遊撃警艦パトベセル〜こちら首都圏上空青空署〜
ブランド名 May-Be SOFT ジャンル 美少女ポリスとドタバタ戦艦AVG
発売日 2007.04.20 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x230x40mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 3.19GB(DVD-ROM)
原画 あかざ シナリオ 帚星
音楽 14曲、父山或人、sumiisan あり(2曲、OP・ED)、keito、ちっち
音声 あり、未来羽、草柳順子、桜川未央、長崎みなみ、戸野綱麻世
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 115枚
おまけ CGmode、回想mode、音楽mode
対象属性 バカゲー、パロディ、ギャグ、赤髪、ボブカット、バニー、ツインテール、リボン、
オーバーニーソックス、スクール水着、ピンク髪、ドジっ子、アホ毛、巨乳、メイド服、
エプロンドレス、ご主人様、お団子頭、巫女装束、巫女さん、お兄ちゃん、眼鏡っ娘、
白衣、女医、ナース服、看護婦、金髪、縦ロール、しましま、ガーターベルト、黒髪、
ストッキング、ドリル、ポニーテール
1プレイ時間 7〜8時間 お奨め度 8

レビュー
概要
念願の警際官になるため東諒にやってきた主人公。配属された先は青空署。
遊撃警艦パトベセルの中に存在する青空署だが、警偉庁や一般市民からは
「空飛ぶ火薬庫」と呼ばれ、疎まれていた。果たして主人公は、この青空署で
どう過ごしていくのか……という、美少女ポリスとドタバタ戦艦AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

七瀬ヒカリ(ななせひかり)。(CV:未来羽)
青空署の署長で、警偉総監の一人娘である警偉正。正義感は強いが退屈なのが
大嫌いで、やり方や考え方も問題だらけ。歩く不祥事、始末書量産機、警偉庁の
核弾頭、日本警際の悪魔など、様々な二つ名を持つ。
# 「火薬と税金は使うためにあるのよ!」(笑)
NON団(ナンセンスに世の中を大いに盛り上げようとする七瀬ヒカリの団)の団長。
# 「ただの一般客には興味ありません! この中に不審者、窃盗犯、盗っ人、
# 怪盗ロールがいたら、私の所に来なさい! 以上ッ!!」(笑)
##超署長(爆笑)

端深空(はたみくう)。(CV:草柳順子)
青空署のオペレーター兼操舵士。警武。常に冷静でクールで毒舌家。
警偉庁きっての天才。パトベセルに関するほとんどの業務を受け持っている。
# 「みつな、いい加減慣れたほうがいいです。このブリッジに元から秩序なんて
# 無いんですから」(笑)
##「見つめ過ぎです、このロリ」(笑)

桃本みつな(もももとみつな)。(CV:桜川未央)
青空署の通信士。警武補。大人しく控えめで気が弱く、いつもおどおどしている
いじられキャラ。格闘技好きで解説好き。よく噛む。
座右の銘はセックス&バイオレンス(笑)

篠原伊月(しのはらいつき)。(CV:桜川未央)
青空署の整備主任。巡士部長。明るくさばさばした性格で、気さくで話しやすい
ため、男女問わず人気のあるねーちゃん。
# 「あたしらに出来るのは一発目で当たるよう祈りながら弾丸詰めること
# だけだよ!」……微妙に情けないな(^^;

野々宮柚子(ののみやゆず)。(CV:草柳順子)
青空署のコック長。巡士部長。おにぎりが得意。主人公を「兄さん」と呼び慕う。
4つの味覚を自在に操る杖、クッキングハートを使う(笑)

駿河葉澄(するがはずみ)。(CV:長崎みなみ)
青空署艦内医療全般担当。巡士長。面倒くさがりで面白いこと好き&悪戯好き。
現在恋人はなし、好みは年下。

向塚巻子(こうづかまきこ)。(CV:戸野綱麻世)
東諒の街でクリーニング屋を営んでいる。ゴージャスでエレガントで高飛車。
怪盗ロール(バレバレだし(^^;)にしてさすらいのコスプレイヤー戸野綱麻世。
……って、それ、声優さんの名前ですからっ。
# 零那の物真似、似すぎ(笑)
得意料理はロールキャベツ、ロールケーキ、だし巻き卵。巻きすぎです。
口癖は「このツナマヨ」。……声優さんの名前も「このつなまよ」さんですよね(^^;
# 「どんな汚れでもたちどころに、柄物でも真っ白にして差し上げますわ」(笑)
##柄物も真っ白にしたらダメだろ(^^;

黛玲於奈(まゆずみれおな)。(CV:長崎みなみ)
本庁から青空署に監視役として派遣されてきた警偉。真面目で堅物だが、
負けず嫌いで煽られると調子に乗って暴走して自滅する。結構マニアック。
案外青空署にすぐ馴染む。

