和み匣 Innocent Greyファンディスク
ブランド名 Innocent Grey ジャンル ファンディスク
発売日 2007.04.06 定価 \6,800
パッケージ 紙製パッケージ(152x133x31mm) マニュアル ブックレット
DISC容量 1.47GB(DVD-ROM)
初回特典ミニサントラ サクラメント : CD-DA=534.0MB、CD-DA14トラック
原画 杉菜水姫 シナリオ 鈴鹿美弥
音楽 36曲、Little Wing あり(2曲、ED)、霜月はるか
風音&うえおかあい
音声 あり、秋城柚月、一色ヒカル、森井花音、機知通、うえおかあい、滝沢アツヤ、
吉沢悠亜、杉原茉莉、青木史生、木口貴弘、井村屋ほのか、風音、かわしまりの
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 60箇所+60箇所+60箇所 CG枚数 44枚
おまけ CG gallery、Scene gallery、Music gallery
対象属性 ミステリー、サスペンス、純愛、ギャグ、コメディ、ドタバタ、黒髪、ストレートロング、
銀髪、ポニーテール、眼鏡っ娘、ショートカット、ボクっ娘、着物、和服、リボン、
ストッキング、ブルマ、ヘアバンド、女教師
1プレイ時間 1〜2時間 お奨め度 6

レビュー
概要
この作品は、2005年4月28日に発売された「カルタグラ〜ツキ狂イノ病〜」と、
2006年9月26日に発売された「PP ピアニッシモ-操リ人形ノ輪舞-」のファン
ディスクです。後日談やアナザーストーリー、ミニゲームなどが詰まった作品に
なっています。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

上月由良(こうづきゆら)。(CV:秋城柚月)
ある事件で重傷を負い、寝たきりになっている女性。主人公に対して強い
執着を持っており、邪魔者は全て排除しようとする。妹が嫌い。

蒼木冬史(あおきとうじ)。(CV:森井花音)
上野を裏から支配する組織「死の腕」の幹部で、主人公の友人。
料理が得意で、家庭科の先生。味噌好き。

高城七七(たかしろなな)。(CV:一色ヒカル)
主人公の妹で、大変態。超変態。
KOF団(今日一日を面白おかしく過ごす為のファンタスティックな団)の団長(笑)

上月和菜(こうづきかずな)。(CV:秋城柚月)
主人公の恋人。演劇の勉強のためアメリカに留学していたが、公演のために
戻ってきた。料理が苦手。貧乳。

凜(りん)。(CV:吉沢悠亜)
遊郭・雪白で働く女の子。やや控えめで真面目だが、根は明るくて結構さばさば
している。茶道の教師で、イタズラ好きでアバウトで脳天気。

美波栞(みなみしおり)。(CV:かわしまりの)
学園に転校してきた女の子。クールであまり人と積極的に関わろうとしないが、
KOF団に巻き込まれて引っ張り回される。

綾崎楼子(あやさきたかこ)。(CV:井村屋ほのか)
七七の友達でKOF団の一員。世間ズレした淫乱お嬢様。

白河綾音(しらかわあやね)。(CV:風音)
学園生。明るく元気でハキハキした女の子。貧乳。

橘美華夏(たちばなみかげ)。(CV:うえおかあい)
学園生。明るく元気だが、やや影が薄い女の子。巨乳。

御巫久遠(みかなぎくおん)。(CV:井村屋ほのか)
体育教師。授業が始まると軍曹になる。掴み所のない不思議少女。
# 「今日は皆さんに殺し合いをしてもらいます」……そんな授業は嫌だ(^^;

……えー、一部、あり得ないキャラクター紹介がありますが、ストーリーに
よって全然設定や性格が違ったりしますので(^^;

絵の方はすっきりとした中にも色気のある、独特の雰囲気を持った絵柄。
とても可愛らしく綺麗で魅力的な絵だと思います。
CGは綺麗に丁寧に処理されていると思います。独特の雰囲気を持った塗りで、
作品の雰囲気作りに一役買っている感じですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロと変わり、
コミカルな表情もあったりして見ていてとても楽しく、感情移入もし易いです。

キャラクターは基本的に明るくハキハキしたキャラが多いですが、それほど
突き抜けたキャラはおらず、やや控えめな印象があります。
そんな中、由良、七七、久遠あたりが強烈な個性を放っています。
もう、誰がなんと言っても凜が最高(笑)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
カルタグラ」と「PP ピアニッシモ」の両方に出ている声優さんは、兼ね役の
ようになっているわけですが、特に違和感もなく、きっちり演じられていて
良かったです。

音楽は、落ち着いた雰囲気の静かな曲が多め。使い回しの曲も多いですが、
新たに作られた曲もあったりと、曲単体でもなかなか楽しめます。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。STORYはメニュー選択以外はキー
ボードで操作できますが、ミニゲームはキーボードでは操作できません。
というか、さすがにキーボードではプレイできないと思います(^^;
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。描画でかなり待たされます。ただ、設定で効果を全てOFFに
すれば、かなりサクサク進むようになります。
スキップ動作はやや重め。ただし、上記の設定で効果を全てOFFにすれば、
そこそこ早くは鳴ります。

