秋色謳華-秋色恋華ファンディスク-
ブランド名 Purple Software ジャンル アドベンチャー
発売日 2005.08.12 定価 \4,800
パッケージ 紙製パッケージ(167x232x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.14GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM
Growth : CD-DA=84.0MB、CD-DA3トラック
原画 月杜尋、悠樹真琴 シナリオ 山田光一郎
音楽 28曲、株式会社ランティス、景家淳 あり(2曲、OP・ED)、橋本みゆき
音声 フルヴォイス、佐々留美子、AYA、大花どん、美咲ゆうか、木村あやか、
文月かな、如月美琴、深井晴花、広野大地
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
1024x640
セーブ箇所 90箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 35枚
おまけ CG鑑賞、音楽鑑賞、背景鑑賞、おまけ
対象属性 ほのぼの、ドタバタ、コメディ、純愛、幼馴染み、女教師、眼鏡っ娘、黒髪、
チャイナドレス、オーバーニーソックス、ツインテール、リボン、お兄ちゃん、
姉妹丼、金髪、ストレートロング、お嬢様、体操着
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 5

レビュー
概要
本作品は2005年2月25日に発売された「秋色恋華」(以下前作)のファンディスク
です。内容は、前作では攻略対象外だった戸倉翼のシナリオと、各ヒロインの
後日談・おまけストーリー、アクセサリ集などとなっています。

前作をプレイしていることが前提になっていますので、未プレイの人は、まず
前作をプレイしておきましょう。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

佐川英里子(さがわえりこ)。(CV:美咲ゆうか)
主人公の幼なじみで親代わり。隣の家に住んでおり、木を伝って主人公の部屋の
窓から侵入してくる。おっとり柔らかい雰囲気を持つ、マイペースな女性。
仕事はきっちりこなすが、結構お茶目さん。

戸倉真由(とくらまゆ)。(CV:大花どん)
主人公のクラスメイト。やや無口、無表情で、男子に対してのみぶっきらぼうな
態度を取る。女性に対してはそれほどではない。妹を非常に可愛がっている。
アルバイトを掛け持ちし、さらに勉強もトップクラスという頑張りやさん。
全ての妹の味方。

戸倉翼(とくらつばさ)。(CV:文月かな)
真由の妹。明るく元気で無邪気な女の子。好奇心旺盛で耳年増。
でも、しっかり者で、姉想いのとても優しいいい娘。

南条伊吹(なんじょういぶき)。(CV:佐々留美子)
プロテニスプレーヤー。全米オープンをノーシードから優勝し、脚光を浴びる。
全く学園には出席していなかったが、左腕を怪我して、その療養のため日本に
戻ってきて、学園に通い始める。
海外生活が長かったため、日本語が怪しげで、一般常識にもやや欠ける。
マイペースで、人とはテンポがズレており、ネジが外れていると評される。
破壊魔(笑)

世良香澄(せらかすみ)。(CV:AYA)
主人公のクラスメイト。学園理事長の娘で、気品に溢れているお嬢様。
しかし、牛丼が好きで、ふとしたときには可愛らしい素顔が見え隠れする。
主人公を下僕として扱う。翼を妹として可愛がる。裁縫の腕は天才的。

新山葵(にいやまあおい)。(CV:木村あやか)
主人公の妹。グラビアアイドル。仕事が忙しく、事務所の寮で暮らしているが、
時間の出来たときは学園に来たり、主人公の家に帰ってきたりする。
明るくさっぱりした性格の女の子。主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。

木暮史佳(こぐれふみか)。(CV:如月美琴)
葵のマネージャー。通称「ふ〜みん」。葵の我が儘に振り回され、いつもわた
わたしている可哀想な女性。葵のことを大事に思っており、何かと世話を焼く。

生方蘭子(うぶかたらんこ)。(CV:深井晴花)
伊吹の自称専属コーチ。自身もテニスプレイヤーだが、伊吹をコーチするため、
活動は休止中。頭の回転が早く、行動力もある女性。主人公に「蘭子ちゃん」と
呼ぶことを強要する(笑)