絵の方は可愛らしく活き活きとしていて、また肉感もあって色っぽいとても
魅力的な絵柄。表情豊かで構図もわかりやすくていいですね。
CGは明るく発色のいい色遣いで、やや派手な印象もありますが、丁寧に処理
されていていいですね。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化共にあり。とても表情豊かでアクションも大きく、
会話に合わせてコロコロ切り替わるうえ、コミカルな表情などもたくさん用意
されていて、見ていてとても楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。特にメインキャラは強烈な個性を放つ
キャラ揃いで、会話はとても楽しいです。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なしです。
サブキャラはみんな兼ね役なのですが、そんなに違和感は感じませんでした。
特に伊月とみつなは、同じ人が演じているとは思えないぐらいでした。ブラボー。
なお、淫語は修正なしでそのまんま発音されています。

音楽は明るくコミカルな雰囲気の曲が多め。次いで、勇ましくカッコイイ曲が
多いです。コミカルな日常と、ハードな戦闘を上手く盛り上げてくれるBGMで、
とてもよく出来ていると思います。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はコミカルな雰囲気のポップな曲で、歌詞もなかなか面白くていいですね。
作品の雰囲気にバッチリ合っていると思います。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、曲に合わせてコミカルな
演出が入ったり、見ていて楽しかったです。

エンディングも歌あり。力強さと広がりのある歌で、最後をぴしっと締めてくれる
ような感じです。……まあ、歌詞は結構アレですが。

また、作中の各所にアニメーションが使用されています。
Hシーンのアニメーションだけでなく、日常のシーンでもアニメーションが使われて
います。
主砲発射シーンとかジェクト発進シーンのアニメーションは無駄に格好いいです。
日常シーンでは、玲於奈に回し蹴りをされるシーンとか、空がうどんをすする
シーンなどにアニメーションが使われていたりします。……うどんをすする所を
わざわざアニメーションで描いた作品なんて初めて見た(^^;
てゆーか、うどんをすするシーンのアニメーションっているんですか? 普通
いりませんよね? 何、この力のいれどころの間違いっぷり。大好き(笑)
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。CPU利用率は高めです。というか、マシンスペックを診断して、
ギリギリいっぱいのパワーを使っているような気がします。パフォーマンスは
手動でも変更可能ですが。スキップ動作はやや遅め。
ただ、1度クリアすると通常シーンをすっ飛ばしてキャラ選択シーンまでジャンプ
することが出来ますので、スキップはあまり使う必要はないかも。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、何日目かとメッセージの一部、シーン画像が
保存されます。
数としては、分岐が明確でそれほどセーブ/ロードの必要がないため、これだけ
あれば充分でしょう。

システムはマップ移動場所選択型のアドベンチャー。
マップ上には誰がどこにいるのかが表示されていて、誰に会いに行くかを選ぶ
ような感じです。
特徴としては、まず、既に書きましたがフル画面演出アニメーション。
主砲発射やジェクト発進、回し蹴りシーンにうどんをすするシーン(笑)など、
各所に美麗でカッコイイアニメーションが使用されています。
次に、挿入淫靡テーション。Hシーンで挿入する瞬間にカットインが入って、
挿入する瞬間の表情を見ることが出来ます。
そして、メイビーフルアニメーション。Hシーンをアニメーションで表現する
ものです。イベントCGのクオリティでアニメーションするため、なかなか
見応えがあります。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「赤島殉作(あかしまじゅんさく)」固定です。
もしくは「コンバット赤島」。せっかくだから俺はこの衣装を選ぶぜ!
# コスる大捜査線(笑)
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が青空署に配属されるところから始まります。本庁からも
一般市民からも疎まれている青空署に就任し、最初は戸惑いながらも徐々に
馴染んでいく……という話。

前半はひたすらコミカルで、ギャグ・パロディ連発な展開。
イベントの各所にパロディ……というか、もはやそのまんまなものも数多く
用意されていて、色々なところから訴えられそうです(笑)
ギャグに徹底しているため、かなり無茶なことをやっても平気です。
攻撃を受けたときにギャグっぽく叫べば、大抵助かるらしいです。
今度からそうしてみます(笑)
# 「しまった…!」とか「ここまでか…」とか呟いたり、ニヒルに笑ったり
# 家族のことを考えたりするとほぼアウトなんですね(笑)

中盤、個別ルートに入ってからは、ちょっと純愛チックなラブラブな展開に
なったりします。まあ、それほど丁寧に描かれているわけではなく、どちら
かというとHしまくるだけ、という感じではありますが。