セーブ箇所は60箇所+60箇所+60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とタイトル、メッセージの一部が
保存されます。
数としては、各ストーリーはそんなに長くなく、選択肢も少ないため、これだけ
あれば充分でしょう。というか、全コンテンツまとめて60箇所でも充分だと
思います(^^;

システムはショートストーリーは選択肢決定型のアドベンチャー。
他にはポンジャンやたこ焼きなどがあります。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は基本的に「高城秋五(たかしろしゅうご)」固定です。
ただ、秋五が主人公じゃないシナリオも多くて、名もないお兄さんが主人公
だったりもしますけど。
シナリオ・プレイ感
ゲームは独立した5つのコンテンツから成り立っています。

STORYが「サクラメント 月ノ視ル夢」「凜 雪に咲く花」「いのぐれっ!」の3本、
MINI GAMEが「KOF 勝ち気な女たちによる二人打ちポンジャン!」と「真ロシアン
スピリッツ」の2本です。

「サクラメント」は、「カルタグラ」のトゥルーエンドから2年後の話。
アメリカに留学していた和菜が、公演のために日本に戻ってくるところから
始まります。和菜の帰国と共に目を覚ました由良が、また自分の望みを叶える
ために、行動を開始していくという話。
短いながらも非常にメリハリの効いたストーリーで、密度も高く、かなり楽しむ
ことが出来ました。救いがない……わけではないですが、切ない最後ですね。

「凜 雪に咲く花」は、「カルタグラ」が始まる前、凜が雪白で働き始めるところを
描いた作品です。
内容的には基本的にはひたすら凜とHするだけですが、凜がいかにして雪白で
働くことになったかなどが描かれているため、なかなか良かったです。
ちょっと切ない雰囲気もありますが、一応ハッピーな感じで終わって嬉しかった
です。やっべ、凜が可愛すぎる(^^; 凜ファンにはたまらないですね。

「いのぐれっ!」は「カルタグラ」「PP ピアニッシモ」のヒロイン達が学園に集い、
七不思議の謎を解き明かしつつ面白おかしい学園生活を送っていくという話。
もう、全編ギャグです。何でもありです。
# 「それ以上は、ネタバレになるから言っちゃダメですの〜」……いや、
# サクラメントでめちゃめちゃ犯人言ってますが(^^;

「KOF」は格闘ゲーム。嘘。ポンジャンでツンデレヒロイン達を倒していき、
壁紙をGETしていくというものです。ポンジャンが思ったより難しく、
なかなかあがれなかったり、点数の高い役が揃えられなかったりと、結構
クリアするのに時間がかかりました。

「真ロシアンスピリッツ」はヒロイン達とたこ焼き対決をします。たこ焼きは、
粉を入れて、焼けてきたらタコを入れて、ひっくり返して、焼き上がったら
更に入れるという単純作業なんですが、いくつも平行して作ると焦げて
ダメになったりしますし、かと言ってちょっとずつしか作らないとあまり
数が出来ないという、バランスが非常に難しいです。10皿がやっとです(^^;

H度は並。ストーリーによって数が全然違い、「凜 雪に咲く花」なんかは
ひたすらHしまくるため非常に数が多いです。「いのぐれっ!」も結構数は
あるんですが、イタズラ程度の軽いものが多いです。
全体的に尺はやや短めで、描写の方も比較的ライトです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポ良くサクサクとプレイ
出来ると思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間はSTORYによってまちまち。

ワンプレイはコンテンツによって違いますが、STORYは1〜2時間程度。
やや短めでプレイはしやすいかと思います。

難易度は並。STORYはエンディングの数も少なく特に悩むこともなく
クリアできるでしょう。「KOF」は先述の通りやや苦労しました。
「真ロシアンスピリッツ」に至っては、かなり難しいように思えます。
総評
お奨め度ですが、「カルタグラ」「PP ピアニッシモ」が好きな人にお奨め。
ヒロイン達が繰り広げる、後日談や本編とはまた違った雰囲気のストーリーは
なかなか面白く、より一層ヒロイン達を好きになれる感じです。

特に凜は、1本まるまるメインのシナリオが用意されていたり、かなり
優遇されていたように思います。凜好きな人にはたまらないでしょう。
ええ、たまりませんでした。ただ、主人公がどこの馬の骨とも解らない
自堕落でやる気のない自殺志願ニートなので、人によっては感情移入
出来ないかも知れません。そして、感情移入できないと、せっかくの
凜とのラブラブなシーンもいまひとつ楽しめなくなるかもですね。
ちょっと諸刃の剣的設定かも。

ストーリーそれぞれはやや短めですが、エンディングが複数用意されて
いるものもあったりとなかなか楽しめますし、ミニゲームはやりごたえが
あって、トータルで見れば結構遊べたと思います。
まあ、内容と定価を比べるとやや高いかな? という気もしますけど、
ファンディスクですし、そのあたりは仕方ないかな、と。

カルタグラ」と「PP ピアニッシモ」、特に「カルタグラ」はプレイしていないと
全然話がわからなかったりしますので、プレイしていることが前提の作品
です。事件の真相にさらっと触れてたりしますから、未プレイの人は必ず先に
カルタグラ」をプレイしておきましょう。

最後に。ファンディスクぐらい平和にほのぼのしてるだろ、と思った私が
あさはかでした(^^;



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