絵の方は活き活きとした可愛らしい絵柄。すっきりとシャープな絵で、爽やかな
雰囲気の漂う魅力的な絵柄だと思います。
CGは明るく発色のいい色遣いで、よく映えますね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。アクションが大きくてわかりやすく、
コミカルな表情もあって見ていて楽しいです。基本的に前作の使い回しですが、
一部追加されてるっぽい気がします。

キャラクターは明るく元気なキャラクター揃い。個性豊かで、会話はとても
楽しく、ドタバタなストーリーが展開されます。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も文句なし。
特に翼の声は、とても活き活きとしていて印象的でした。まあ、この作品の
メインヒロインみたいなものですからねー。

音楽は綺麗な旋律のクリアな曲が多め。作品を上手く包んでくれます。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで軽快ながら、力強さと切なさのある歌。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、背景絵などはとても
綺麗で、見応えがありますね。

エンディングも歌あり。これは前作でも使われていた曲ですね。
ゆったりとした、ちょっと切なさも漂う曲で、ラストの雰囲気を上手く表現して
あると思います。

あと、タイトルメニューでしばらく放置すると、「なぜなに? あきいろ」という
オートデモが始まります。ここでは各キャラクターのインタビューという形式で
デモが流れるのですが……内容ははちゃめちゃで、めちゃめちゃおもろいです。
なんか、これだけでも満足した気分(^^;
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールに対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは1024*640。横長のシネマ
サイズという感じです。
動作は軽快。スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシナリオタイトル、自由記述の
コメントが保存されます。
数としては、選択肢のほとんど存在しないストーリーですので、これだけあれば
充分……というか、こんなにいりません(^^;
クイックセーブも、いったい何に使うのやら、という感じです。
なお、クイックセーブは、ゲームを終了すると、クリアされてしまうようなので
注意が必要です。……いや、使わないと思いますけど(^^;

システムは選択肢決定型のアドベンチャー? ほとんど選択肢は存在せず、
選択したストーリーをただ読んでいくだけ、という感じです。
ただ、某シナリオ……というかぷっちゃけ「秋色恋華-翼-」をクリアすると、
新たなショートストーリーがプレイできるようになります。

このゲームにはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、インストール時に
ディスクチェックが入るようです。インストールさえしてしまえば、それ以降は
ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「新山志伸(にいやましのぶ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、前作のストーリーで、翼をメインヒロインとした「秋色恋華-翼-」と、
メインヒロイン5人のショートストーリーがそれぞれ2本ずつ、計10本+α用意
されています。
本レビューでは、メインである「秋色恋華-翼-」を中心に触れていきます。

ゲームは10月10日(日)、伊吹の歓迎パーティーの日から始まります。
前作は10月1日から開始でしたので、めちゃめちゃ途中からです(^^;
しかも、キャラクター説明や、舞台説明などは全くないため、前作をプレイ
していないと、いきなり置いてけぼりを喰らうと思います。

ストーリーは終始コミカルにほのぼのと進みます。キャラクター同士の会話は
とても楽しく、特に翼が非常に活き活きしていていいですね。
後半、ちょっと切ないシーンなんかもあったりしますが、基本的には心温まる
いいお話だと思います。

ラストは綺麗に爽やかに終わり……かと思いきや、ドタバタのうちに終わる、
とっても秋色らしい感じです。

特筆すべきはやはり翼。前作ではサブキャラに甘んじ、あまり出番も多く
なかった翼ですが、今作ではメインヒロインとなり、全編出ずっぱり。
とても活き活きとしていて可愛らしく、非常に魅力的で良かったです。
というか、もう、翼がいるだけで、それでいいです(笑) ←ダメ人間

気になったのは、ストーリー展開。本作単体で見れば、ちょっと切なく、でも
どこか温かい、とってもいいお話なんですが……本作の展開って、前作の
真由シナリオを、真っ向から否定するような展開なんですよね。
前作の真由シナリオも好きな私としては、ちょっと微妙な気分でした。