後半はシリアスでややハードな展開になったり、ちょっと感動的な展開に
なったりと、前半からは考えられないぐらい真面目な展開になります。
まあ、もちろん各所にパロディは入っていたりしますし、そーんなにドロ
ドロ重い展開になるわけではありませんが。

ラストはすっきり綺麗に締めてくれるので、プレイ後の気分は爽快です。
嫌われ者からお尋ね者にレベルアップしていても、きっと本人達が幸せ
ならハッピーエンドですよね(笑)

特筆すべきは、なんといっても演出の数々。
立ち絵だけでも表情豊かでアクションも大きく、拡大表示されたり部分的に
アニメーションが入ったりと、とても楽しめるようになっています。
また、各所にフルアニメーションも入っていて臨場感たっぷりですし、
戦闘シーンなどはとても格好良く、メリハリの効いた演出で、最後まで
飽きることなくプレイできるように工夫されていると思います。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されています。ただし、サブ
キャラとメインキャラでは回数に格段の差がありますが。
尺の方はやや短め、描写はそこそこ濃いめです。
内容的には基本的に純愛系のものが多いですが、アクシデント的なものや
悪戯的なものも用意されていて、バリエーションは豊かです。
そして、挿入淫靡テーションやフルアニメーションで、シーンをさらに盛り
上げてくれます。
ただ、アニメーションはほぼ最初のHシーンでしか入らないのが残念ですが。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。
誤字をネタにするようなシーンもあったりと、テキストには結構気を遣って
あるような印象です。
さりげなく「役者不足」を正しく使っていたり、結構丁寧に感じました。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は10日強。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは7〜8時間。テンポ良くサクサク進むため、それほど長さも感じず
プレイしやすいかと思います。
2周目以降は、日常シーンを飛ばしてキャラ選択までジャンプすることが出来る
ため、半分ぐらいに短縮することが可能です。

難易度は低め。狙ったキャラと会い続けていればOKです。悩むことはないかと。
総評
お奨め度ですが、明るく軽いノリのバカゲー好きな人にお奨め。
各所にギャグ・パロディがちりばめられて、テンポもノリも良く、メリハリも
あってサクサクプレイできると思います。

基本的にはギャグ・パロディ満載のバカゲーですが、後半は感動的な展開が
あったりとメリハリも効いていて、ただバカなだけでなく、ちゃんとお話も
楽しめるようになっています。
まあ、最後まで徹底してバカを貫いて欲しかったという気もしますが、これは
これでありかと。

さらに、主砲発射シーンなどのアニメーションはとても良くできていてカッコ
イイですし、回し蹴りとかどうだっていいようなシーンにまでアニメーションを
使うなど、どこか力のいれどころを間違っている、無駄にクオリティの高い
作品です。なんというか、もう、大好き(笑)
もうね、これ作ったスタッフバカすぎ。←褒め言葉

ただ、パロディが思ったより幅が狭く、比較的最近の作品とか、マニアックな
作品のネタが多いため、わからない人も結構いるかもですね。
また、同ブランドの過去作品のネタなんかも結構ありますので、プレイして
いないと気付かないことも。「メイドさんと大きな剣」のネタがあったり、
巻子なんてまんま「モノごころ、モノむすめ。」のキャラだったりしますし。

なので、パロディの許容範囲の広い人でないと、ちょっと鼻についてしまう
かも知れません。
でもまあ、パロディ部分を除いても充分作品として楽しめると思いますし、
ラストの展開は手に汗握る緊迫した展開だったりしますし、それだけでも充分
お奨めできるかと思います。

あとは、「警際官」とか「東諒」とか「警偉庁」とか、微妙に実在のものと
ずらしているのはちょっと気になりました。
もう、ここまでパロディやるなら、正々堂々実名でパロディやってほしい
ものです。訴えられるならもう一緒ですよ!(笑)

でもまあ、テンポ良くメリハリもあってプレイしやすく、キャラクターも
個性的で活き活きしていてとても魅力的ですし、会話も楽しく演出も凝って
いて、アニメーションなんかも無駄にクオリティが高かったりと、とても
よくまとまった、優れたエンターテイメント作品になっていると思います。
雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

お奨め度は 9 を付けようかどうしようか迷ったのですが、ノリがノリだけに
ちょっと人を選びそうなので、ちょっと厳しめに 8 としました。
でも、個人的には 9 を付けてもいいかなー、と思えるぐらいの作品でした。

最後に。ダメ、絶対(笑)
# フィクションです(笑)


空シナリオでは結構うるうるしたんですけど、なんかこーいうバカゲーで
泣かされたりすると、みょーに悔しいのは私だけですか?(^^;

あと、巻子はスタッフに愛されすぎだと思います(笑)
# 色々おいしすぎる(^^;
##最後の最後までパロディかよ(笑)



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