上げてくれます。

全体的にとてもよくまとまった、非常に手堅い作りの作品で、面白味という
点ではやや欠けるものの、充分に楽しむことの出来る丁寧で素直な作りの作品
だと思います。爽やか青春純愛ストーリーが好きな人は是非どうぞ。

最後に。はい。もう何を言うかわかってますよね? 翼エンドきぼー(T_T)
# 翼可愛いよぅ。翼いい子だよぅ。


葵シナリオのエンディングにはやられました。
あの演出は反則だよなぁ。完敗です。



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