さらに、特に後半は展開が強引で、あれよあれよという間になし崩しに話が
進んでいくので、ちょっと置いて行かれたような印象があります。
前半は非常に丁寧に描かれているだけに、後半の駆け足っぷりは、ちょっと
面食らいました。

ショートストーリーの方は、各ヒロインの後日談や、おまけHシーンという
感じになっており、展開は急で、かなり強引に感じることも多々。
また、各ヒロインは本編と微妙に性格が違っているように感じて、ちょっと
違和感を覚えました。「秋色恋華-翼-」本編ではそんなに気にならなかったの
ですが、各ヒロインのショートストーリーでは、「お前誰だよ」と言いたくなる
ぐらい違っているキャラクターもいて、前作で各ヒロインのファンだった人に
とっては、嬉しいどころか、逆効果な気もします。
前作では複数のライターさんがシナリオを手がけておられたのを、今作では
お1人で全て書かれているようですので、そのあたりで上手く個性が出せて
いないのかなー、という感じですね。
# 違う。こんなのは翼じゃない。こんなのは真由じゃない〜(T_T)

H度は並。ショートストーリー1本につきHシーンが1つ用意されています。
尺はやや短めで、描写もあっさりめです。主人公早すぎです(笑)
内容は純愛系のごく普通のシーンが多く、今ひとつ盛り上がりに欠けます。
ホント、おまけという感じが強いですね。

テキストはちらほら誤字は見受けられますが、さほど気にはならないかと。
同じ誤字が何ヶ所かに見受けられるのはちょっとアレですが。
あと、テキストと絵に差がある部分も、ちらほらと見受けられました。
「チャイナドレスのスリット部を指で軽く摘むと、その隙間から見える白い
太股を余計にチラッとさせてきた」……えーっと、あのー、めちゃめちゃ
ストッキングで覆われまくっているように見えるんですが……(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは10月10日の日曜日、伊吹の歓迎パーティーの日から始まります。
ゲーム期間は2週間弱。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは5〜6時間。結構長いです。まあ、基本的に前作のシナリオの
ほぼ2/3ぐらいはプレイすることになりますしね。
ショートストーリーは1本当たり30分程度です。

難易度は激低め。というか、ほとんど選択肢なんてなく、ただ読み進めて
いくだけですから、迷う事なんてないと思います。
総評
お奨め度ですが、翼好きな人にお奨め。もはや、翼による、翼のためのファン
ディスクという感じで、他のヒロインなんておまけです(笑)
もちろん前作をプレイしていることが前提になっていますので、前作が好きな
人に限りますが。

前作で翼シナリオがなかったことを嘆いていた人には、しっかりと翼シナリオが
楽しめますので、それなりに満足できるかと思います。
ただ、前作の真由シナリオとは対極に位置するシナリオのため、ちょっと好みが
分かれるところかと思います。
また、各キャラクターの性格が微妙に前作と違っており、ショートストーリーでは
もはや別人かと思うぐらいのキャラもいて、ちょっと面食らうかもです。
前作が好きな人ほど、この差は気になるかも知れませんね。

また、ショートストーリーはあくまでオマケ的なストーリーで、とりあえずHを
やっとけ、という感じで、今ひとつ楽しみきれませんでした。
特に、真由と翼は、お前誰やねん、というぐらいキャラが違っていて、展開も
強引なため、肩すかしを食らったような感じです。
# せっかく念願の翼とのらぶらぶシーンなのに、こんなのかよ、と。

前作をプレイしていないとよくわからない、前作が好きすぎる人には各所で
気になる点がある、翼以外のヒロインはかなり扱いが悪いなど、翼ファン
以外にはやや微妙な内容ですが、そこそこボリュームはありますし、値段は
安めですから、前作の雰囲気が好きな人で、翼が好きな人は是非どうぞ。
なお、お奨め度は前作をプレイしている人を前提に付けていますので、前作を
プレイしていない人は、-2 ぐらいしておいてください。

最後に。ちょっと待て香澄。その牛丼はいくら何でも大盛り過ぎるだろ(笑)



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